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本書は、新任の一次評価者が評価についての基本的な知識を体系立てて勉強できることを念頭に書かれた本である。評価の基本的なところは、どのような評価制度でも大体同じであり、従ってあらゆる人事制度にも対応できる。 日本経済新聞出版社から本書と同名のビデオが発売されている。本書はビデオの内容・構成とほぼ同じであり、ビデオで伝えきれなかったところも丁寧に解説しているので本書とビデオを併せて活用されると、評価者研修を効果的に実施することができる。
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Posted by ブクログ
人事評価の入門書として基本的な評価および目標設定面談の臨み方について勉強になった。絶対評価と分析評価の重要性、部下を育成することを意識すること、モチベーションを上げて今後につながる評価を心がけることの重要性を理解できた。
「相対評価」 ある特定の集団の中で標準となる人を決めて、その人と比べて順位づけし評価する手法。 長所:妥当なところに落ち着く。運用が簡単。昇給・賞与にメリハリのついた差がつけやすく、また資源との調整が比較的簡単にできる。 短所:どこが良くてどこがまずかったかを指摘することが難しく、能力開発に結び付け...続きを読むにくい。社員の中に競争心を高め、敵対関係が生じやすい。なぜ「5」なのか「3」なのかを説明しにくい。評価が中心傾向になりやすい。 「絶対評価」 評価基準(モノサシ)が決まっており、その基準に照らして評価する手法。 長所:評価基準に照らして評価するので、本人の納得が得やすい。会社目標、部門目標、個人目標との関連も得やすく、会社業績、部門業績に直結する。何が不足しているか良くわかり、適切にフィードバックすることにより能力の開発に結びつく。 短所:実態より評価する寛大化傾向が生じやすい。賞与・給与資源との調整が難しい。評価能力によって差が出やすい。明確な評価基準を作成し、フィードバックなどをしっかりおこなう必要があり、運用が難しい。 「総合評価」:細かく評価項目を設定し評価するのではなく、被評価者全体をみて評価。小規模の会社で社長の目が行き届いている場合この評価方法で十分。 「分析評価」:細かく評価項目とウェイトを設定し評価。評価項目とウェイトによって必ずしも妥当な評価に落ち着くことにならない。 評価で陥りやすいエラー ①ハロー効果 : なにか一つ良い(悪い)と実態以上に良く(悪く)みてします。 ・評価項目の定義(意味)を理解し、それに沿って評価する。 ・過去の来歴、印象による評価は排し、対象期間の行動や結果をみてありのままに評価する。 ②対比誤差 : 評価基準をモノサシにするのではなく、評価者自身をモノサシにして評価してしまう事。 ・自分(評価者)の性格をよく知っておくこと。 ③寛大評価傾向 : 実態よりよく評価すること。 ・他人は他人、自分は自分という気持ちで、評価に自信をもって当たる。 ・事実にもとづいて評価する。 ・評価することの目的には部下の育成がある事を認識。 ④逆算誤差 : 昇格などに合わせて点数を合わせる。 ⑤中心化傾向 : 無難な「3」などの評価をつける。 ・絶対評価には普通という概念はない。 ・評価者をよく観察すること。 ・自信を持って評価する。 ⑥期末効果 : 評価直前の行動や結果で評価してしまう。 ・観察記録を簡素につける。 評価で大切なこと ①部下との信頼関係が第一、能力開発を主眼に行う。 ②事実思考、観察記録。 ③評価する前に評価基準を読み直す。 ④エラーに陥らないように自戒する。 ⑤評価期間中の行動や結果を測ることである。人間の価値を決めることではない。 ⑥常に自分を磨く。 フィードバック面接の話の組み立て ソフトな雰囲気づくり ↓ よかったところを褒める ↓ 足らないところを指摘する ↓ これから期待することを話す ・部下の話を否定しない。最後までしっかり聞く。 ・yes、noのはっきりした質問ではなく、「それで・・・・何が課題だと思う?」「どうすればよいのかな・・・・」など考えさせるような質問をして気づかせる。 ・話し合いの要点はメモをとる。 ・合意したことは必ず守る。
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