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段落を意識すると、読み書きの力だけでなく、聞く力や話す力までも伸ばすことができる。それは、段落に頭の中の思考を整理する「箱」としての役割があり、情報をわかりやすくアウトプットする助けになるからに他ならない。コミュニケーションの質を向上させうる段落のもつ力とその可能性、あるいはWEBに見られる新しい「段落」の形について、日本語研究の第一人者である著者が明らかにする。
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Posted by ブクログ
かなり面白い。 日本語、文章論の研究者である石黒圭氏による、段落の原理、種類、コミュニケーションにおける段落の意味の3部から成る、新書作品。主題は、日本語の文章における段落であり、段落の使い方・読み方次第で文章のわかりやすさが変わっていくことを詳しく説明している。面白い点は、日本語の「パラグラフライ...続きを読むティング」の作法を解説している点と、スマホ時代の新たな段落や文章の傾向の変遷を分析している点。 日本語のパラグラフライティングは、なかなか教えられることがないと認識している。その上で、この本では、段落の中に、小主張文、支持文、小結論文、及び中心文があり、それぞれ、特定のパターンがある、という点を整理して、文章の作り方のルールを形式化し解説している。これ自体は論文を書く学生やビジネスライティングをする社会人にも非常に有用な考え方だと思う。特に、論理的に話を展開するために、鳥瞰して構える計画をして、しかし実際に書きながら魚の目で流れるようにその計画を修正していく、という執筆計画と執筆実践の両面を意識した書き方と考え方を書いており、役に立つ、という意味で面白さを感じた。 もうひとつに、スマホ時代の段落や文章は、ページが小さくなったり、他方で紙幅に制限がなかったり、という環境変化によって、より展開を期待させる段落に、空白を作る段落になってきた、という。人間のコミュニケーションの中で、文章のあり方が変わってきていて、伝統的な文章のあるべき論よりも、フキダシを使ったLINEのような文章形式や、官公庁におけるポンチ絵のような文章が今後の新たな段落となるかもしれない、と、著者はかなりひらけた目線を提供している。 論理的に日本語で考え、書くために、段落をどう捉えるかの考え方が整理され、面白い本だったと感じる。
小学校で習う段落という概念。確かに日常的に文章を書くときにも本を読むときにも触れてはいるのだが、ちゃんと理解できているという感覚はずっとなかった。 何となくこういうものだろう、というぼんやりした使い方を今までしていたが、ちゃんと理解してみたくて手に取った。 前半では段落というものの定義や使い方など...続きを読む基本的な段落の知識を教えてくれる。そして後半は文章の書き方や読み方、話し方での段落の使い方というより踏み込んだ使い方が記されていた。 面白かったのはSNSの普及で段落の使い方が変化しているという点。 確かにTwitterやLINEの文章で形式段落を入れてる文章は余り見かけない。その代わりに空白が段落の代わりに使われているのだという。更にその空白自体にも、長く空白を開けることで読み手に驚きや、長い間を表現したりなど、別の意味が含まれていたりするという話も面白かった。
大学の履修科目の参考文献として載っていたので読んだ。 段落とパラグラフの違いについて考えたこともなかった。また、web文章と紙の文章の構成の違い一「白地に黒」と「黒地に白」の対比一はとても学びになった。 文章を書く機会がある際、段落に気を利かせ書いてみたい。
タイトルが「堕落論」のパロディだったとは…。 まったく気づきませんでしたよ。 つかみがたい日本の段落。 (「美しい日本の私」のつもりで言ってみた。) どうしたらいいか、自分も全く心もとない。 そこで読んだのが本書。 談話にも適用できる「段」という概念が面白い。 段落の機能(まとめ、切り、つな...続きを読むぐ)、種類(意味段落/形式段落だけではない!)を整理し、最後に、コミュニケーションのためにどう使えるか、という話になる。 ネット上の文章の新しい形の段落にも触れている。 段落という「現象」の見取り図を示してくれている。 とはいうものの、これを読んで、すぐに段落を使いこなせるとはとても思えないのだけど。
広い概念として「段落」を扱っており、書き言葉(文章)における段落から喋り言葉の段落まで射程が広い本である。 ネットメディアにおける段落についても言及しており、段落という構造をみつめることによって、「どうしてネットニュースは現在の形式になっているのか」という疑問について秀逸な考察がなされている。
この本を読んで、メールを書くにせよ、ブログを書くにせよ、適当に二回のエンターキーを押すのではなく、意識的な区切りをつけていこうと考えるようになった。 また、段落は入れ物という考え方で、読むようになった。ただし、あらゆる素人の書き手に、この考え方を求めるのは難しいだろう。
日本の段落は読み手のため 英語の段落は書き手のため(読み手のためでもあるが) というのがなるほど、という感じ。
本書の構成自体が、段落とは何か、を示唆するもので興味深い。また、使用されている言葉が隅々まで的確で、読んでいて快かった。
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段落論~日本語の「わかりやすさ」の決め手~
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石黒圭
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