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【元京大変人教授、SDGsにモヤモヤする!】
近年声高に叫ばれる「SDGs」や「サステナブル」といった言葉。環境問題などの重要性を感じながらも、レジ袋有料化や紙ストローの導入、そしてSDGsバッジなどの取り組みに、モヤモヤしている人は少なくないのではないか。
「京大変人講座」を開講した著者は、大学で「SDGs担当」になったことをきっかけに、その言説や取り組みに違和感を覚えた。人間や地球環境にとって、ほんとうの「持続可能性」とは何か。名物教授が科学的観点と教育的観点からSDGsのモヤモヤを解き明かす。
【おもな内容】
プロローグ 「キレイ」なSDGs
第一章 危ういSDGs
第二章 プラゴミ問題で考える持続可能性
第三章 地球温暖化とカオス理論
第四章 無計画だからこそうまくいくスケールフリーな世界
第五章 日本社会の自由度をいかに高めるか
終章 うんこ色のSDGs
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
SDGsはキレイゴトの目標で、明確な達成基準があるわけでもないため、無理をせずぼちぼちやることが大事という。
プラスチックゴミは、海への流出を防ぐ意味で、素材を揃えて回収しやすいペットボトルくらいをリサイクルでフリース素材などに回し、それ以外は焼却して熱回収するのが最も良いというのは目から鱗。埋め立ては資源循環を止めてしまうためにサステナブルではないし、雨などで侵食されて流出することもある。リサイクルは異なる素材では難しいうえに、品質が劣化するためプランターなどの屋外用途が多くなり結局劣化して雨で流れ出しマイクロプラスチックとなって海を浮遊してしまう。焼却は二酸化炭素排出の観点で欧米で忌避されているが、化石燃料の消費に比べて微々たるものであり、廃プラがなければ代わりに化石燃料が燃やされていたような用途での活用であれば結果として二酸化炭素排出量は変わらないというのは納得。
地球温暖化については、的確に予測しようとすると深層海流まで含めた膨大なデータが必要で、自然界の巨大な排出と吸収がどのように変化するかも見通しがたいため、人間の活動による二酸化炭素排出量を何%削減すれば気温上昇を何℃に抑えられるという予測がそもそもかなりいい加減なものである(ただ、脱炭素の取組自体の重要性を否定するものではない)。
意思決定者も管理者もいないスケールフリーネットワークが極めて強靭であり、自由度の高い社会や組織が強い組織であるから、失敗を許容し、アホな挑戦を奨励する社会を目指すべきという。
そして、かつてシアノバクテリアが光合成を始めて酸素という(当時の生物にとっての)毒を生成し始めた後に、酸素を取り込んで二酸化炭素を吐き出す生物が生まれてきたことや、化石燃料のような捨てられて自然の循環から外れた物質を活用するホモサピエンスの活動が生じたことなどを念頭に、現在どうしようもないと思われているプラスチックなどの廃棄物も、いずれそれをご馳走としてエネルギー循環に戻してくれる生物が生まれてこないとも限らず、SDGsはそれまでの時間稼ぎとしてぼちぼち取り組んでいけば良いとの主張。
面白い。星4つ。
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