水道、再び公営化! 欧州・水の闘いから日本が学ぶこと

水道、再び公営化! 欧州・水の闘いから日本が学ぶこと

814円 (税込)

4pt

水道民営化とは、地域窮乏化政策だ! 欧州の水道再公営化運動が生んだ、新たな民主主義から学び、日本の水道を、グローバル資本から守る。一九八〇年代以降、民営化路線を歩んできた欧州の水道事業。しかし杜撰な管理や財務の問題にスポットがあたり、再び、水道を公営化に戻そうという大きな流れが市民運動を起点に巻き起こっている。昨今、注目されている欧州の左派ポピュリズムのうねりの中核は、実は「水道の再公営化」を求める権利運動だったのだ。水は、人々の共有財・公共財<コモン>である。資本が利潤をあげるための対象として水を扱えば、たちまちその地域は窮乏化していく。民営化で疲弊した欧州の人々の怒りが地方自治体を動かし、「ミュニシパリズム」や「フィアレス・シティ(恐れぬ自治体)」など、新しい民主主義の形を作り出しているのだ。その成果である、水道事業の再公営化はなんと178件。水を再び自分たちのものへと取り戻す欧州の運動から日本が学び、各自治体において民営化をストップさせるにはどうすればいいのか。日本人でありながら、欧州・民主主義の最前線に立つ著者が、日本再生のためのカギを明かす。

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水道、再び公営化! 欧州・水の闘いから日本が学ぶこと のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年06月17日

    最近読んだこの手の「啓蒙的実用書」の中ではピカイチの読み易さと説得力。
    その点では、本書を読もうと思ったきっかけとなった、斎藤幸平氏のベストセラー「人新生の資本論」を大きく凌駕する印象だ。
    しかも、本書で再三再四登場するPPP/PFIの申し子とも云える世界的「水メジャー」ヴェオリア社。その日本代表は...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年12月01日

    ※まだ読み途中。

    オランダの政策シンクタンクNGO『トランスナショナル研究所』在籍の著者。

    インフラにおいては様々な問題が表面化され議論されているが、日本ではまだ議論が活発でない"水"についての話。

    日本では聞き慣れない問題ではあるものの、表出したきっかけは、訪米していた麻...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年05月08日

    齋藤幸平さんの「人新世の『資本論』」で紹介されていて、興味を持ち、読んでみた。まず、アムステルダムの「トランスナショナル研究所」なるシンクタンクの存在を知らなかった。エネルギー分野では、ドイツなどで、シュタットベルケの再公営化の動きがあることは知っていたが、水道などの分野でも同様のことが起こっている...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年05月04日

    水道、再び公営化!

    ヨーロッパでの動きをもとに、水道事業の民営化に対して一石を投じる本書。
    フランス、イギリスが水道を民営化された状態からいかにして公営化に至ったかが記載されている。また、水や住居などの<コモン>を民間企業に任せることの危険性を論じている。論点としては、一つは水貧困の問題である。水...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年01月28日

    面白かった。希望はある。
    コモンについてもっと学習したい。
    ここから斎藤幸平の著作に入っていこう。

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    Posted by ブクログ 2020年05月08日

    水道事業にとらわれず、「公共」とは何かを適切かつ明確に伝えてくれる。残念ながら「官」は未だ硬直化・非効率なサービス提供を行っていることは否めない。かといって、「民」たるや特異な分野での利潤追求にはいくらか長けていても、こと公共サービスの提供となると、指定管理にみられるように独創性はほとんど発揮されず...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年04月30日

    日本ではPFIの議論が盛んだが(実態はともかく)、本場欧州では、少なくとも上水道分野は再公営化の事例が増えてきている様子。民主主義の歴史を感じる。

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    Posted by ブクログ 2022年07月12日

    水道事業の民営化問題にとどまらず、グローバル企業に抗する自治体の取り組みなどが紹介されていて、とても興味深い。

    民営化によって水道料金が高騰したり、サービスや品質が低下したり、事業や財務状況の監督が困難になったりする。イングランドとウェールズの水道会社10社は、必要のない借り入れを繰り返して借入金...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年05月10日

    麻生氏が当時の副総理大臣だった時の、海外に向けた日本の水道の公営化の発言から本文が始まっている。

    著者は海外の水道事業のうち、民営化されたものが再度公営化された例を研究や情報収集している。

    パリから始まった水道の再公営化の波は少しずつではあるが着実に広がっている。その理由は外資系水企業における、...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年12月03日

    メモ
    株主配当、役員報酬、そして納税。これだけでも株式会社による運営のコストが見える。また借り入れも公営だと低金利でできるものが高くつく。さらに企業は短期的な利益を上げ続けることを見据えるし契約期限もあるので、次世代・長期的な事業をしない傾向がある。

    ミュニシパリズム……地域に根付いた自治的な合意...続きを読む

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