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大学生の出流は将来を見失い、閉館間際の東京国立博物館で絶望していた。すると突然、どこからか大量の水が湧き上がり、異空間へ流されてしまう。助けたのは、舟に乗った謎の美青年・朧だった。展示ケースから現れた、煙管を手にした金魚や埴輪の犬も加わり、二人は心を通わせていく。しかしある日、朧が消えて……。切なく優しい博物館ミステリ。
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Posted by ブクログ
博物館が急に河になったらビックリしますよね! まさかの生者と死者の境界線なんて…… 煙管を持った金魚が愛くるしかったです! もう少し登場して欲しかったです! 埴輪のケルベロス可愛いです! ペットに欲しいです! でも、突進されたら痛いですね……笑 朧ツンデレ具合が……好きです!
博物館内がヴェネツィアの運河化している。観光とか遊覧なら楽しそうな木舟だが……。ちょっとした失敗が尾を引いて、好きな事が心の傷になるのは悲しいね。渡し守・朧と大学生・出流の交流は、最初こそカウンセラーとクライアントのように見えたが、最後にはその関係が変化して良かった。脇役も基本的に優しい。とくに途中...続きを読むから登場した懐こい埴輪犬が、癒し担当かのごとく元気をくれた。モフモフはなくとも賢くていい子だ。
博物館に現われる狭間の世界。呼び寄せたのは彼の絶望。 不思議と不思議が重なったその先は、出流の覚悟と想いが出口を示してくれる。
一応は短編連作の形だが、個々のエピソードに短編として完成度はあまりなく、長編とみた方が良さそう。気弱で、色々ダメダメな主人公と神秘的な美形の関係性を描くファンタジーもの。有り体に言えばよくある話で、その分、そつなくまとまっている。船上で振る舞う菓子を朧がミュージアムショップで買っていて、その代金の原...続きを読む資が渡し賃(160円)だから、小銭ばっかというような、変な生活感が漂うディテールがおかしい。
東京国立博物館にある、常世と浮き世の境、嘆きの川。迷い混む人の嘆きで、水量や流れが変わるその川で、嘆きや自分を投影していた展示物と対話したり、船頭にお茶と菓子で持てなされ、説得されたりする。 主人公の声が大きいので好みは別れそうだが、船頭のキャラクターとの対比で良いバランスになっている気がする。埴輪...続きを読む犬可愛い。 アケローンと聞いて、ギリシャ神話に精通する人はすぐにわかったんだろうなと思うと、教養は大事なものだと改めて思う。彼の嘆きは、誰かに必要とされることだったのだろうか。
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