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明暦の大火のあと、日本橋の刀屋に長曽祢興里という男が無骨な刀を持って現れた。旗本にして死体を試し斬る役の鵜飼家の娘邦香は、鬼姫と呼ばれていた。越前で甲冑師であったという興里の鍛えた刀に魅せられた鬼姫は、自ら死体を重ね試斬して確かめる。無類の斬れ味がやがて評判を呼び、鬼姫や刀屋の幸助の助けもあり、興里は不忍池のほとりで刀鍛治として名を馳せていく。ところがある日、興里は吉原一の花魁勝山に突然招かれる。
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Posted by ブクログ
50歳を越えて、刀鍛冶を目指した長曽称興里(虎徹)と刀試し切り人の娘の鬼姫こと邦香との関りを中心に、花魁の勝山など様々な人物がからんできて、次々と事件が起こる。どの人物もなかなかに魅力的で、話も飽きさせない。日本刀の蘊蓄にも詳しくなれるぐらい、刀づくりの工程も詳細に出てくる。物語として、本当に面白か...続きを読むった。柳生宗冬がやられるところなどは、ちょっとすかっとしたりした。長辻象平の小説は、いい。最新作の「あめんぼう」もよかった。続編が楽しみだ。
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