Posted by ブクログ
2020年04月29日
数年前まで韓国担当もやっていたので、首都ソウルのみですが、韓国へは何度か行っていました。私の子供の頃、韓国には朴大統領がいるのを知っていましたが、その娘さんが大統領を辞めることになり、次の大統領になってから、韓国経済の調子がおかしくなってきたような気がします。
つい10年前までは、韓国企業は決断も...続きを読む早く投資を積極的にやって日本企業を脅かして、韓国企業の礼賛本も何冊か出ていたように思います。
そんな私にとって、このタイトルには驚きました。著者が私が何冊も読んでいる高橋氏でなければ素通りしていた可能性もありますが、本屋で見つけたので手に取ってみることにしました。
遠交近攻という格言がありますが、近くの国と仲良くすることは難しいようですね。
以下は気になったポイントです。
・日本大使館前に慰安婦像を置く(2016年末釜山)のは明かにウィーン条約違反である、2015年12月の日韓合意にも反する(p26)
・日本政府は2019年8月2日の閣議において、信頼できる輸出先国として指定する「ホワイト国」から韓国を外す政令改正を決めた、また名称を「グループA」と変更すると発表した、非ホワイト国としては、イラン・シリア・中国・ロシア・ウクライナ・トルコなどがある(p38)
・徴用工と表現することはおかしい、国家総動員法にもとづき、1)1939-41年は民間機業による「募集」、2)1942-44.9までは朝鮮総督府による「官斡旋」、3)それ以降の終戦までは、国民徴用令による「徴用」である(p45)
・徴用工問題における韓国側の措置は国際協定に明確に反している、請求権問題は一企業ではなく、韓国政府でなければならない(p46)
・日本は貿易立国ではなく国内経済が中心の内需型(輸出13、輸入12%GDP比)である、中国(19,14)、韓国(38,31)と比較して小さい、米国は輸出8、輸入12%である(p76)
・世界各国で輸入の伸び率とGDP成長率には安定的な相関関係がある、輸入伸び率からGDP成長率を推計できる。これから中国経済が低迷しているのは間違いない(p81)
・スワップ協定は何か経済危機が起きた時にお互いに助け合う制度、米国、EU、英国、スイス、カナダ、オーストラリアなどと、無期限無制限の協定を結んでいる(p106)
・東京都の貿易収支は大赤字だろう、人が多くて製造は少ないけれど仕入れが多くてたくさん消費しているから経済としては全く問題ない、貿易収支が赤字の国は先進国ではたくさんある(p116)
・米国は日米FTAの交渉で車の話はしてこない、現地生産という奥の手があるから(p123)
・TPPは実質的に資本主義国でない国が嫌がる協定である、話をモノの貿易だけにとどめたいから、なので中国は絶対にTPPに入らない。国有企業の問題や資本の自由化が議題にのぼるから(p124)
・過去の戦争のデータから実証分析すると、同盟の強化は戦争の確率は戦争の確率を減少させている。とくに世界最強の米国との同盟関係は日本への攻撃を多いとどまらせる抑止力としての効果の方が大きい(p185)
・イージスアショアの道入の閣議決定(山口県と秋田県に2基配備)は、海上自衛隊のイージス艦、航空自衛隊のPAC-3に続いて、陸上自衛隊が初めての運用を担う(p189)
2020年4月29日作成