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Posted by ブクログ
第一次世界大戦の国際政治・外交を記述している。
期間としては戦後も含めて10年程ではあるが、ボリュームのある内容であると思う。
読前は第一次世界大戦は連合国が順当に勝利した、という印象を持っていたが、想像以上に紙一重だったことがわかった。
タイトルにあるように、第二次世界大戦と比較して第一次世界大戦は「忘れられた戦争」と呼ばれる。特に日本は第二次世界大戦の衝撃が大きすぎたこと、第一次世界大戦では直接の被害を被っていないことから、その傾向が強い。しかし、100年前のこの戦争が今後の世界に与えた影響は大きい。さなかに生まれたソビエト連邦、ヴェルサイユ体制等々、は第二次世界大戦、冷戦に密接に関係してくる。
これだけに限らないが、歴史は過去からの連続性である。歴史を学ぶことは現在、未来にも活きてくる。そういった意味でも日常から意識する必要まではないが、知っていることは必要ではないかと感じた。
Posted by ブクログ
「忘れられた戦争」とのサブタイトルを持つ本書は、日本人にとっては馴染みの薄いとされる第一次世界大戦を、国際政治・外交を中心に、各国の政治家や権力者に焦点をあてながら叙述している。
初版は1985年ということで、近年のよく分からんグローバル史とやらとは違い、ウィルソン、ヴィルヘルム2世、レーニン、ロイドジョージなどの人物の魅力を生き生きと描く。
以下はあとがきからの引用。
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歴史叙述は単なる概説であってはならないと思う。また人物描写においては、筆者のその人物に対する感受力、想像力の如何が大切である。
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Posted by ブクログ
▼山上さんという著者の方は存じ上げなかったのですが、楽しめた読書でした。実は「第一次世界大戦について」の一般向けの本を読むのって、多分2冊目か3冊目なんです(笑)。なかなか1回ではすぐに忘れて残らなくて。あともう1冊くらい読んだら、大まか明瞭に把握できるのではと期待しています。
▼どことどこが、なんで戦ったんだっけ?・・・・というところからして、「ヒトラー」という千両役者?がいる第二次世界大戦と違って・・・。というのが世界史音痴だった自分の状況だったので。
ようやくぼんやり分かってきました。つまり、第一次次世界大戦は、欧州帝国主義と、欧州帝政国家とが限界に達したんだなあ、と。自分たちが生み出したグローバルな侵略的資本主義に自分たちが呑み込まれたというか。そして引き換えに、アジア中東アフリカの民族自決主義&独立運動を招いた。社会主義革命と帝政の崩壊を招いた。東欧の民族国家主義台頭と、アメリカ(と日本)の台頭を招いた。
(色々間違っているかも知れませんが)
▼結局、出る杭は・・・というヤツで、植民地帝国主義、あるレベルの広域統一国家、そして資本主義の勃興‥‥という観点で言うと、恐らく18世紀~19世紀、イギリスの独り勝ち。そして不動の2位にフランス、体力図体が小さいけれどオランダ…と言ったところか。そして辺境の新興勢力アメリカ。同じく辺境の古豪ロシア。
その一方で統一が遅れたり、出遅れたのがドイツ、イタリア。まだしもドイツの方がビスマルク時代に急成長、仏英を脅かす。仏には勝ってしまう。
▼このドイツが、オーストリアと組んで欧州の覇権をイギリス&フランスと争ったってことなんですよね。これ最終的に、アメリカという国がどうしてもドイツよりもイギリスにルーツ的な親和性がある。かつ、オープンな資本主義貿易としてもイギリスに親和性がある。そもそも言語が同じだし。そういうことが無かったら、ドイツが勝っていたのかもなあ、と思ったりしました。
▼物語講談風?に語るところは語ってくれて、ロシア革命と第一次世界大戦は切っても切れないことや、アラビアのロレンスの位置づけなども親切。読みやすい満足感でした。
Posted by ブクログ
第一次世界大戦について知っていること・・・
ボスニアのサラエボでオーストリーのフェルディナンド大公夫妻がセルビアの青年に暗殺されたことが第一次世界大戦の引き金になった
・・・ということは誰でも知っていますがナゼそんなマイナーな(?)地域での事件が世界を巻き込む大戦争のきっかけになったのか、正確に答えられる人はごく少数でしょ?
例えばこういう簡単な質問に答えられないことについて疑問を持つ人に対して、この本は実に的確に回答を与えてくれる。
歴史は必ず原因があって結果がある。
歴史とは因果関係が必ずあるという前提がなければ成り立たない学問である。
何故いまのロシアがあるのか、中国があるのか、バルカン諸国があるのか、ヨーロッパがあるのか、アメリカがあるのか、アラブ諸国があるのか、そして日本があるのか・・・・
今を知るためには、オリエンテーリングのように必ずチェックポイントを通過しなければならないのである。
第二次世界大戦を知るためには、第一次世界大戦を知る必要があるのである。
・・・・・・
第一次世界大戦の入門書としては実に上手くまとまっている。
毒ガスとか、塹壕戦とか、西部戦線異常なしとか、WarよりBattleに目が向きがちだけれど、本書は一切省いている。
それよりも、この大戦が帝国主義国から共和国への過渡期と捉え、各国の(未熟な?)政治家たちの判断に焦点を絞っている。
しかも、少ない字数の制限にも係わらず、係わった人たちを出来るだけ血の通った人間として描こうとしている。
ウウゥ~~ン、こういう描きかた好きです。
無機質になりがちの歴史なんだけど、歴史って結局人間が作るものなんですよね。
日本(アジア)からの視点も多くの字数を割いていることも好感が持てる。
Posted by ブクログ
第一次世界大戦がもたらした世界とはどのようなものであったか。 戦況よりむしろ、政治、外交がどのように展開していったかを時系列に沿って追う。 ロシアの革命、無制限潜水艦作戦の開始、アメリカの参戦など。 シベリア出兵を含め、日本の動向も述べる。第一次世界大戦の結果、ヨーロッパの4つの帝国、ドイツ、オーストリア・ハンガリー、ロシア、オスマントルコはいずれも解体の道を辿った。史上初めての共産主義国家の誕生に加え、国際連盟、民族自決など、歴史上重要な概念が生まれた。 しかしその戦後処理は大国の利害を反映したものとなり、第二次世界大戦の勃発を避けることはできなかった。
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