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Posted by ブクログ
ジャガイモ、ナシ、リンゴ、ダイズ、カブ、ダイコン、ワサビの七種を「採り上げ」て、うまい品種の歴史をわかりやすくひもとく。トリビアの宝庫で、この七種だけでなく、もっといろんな品種の話を聞いてみたいと思う。
(ジャガイモ)
・マックのポテトがやたら長いのは専用品種「ラセットバーバンク」が巨大だから
・日本のジャガイモ出荷量は年190万トン、このうちカルビーが27万トン。マクドナルドが年間に購入するジャガイモは150万トンで全量輸入。
・コナフブキ、男爵に続く日本年間生産量第3位の「トヨシロ」はポテトチップス用品種、コロッケ用としては男爵が根強いがきたかむいが注目株、ポテトサラダ用にはさやか」が理想的、など使用用途別に品種が別れている
(ナシ)
・栽培種の起源は野生種のニホンヤマナシ。長十郎、二十世紀、幸水が代表品種
・長十郎の欠点は日持ちの悪さ、黒斑病対策された(それでも弱い)二十世紀が天下をとるも、早生品種であり真夏に収穫期を迎える1989年に黒星病に対する弱さにもかかわらず「幸水」が生産量一位に。
(リンゴ)
・「林檎の唄」のリンゴは紅玉、アメリカ名はジョナサン
・「ふじ」の前世代のナンバーワン品種は国光、
戦前戦後にはこれと国光のほぼ2品種
・ふじは国光にデリシャスの花粉をかけたもの、世界ナンバーワン生産品種で一説によると世界シェア30%
・ジョナゴールドは母親が紅玉(ジョナサン)、父親がゴールデンデリシャス。つがるはその逆。
(ダイズ)
・国産大豆の用途は豆腐53%、納豆16%、煮豆総菜10%、味噌醤油10%。大豆の自給率は7%。
・1kgの大豆からとれる豆腐は11丁から13丁
・豆腐には高タンパクで粒が大きいフクユタカ、納豆には小粒の品種が向く
・枝豆は豆ではなく野菜分類
カブ、ダイコン、ワサビには品種についての面白いトピックは少なめで、野菜そのものの雑学が多いがそれはそれでおもしろい。
Posted by ブクログ
「昔に比べて野菜が不味くなった」とお嘆き
の貴兄は読むべし、です。
多くの食材は品種改良により、より美味しく
よりたくさん、より一年中食べられるように
なっています。
コメの品種改良は多くの媒体で取り上げられ
ているので、ここでは触れられていません。
ジャガイモ、ナシ、林檎、大根、様々な食材
を紹介しています。
ポテトチップの原料であるジャガイモは、国
産であることが良く知られていますが、一方
でマクドナルドのポテトは全て米国産です。
なぜか。
ここに品種というものが密接に関係していま
す。
普段何気なく食べている野菜に対して「品種」
というこだわりに興味を持つきっかけになる
こと間違いなしの一冊です。
Posted by ブクログ
なかなか面白かった。
著者はキリンビールで花の品種を開発してきた育種家。
ところで、植物の育種家のことも、ブリーダーというそうだ。
そんなことも、本書で知ったことだ。
ジャガイモ、リンゴ、ナシ、大豆、カブ、大根、そしてワサビの品種開発の話が取り上げられている。
一つ一つ、へぇ、の連続だ。
ジャガイモは栄養繁殖性。
種イモから育てる、クローン繁殖だ。
だから、病気が流行ると一気に広がる恐ろしさがある。
育種にも、安全保障的な考え方が必要だと学ぶ。
ついでに、メイクイーンのえぐみは、ポテトグリコアルカロイドなる物質のせいで、冷蔵庫の光でも増えるそうだ。
暮らしにも役立つ――!
ガンマ―フィールドなるもの。
放射線を当てて育種する施設があるそうで、そこで開発されたナシが「ゴールド二十世紀」。
二十世紀ナシの変異種だそうだ。
ナシは日本で独自進化した数少ない作物だという指摘も面白かった。
梨といえば韓国だが、あれとはかなり違うのか。
リンゴといえばふじ。
しかし、最初はちっともうけいれられなかったらしい。
今や世界的に栽培されている品種なのに、品種権の考えが未熟であったために、育種者は報われなかったらしい。
こういう話はリンゴに限らず、本書で何度か出てくる。
ついでに、サン○○というリンゴの品種名は、袋かけをしないことを意味することを知ることができて、ちょっとうれしい。
あとは、スグキとスンキが別物であることも知った。
漬物好きの人なら知っていて当然かもしれないことだが。
ワサビ嫌いの若者が増えているとも書いてあり、驚いた。
ワサビを50%以上使用した商品には「本わさび使用」、それ以下の含有量の商品には「本わさび入り」と記載されているそうだ。
で、代わりに何が入っているかというと、ワサビダイコン(ホースラディッシュ)なのだとか。
知らなかった。パッケージを観察してみよう。
それにしても、ワサビは何と繊細な作物だろう。
ほんのちょっと場所が違うだけで、育たなくなる。
現在の代表的品種は真妻という種。
だが、育種よりも栽培技術の開発の方が大変だそうだ。
しかし、メリクロン苗(組織培養で増やしたクローン苗)をハウスで育てる方法が考えだされ、今や一大産業になりつつあるという。
現在進行中の話題で、今後の展開が気になる。
Posted by ブクログ
普段あまり読まないジャンルに手を出そうの会その1
馴染はなかったんだけど、キチンと引き込む筆者の力量が光るね。味や伝来(歴史)、作り方からトレンドまで。中公新書はこーゆーとこが信頼できて非常に良い…。
野菜/果物を栽培するときに、味が美味しいのはもちろんだけど、やはり害虫や病原菌に強いといった”育てやすさ”が1つの指標になる。そこに加え形が崩れないか、どの時期に収穫できるか(初物は売れるのである)なんてことも加わってくると複雑だ。
それに味一つとっても、何に使うかで求められる要素が変わってくるわけで。
普段私達が何気なく食べている品種というのは、数え切れない人の数え切れない努力の末に生まれたのだなぁ、としみじみ思うのでありました。
贅沢だけど、実物食べながらこういう解説を読みたいなぁ。どこかでやってたりしないのかしら。
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