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「『空虚な承認ゲーム』をどう抜け出すか。その『答え』ならぬ『考え方』を教える本書は、規範喪失の時代における希望の書である」(斎藤環氏)。現代社会に蔓延する承認の問題を真正面から捉えた注目書! 私たちを覆う「生きにくさ」の本質に迫る。
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Posted by ブクログ
数年前に読んだ本だけど、メモを見返しての感想。 就活に苦しんでいる自分に響く内容だった。まさに“承認と自由の葛藤”に悩んでいた。 つまり、 「大企業や名の知れた企業、ホワイト企業に入り、親や恋人、指導教員、同期から承認を得たい」という気持ちと、 「一般的な企業で働くことが絶望的に向いていない(イン...続きを読むターンが全て苦痛だった)ので、無名で給料も低いが自分の適正に合った仕事をしたい」という気持ち の2つで葛藤していた。 自分の中にいる“一般的他者”の視野を広げることで、承認と自由の両立が可能であるという言葉に励まされた。
面白かった。 現代社会は、価値観の多様化に伴い共通の価値観が揺らいでいる。そのため社会承認よりも身近な人の承認を重要視するようになり、承認を得る可能性が狭まり承認不安に満ちてしまっている。見知らぬ他者を排除するという危険にある。
【「空虚な承認ゲーム」からの脱出】 承認欲求の話です。 心理学的なことばかり書かれているかと思っていたので、こんなにわかりやすいとは驚きました。 社会学の知識が少しある方はさらにわかりやすく感じるかも知れません。 昔は特定の価値観が共有されていたので、承認欲求は割りと低めだったらしいのですが、近...続きを読む代社会は宗教的な価値観の絶対性はゆらぐし、交通が便利になってしまって海外からの考え方もたくさん手に入るようになってしまって、何を信じればいいのか分からないと言った状況らしいんです。 だから、新型うつ病などと呼ばれる新しい症状が出たりすることから顕著なように承認不安の時代となってしまって、他人の承認を得ることに必死になってしまっている。 といった感じの内容です。 僕は浅野いにおさんの書いた『ソラニン』で承認欲求の例を解説しているところが一番印象に残りました。
承認への欲求がかつてないほどに高まっている。そんな時代である。しかも人々が欲する承認は「見知らぬ他者」からのものではなく「身近な他者」によるものであると著者は説く。自らの生きる意味・存在価値を常に希求する人間の根底には、無意識にせよ常に誰かに認められたいという潜在的な欲望が横たわっている。身近な他者...続きを読むからの「親和的承認」を得ることに奔走する人々の背後には、近代社会の到来における価値観の多様化によって「自由への欲望」と「承認への欲望」の両立に苦しんできた近代人の姿がある。最終的には親和的承認へと傾斜していく欲求を自覚し、「自己了解」と「一般的他者の視点」の獲得に能動的に取り組むことでこの「自由と承認の葛藤」の問題を解消できると著者は言う。個人的には「一般的他者の視点」の獲得するためのヒントとして著者が挙げているのが道徳的行為であり、それのみを原点として果たして肥大化した承認不安を乗り越えられるのかは疑問に感じたけれど、人間の根源が結局承認への欲求にあるということを多面的にあるいは経時的に考察し、その本質を掘り下げることができるという意味で非常に参考になる一冊でした。
「承認欲求」について、親和的承認、集団的承認、一般的承認の3段階で説明され、承認の不安はどこからきているのか、その不安を軽減していくにはどうしたらいいのかの提案がされています。 固い本かなとしばらく積ん読にしていましたが、読み始めたらおもしろく、一気に読み終えてしまいました。 自己分析や対人援助...続きを読むの際、この知識があると役に立ちそうだなと思いました。 この視点をもって、しばらく世の中を観察してみようと思います。
本著は2011年に出版されたもので、当時はまだSNSの萌芽期であったはずだが、この内容を見るに著者には先見の明があったとしか言いようがない。 承認不安について人間の深層心理を突いた内容で納得した。結局感情の形成は親をはじめとした幼少期の環境に依存してしまうのは、いわゆる"親ガチャ"...続きを読む;を外した者を考えるとやるせない。また、過去に植え付けられたトラウマ的呪縛はいざ解放されたとはいえ、真に自由にはならないのが難しいところだ。もし今苦しんでいる人がいるのならその苦しみを打ち解けられる場を作ってあげたいものだ。
日本人は宗教的観念も他国と比べて低いため、周囲の人たちの承認により、自分の必要性を感じようとする。あまり好きではない人との飲み会も、嫌われたくない、嫌な噂を立てられたくない、そう思っていたら断れず、だからといってそこで自分の承認価値が高まるわけでもなく、不服な気持ちを抱く悪循環。しかも交際費が重なる...続きを読むだけ。無意識に思ってしまう「しなければならない」という感情を(自己ルール)=過剰な自意識に気づいて自分を理解する。言い換えて、自己了解していくことで空虚な承認ゲームから脱出できるひとつの方法である。snsなどの発達によって親しい人からの本物の承認を得られにくくなっていく現代において、刺さる一冊!!ゆあてゃに憧れる人たち。まさに空虚な承認ゲーム 共依存の本質は「人に必要とされることの必要です。自分にとって大切な人から「あなたがいないとわたしは生きられない」と言われることで、自分の存在がはじめて「承認」されたように感じることから、共依存者的な生き方が始まります。(p.120) なぜ知的な人々ほど神経症に苦しんでいたのか。 しかし、知識人層のように、自由の意識が芽生えた人間、伝統的価値観に違和感を抱いた人間においては、たとえ承認を得るために伝統的価値観に準じて行動しても、そこに納得感は乏しく、どこか無理をしている感触が付きまとう。 p.144 本当の自分が抑圧される原因は、周囲の人間の評価に対する過剰な自意識なのである。p.163 空虚な承認ゲーム=同調行動が、功を奏して、承認が維持されているうちは、承認の不安を一時的に遠ざけることはできる。だがそこには、価値ある行為や知識、技能を承認される場合に生じるような充足感はない。p.165 日本人の承認基準は、周囲の人々。 欧米人の自我は神に支えられているから、対人恐怖にはならない。
正解のない多様性だから 承認に飢えてSNSにすがる まずは身近な人へのリスペクトと承認から始めようぜ
人の承認欲求には3段階があるという。⒈親和的承認、⒉集団的承認、⒊一般的承認 ということらしい。 ⒈は肉親や親しい間柄で成立する無条件の承認、⒉は自分が所属する集団内で役に立つことを認められるもの、⒊は社会一般にとって(普遍的に)認められることなんだそうだ。価値の普遍性を失った現代社会では一般的他者...続きを読むの視点から自らを測ることは難しい。だから誰かの承認を求めたくなるらしい。確かに、自分の中に価値基準を持っている人間は、他人の評価なんて気にしない。けど普遍的な価値基準をどうやって持てばいいのだろう。
おもしろかったー。最近、勉強することで自由になるけど不自由だなと思ったのは、色んなことを知って自由になればなるほど、その自由な自分を承認してくれる場所がなくなっていく感覚があったからなのかもなー。 成長過程のところは、親や先生、職場のリーダーなど、誰かを教育する立場の人にぜひ読んで欲しいと思ったかな
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「認められたい」の正体 承認不安の時代
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山竹伸二
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