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知の根幹が揺らいでいる。背景には、学問に対する社会の無理解・誤解・偏見があるのではないか……。現代人は何でも予測できると思いたがる。しかしながら、自然界は予定調和ではなく、予測不可能なカオスであり、生き延びるには「非常識なアホ=変人」が必要なのだ。「変人講座」が大反響を呼んだ「もっとも京大らしい」京大教授が、カオス理論やスケールフリーネットワークといった最先端の理論から導き出した驚きの哲学と「アホ」の存在意義、育て方を披瀝する。
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Posted by ブクログ
ただのちゃんちゃらおかしい本ではない。 「選択と集中」is正義を作ってきた日本の偉い人達とそれを迎合する世の中の人間たちに対する心の叫びが具現化した本である。ブラボー。 私は自他ともに認める真面目な人間だが、そこそこアホであることも自覚している。大学時代にいた突拍子もない友人先輩後輩ほどではないが...続きを読む、社会に出て割とアホな方であると知った。 突き抜けもしないし、だからといって真面目一直線でもない。そんな中途半端な自分に嫌気がさしていたが、「人間は矛盾する生き物」という言葉に安心した。アホな一面もあっていいじゃないか。 筆者は「選択と集中」というキレイな言葉を使っているが、「選択と集中」したもの以外を受け付けないという昨今の風潮が私は嫌いだ。お金にならないから、賞を取れないから、だから無駄だ。なんだその価値観は、と言いたくなる。そうではなかろう。お金にならない・賞を取れないとムダなのかと反論したくなる。国立大学が独立行政法人になってしまった、日本が自国の学問をそうさせてしまったことに深い悲しみを覚えた。もうこの時点で私はアホ寄りなんだろう。 もっとアホでいていい。私はもう学生じゃないし、なんなら人を管理する側に入ってしまった。でも制限をかけたり取り締まるのは本当に好きじゃないしやりたくない。でも、自分がやろうと思ったことはもっと突き抜けてやってもいいと思った。
約束された成功をもとに会社の仕組みが作られていて、立案時に投資対効果は精度を突き詰め意思決定を行い、数年後効果測定を行う。遊びは一切ない。そんな価値基準が蔓延している会社で予測不可能なチャレンジなんて出来るわけない。って思いながら読みました。本書は会社の偉い人全員読んでほしい。
卒業式の仮装や折田先生などの話で「どや京大はおもろいとこやろ」という本かと思っていたが、いい意味で裏切られた。カオス・複雑系の話から教養部、世の中にまで話が流れていく。心地良さとともに、自分の考えかたにも入ってきた部分がある
現在言われているリーンスタートアップやアジャイルな組織が、進化論やネットワーク研究の面からも妥当な方向性だと感じた。 あとは価値観に順応させ、どう浸透させていくか…
民間の企業で求められる力と、学者達の世界で求められる力が異なることがよく分かる。 大学の独立行政法人化によって壊されてしまったことへの危機感を筆者が提言する。
面白いけど、所々難しかった。 マジメとアホという切り口で多様性の大切さを書いている、そんな本でした。
生き物の社会構造と進化の構造を知り、多様性を理解するのにとても役立ちます。▼我々は、世界を樹形図構造的な因果の秩序でとらえがちです。しかし自然界は未来予測不能なカオス。そのカオスの世界はスケ―ルフリーネットワークという生存に有利な秩序(complex networks)であることが分かりました。直線...続きを読む型の樹形図秩序ではなく、ランダム発生的な正規分布と異なる。生き残りに強い柔軟性の高いネットワークです。そこには「まじめ」だけでなく「アホ」の存在が必要です。「選択と集中」は長期にはうまくゆかず、「アホ」を自由に走り回らせた方が未来を切り開く。数学的意味は難しそう。▼共産主義も独裁主義も長くは続かない理由が、本書で分かる気がする。▼書き写し:「多様性は、『みんな色々でいいですね、楽しいですね!』ではない。大嫌いなやつ。絶対合わない、目も合わせたくない。そういうやつも含めての多様性だ。カエルにとってのヘビや、人にとってのゴキブリこそが多様性だ」。多様性を受け入れようと思ったら、理解できない人や嫌いな人の存在にも耐えなければなりません。いまは多くの人が強い商人要求を抱えている社会。それを象徴するのが、SNSにおける「いいね!」でしょう。
本書は京大の先生が「アホ」なことをする重要性を「マジメ」に書いた本という印象でした。 1章、2章のカオスについての話は少々理屈っぽく読んでいて眠くなることもありましたが、3章以降の本題は読みやすかったです。 「選択と集中は絶滅への道」とも書かれていますが、大学内においても「無駄」と思われるものを排除...続きを読むして過度に効率化を進めようとする昨今の情勢に警鐘を鳴らしています。
職場の上司から「この本、読んでみると良いよ」と言われ、お借りした本。大学における教養概念を考えていく上で、ヒントがたくさんあった。著者は京大の旧教養部・総人の教員であり、「アホ」や「ムダ」・「ガラクタ知識」の効用を自身の研究と教育経験に基づきわかりやすく説いている。複雑化社会に対応するには、生物の真...続きを読む似をし、様々なことをやってゆるく選択するという「発散と選択」の考え方が有用とのこと。今日の樹形図構造により組織された秩序だけで、物事を判断しようとすると、人間がが生物でなくAIを備えたロボットのようになってしまうと危惧されている。本書では教養について、「カオスな世界では、因果律を積み上げた体系的知識(樹形図構造の知識)はどこかで破綻してしまう。そのときに必要になるのが、いわゆる教養なのではないでしょうか?だとすれば、教養とは樹形図構造の『外側』にある知識だとみなすこともできるでしょう。」(p.108)という見方を示している。 また、京大の「教養部」がなくなり研究者がプレッシャーを感じずに研究できる場が一つなくなり、さらに大学界全体が法人化後競争原理にさらされ、論文一つひとつの質にこだわらず、本数や生産性・効率性を過度に重視する昨今の風潮を明確に批判している。 大学論において、大学における教養と科学技術政策は、分けて論じられることが多いが、相互に関連しあっていると改めて認識した。最後に、終章の政財界に対する著者の主張が少しでも届くことを望みたい。
なぜ私は京大生時代、あんなにものを自由に考えていたように思えたのに、卒業して約25年、こんなにも受け身で面白味のない人間になってしまったのか。その哀しみを打破してくれる本でした。もうこの人生には「飽き飽き」!
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京大的アホがなぜ必要か カオスな世界の生存戦略
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酒井敏
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