ハーバード・ビジネス・レビュー イノベーション論文ベスト10 イノベーションの教科書

ハーバード・ビジネス・レビュー イノベーション論文ベスト10 イノベーションの教科書

日本企業の経営者やマネジャーが今、最も求めている「イノベーション」促進のための入門書。イノベーションといえば、クレイトン・クリステンセン(『イノベーションのジレンマ』や『ジョブ理論』著者のハーバード・ビジネス・スクール教授)やドラッカー(クレアモント大学教授)で、両巨人の論文も掲載しています。

詳しい情報を見る

  • カテゴリ
    :
    ビジネス・実用
  • ジャンル
    :
    ビジネス・経済 / 経営・企業
  • 出版社
    :
    ダイヤモンド社
  • タイトル
    :
    ハーバード・ビジネス・レビュー イノベーション論文ベスト10 イノベーションの教科書
  • タイトルID
    :
    544606
  • ページ数
    :
    264ページ
  • 電子版発売日
    :
    2018年09月06日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    9MB

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

ハーバード・ビジネス・レビュー イノベーション論文ベスト10 イノベーションの教科書 のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    以下、『イノベーションの教科書』で紹介されているRWWスクリーニングを、考え方・評価構造・具体的な問い・運用上のポイントまで含めて体系的に整理します。

    『イノベーションの教科書』詳細整理

    ― RWWスクリーニング:新規事業・新製品を「現実性/勝算/価値」の3段階で検証する ―

    1. RWWスクリーニングとは何か

    RWWスクリーニングは、イノベーション、新製品、その潜在市場、自社のケイパビリティ、競争環境を、一連の問いによって体系的に評価する手法です。

    RWWとは、添付図にある3つの問いを指します。

    * Is It Real?|現実的か
    * Can We Win?|勝てるか
    * Is It Worth Doing?|やるだけの価値があるか

    重要なのは、RWWを単純な「Go / No-Go判定」の仕組みとして捉えないことです。

    本来の目的は、

    誤った前提、知識格差、不確実性、リスク要因を明らかにし、「どうすればNoやMaybeをYesに変えられるか」を探索すること

    にあります。

    したがって、初期アイデアの選別だけではなく、コンセプト設計、プロトタイプ、上市準備など、製品開発の各段階で繰り返し利用することが想定されています。反復するほど、市場・製品・財務に関する情報が増え、判断精度が高まっていきます。 貼り付けられたテキスト(1 点).txt

    ⸻

    2. RWWの全体構造

    RWWは3つの大問いを、さらに6つの基本質問に分解します。

    Gate基本質問
    Real①その市場は現実的か
    ②その製品は現実的か
    Win③その製品に競争力はあるか
    ④自社に競争力はあるか
    Worth⑤リスクに見合った利益を上げられるか
    ⑥発売することに戦略上の意味があるか

    貼り付けられたテキスト(1 点).txt

    この構造で特に重要なのが、

    「市場がある」≠「自社が勝てる」≠「自社がやるべき」

    という切り分けです。

    魅力的な市場が存在しても、自社に競争力がなければ参入すべきとは限りません。

    逆に競争力があり収益も上げられても、全社戦略との整合性が低ければ、必ずしも優先投資対象にはなりません。

    ⸻

    3. Gate 1|Is It Real?

    「そもそも、その事業機会は本当に存在するのか」

    RWWの第一段階は、「作れるか」ではなく、

    市場と顧客から出発して、本当に機会が存在するのか

    を確認することです。

    ここがRWWの非常に重要な思想です。

    本文では、市場を先に確認する理由として、

    * 技術よりも市場のほうが不確実性が高い
    * 技術起点で考えると「技術に走る」危険性がある

    ことが挙げられています。

    P&Gの調査として、多くの商品カテゴリーにおいて失敗製品の約7割が、市場を十分に把握できなかったことに起因するとも紹介されています。 貼り付けられたテキスト(1 点).txt

    つまり、

    「この技術で何ができるか」より先に、
    「誰の、どの問題を解く必要があるのか」

    を明確にする必要があります。

    ⸻

    4. Real①|その市場は現実的といえるか

    市場の現実性は、添付図の4つの問いで確認されます。

    ① ニーズ・欲求は存在するか

    単なるアンケート上の関心ではなく、

    * 見過ごされているニーズ
    * 十分に満たされていないニーズ
    * 顧客のフラストレーション
    * 実際の行動
    * モチベーション

    を把握します。

    そのために本文では、

    * 実地調査
    * エスノグラフィック調査
    * 顧客行動の観察

    などが推奨されています。 貼り付けられたテキスト(1 点).txt

    セグウェイは象徴的な反例として紹介されています。

    技術的には独創的でしたが、

    「消費者が自動平衡式二輪輸送機を本当に必要としているのか」

    という市場起点の問いが十分検証されていませんでした。

    ⸻

    ② 顧客は購入できるか

    ニーズが存在することと、購入可能であることは別問題です。

    障害には、

    * 予算
    * 法規制
    * 顧客企業の契約
    * 調達ルール
    * 製造・流通
    * 導入条件

    などがあります。

    たとえば教育分野では、学校関係者が教育技術を欲しいと思っていても、予算がなく購入できない場合があります。

    つまり、

    Need ≠ Demand

    です。 貼り付けられたテキスト(1 点).txt

    ⸻

    ③ 潜在市場は十分な規模か

    顧客課題が存在しても、対象顧客数が少なすぎれば魅力的なビジネスにはなりません。

    本文では「トロンボーン用オイル」という極端な例が紹介されています。

    ニーズそのものが存在しても、

    潜在購入者 × 購入単価 × 購入頻度

    などを考えた結果、投資を回収できる市場規模が存在しなければ「Real」とは言えません。 貼り付けられたテキスト(1 点).txt

    ⸻

    5. 「顧客は欲しいか」と「顧客は買うか」は違う

    RWWの中でも実務上非常に重要なのが、

    「顧客は実際にその製品を買うのか」

    という問いです。

    顧客には、

    * 既存習慣を変えたくない
    * 新製品を使うことにリスクを感じる
    * 実績がないものを採用したくない
    * 既存商品で十分満足している

    といった心理的・組織的障壁があります。

    本文で紹介されるエポキシ接着剤の事例では、新製品は機械停止時間を減らし、コストも削減できる優れた商品でした。

    ところが、プラントエンジニアや製造責任者は、

    「本当に安全なのか」

    「機械を壊さないか」

    というリスクを懸念し、導入しませんでした。

    一方で、実際の保守担当者は新しい方法を試す意欲があり、自分たちの予算で購入できました。

    そこでターゲットを保守担当者へ変更すると、商品は成功に転じました。 貼り付けられたテキスト(1 点).txt

    ここからRWWでは、

    市場=企業や業界ではなく、購買意思決定構造まで含めて定義する

    ことが求められていると理解できます。

    ⸻

    6. Real②|その製品は現実的か

    市場の存在を確認した次に、

    本当にその市場ニーズを満たす製品を実現できるか

    を確認します。

    ここでは3つの論点があります。

    製品コンセプトは具体的か

    チーム内で、

    * どんな顧客を対象とするのか
    * 何を提供するのか
    * 必要性能は何か
    * 技術要件は何か

    について認識が一致している必要があります。

    開発初期ほど、この認識は意外なほど曖昧です。 貼り付けられたテキスト(1 点).txt

    ⸻

    その製品を本当につくれるか

    単純な技術的実現可能性だけではありません。

    確認すべきなのは、

    * 利用可能な技術・素材で実現可能か
    * 技術的ブレークスルーが必要か
    * 製造可能か
    * 適正コストで提供可能か
    * バリューチェーンを構築できるか
    * 技術規格に適合できるか

    です。

    本文では海上浮遊型原子力発電所の例が紹介されています。

    発想としては魅力的でも、巨大構造物のたわみによって金属疲労や機械接続部の摩耗が発生するという解決困難な技術課題が判明し、プロジェクトは中止されました。 貼り付けられたテキスト(1 点).txt

    つまりRWWは、

    「技術的にできそう」ではなく、「事業として成立する品質・価格・条件で実現可能か」

    まで問います。

    ⸻

    7. 開発できることと、市場を満足させることも違う

    さらに重要なのが、

    「その製品は市場を満足させられるか」

    です。

    開発プロジェクトでは、

    * コスト
    * 技術的制約
    * 製造上の都合
    * スケジュール

    によって仕様変更が繰り返されます。

    その過程で、

    当初の顧客価値が少しずつ失われる

    可能性があります。

    本文では初期の電子書籍端末が例示され、

    * 大容量
    * 検索性
    * 技術的新規性

    などは優れていても、

    「従来の本で十分」

    という顧客認識を覆せなかったことが指摘されています。 貼り付けられたテキスト(1 点).txt

    ここで重要なのは、

    技術仕様の完成度ではなく、
    顧客価値が最後まで保存されているか

    という観点です。

    ⸻

    8. Gate 2|Can We Win?

    「市場があって製品も作れる。しかし、そこで本当に勝てるのか」

    Realを通過すると、次に競争の問題になります。

    本文では、

    現実的な機会であればあるほど、競争相手もその市場を狙う

    と指摘されています。

    したがって、

    「売れる市場か」

    から、

    「その市場で自社が継続的に利益を取れるか」

    へ評価軸を切り替える必要があります。 貼り付けられたテキスト(1 点).txt

    Winは、

    1. 製品の競争力
    2. 企業としての競争力

    に分解されます。

    この分離は非常に重要です。

    ⸻

    9. Win①|その製品は競争力を持ちうるか

    競争力とは、単純なスペック優位ではありません。

    顧客が知覚する価値には、

    有形価値

    * ライフサイクルコスト低減
    * 安全性向上
    * 品質向上
    * メンテナンス削減
    * サポート負荷削減

    無形価値

    * 信頼
    * ブランド
    * 社会的評価
    * 採用リスク低減

    などがあります。 貼り付けられたテキスト(1 点).txt

    したがって、

    Value PropositionとCompetitive Advantageを混同しない

    ことが重要です。

    顧客価値が存在しても、他社が同じ価値を簡単に提供できれば、競争優位にはなりません。

    ⸻

    10. 競争優位を維持できるか

    次に問われるのが、

    競争優位の持続可能性

    です。

    代表的な防御手段として、

    * 特許
    * 知的財産
    * 暗黙知
    * 人材
    * 独占的資源
    * 独占供給契約
    * ブランド
    * 販売チャネル

    などが挙げられています。

    3Mのプライバシーフィルターのケースでは、

    * 独自技術が特許で守られていた
    * 同性能を提供する競合が存在しなかった
    * 事務用品市場で3Mブランドが強かった
    * 隣接する反射防止フィルター市場へ展開できた

    ことによって、当初ニッチと思われた商品から高成長事業へ発展しました。 貼り付けられたテキスト(1 点).txt

    ⸻

    11. 「競合は静止している」という前提を捨てる

    RWWでは、

    「ライバルはどう対応するか」

    も独立した問いとして置かれています。

    ここではレッドチーム演習が推奨されています。

    つまり、

    自分が競合企業だったら、この新製品をどう攻撃するか?

    と考えます。

    例えば、

    * 値下げ
    * 模倣
    * バンドル
    * チャネル封鎖
    * 類似商品投入
    * 顧客囲い込み
    * 既存商品の改善

    などです。

    特に危険なのは、

    自社が開発している間、競合は何もしていない

    という暗黙の前提です。

    RWWでは、製品発売時点では競争環境も変化していることを前提に考えます。 貼り付けられたテキスト(1 点).txt

    ⸻

    12. Win②|自社に競争力はあるか

    優れた商品があっても、それだけでは勝てません。

    ここでは、

    商品そのものではなく、組織として勝ち切れるか

    を見ます。 貼り付けられたテキスト(1 点).txt

    主な問いは3つです。

    ⸻

    ① 他社にはない経営資源を持っているか

    例えば、

    * エンジニアリング
    * サービス提供能力
    * ロジスティクス
    * ブランド
    * 販売網
    * 顧客基盤
    * 人材
    * データ
    * パートナー網

    などです。

    重要なのは、

    不足資源は獲得可能か

    という視点です。

    本文では、高効率照明メーカーが自治体市場へ参入する際、

    * ブランド認知不足
    * 入札経験不足

    という弱点を、

    競合分析、入札価格予測、提案書作成のスキルを持つ人材を採用することで補った事例が紹介されています。 貼り付けられたテキスト(1 点).txt

    RWWはしたがって、

    「資源がないからNo」

    ではなく、

    その不足資源を調達・獲得・提携によってYesに変えられるか

    まで考えるフレームです。

    ⸻

    13. プロジェクトマネジメント能力も競争力

    新規事業では、企業としての実行能力も評価されます。

    具体的には、

    * ターゲット市場の経験
    * 開発プロセスの成熟度
    * プロジェクト規模への対応能力
    * 組織文化との適合
    * 強いプロジェクトリーダーの存在

    などです。

    特に本文で興味深いのが「旗振り役」に関する指摘です。

    強いリーダーはプロジェクトを前進させる一方で、

    自分のプロジェクトを成功させたいがために、都合の悪い情報を無視する可能性

    があります。

    したがって、推進者の熱意そのものを、RWWによる建設的批判にさらす必要があります。 貼り付けられたテキスト(1 点).txt

    ⸻

    14. 「市場を理解しているか」は組織能力である

    さらに、

    * 市場調査能力
    * 顧客の声を集める能力
    * 顧客情報を組織内で共有する能力
    * フィードバックを製品へ反映する能力

    も競争力です。

    P&Gは、開発初期から価格調査を行うだけでなく、開発中の商品について実際に顧客に購入してもらうことを重視していると紹介されています。

    「発売されたら買います」

    という回答は、購買予測として信頼性が低いからです。 貼り付けられたテキスト(1 点).txt

    これは、

    IntentではなくBehaviorを見る

    という考え方です。

    ⸻

    15. Gate 3|Is It Worth Doing?

    「勝てるとしても、本当にやる価値があるのか」

    RealとWinをクリアしても、まだ投資判断は終わりません。

    最後は、

    経済合理性

    と

    戦略合理性

    の2軸から評価します。

    ⸻

    16. Worth①|リスクに見合った利益を上げられるか

    ここでは、

    * 投資額
    * マーケティング費用
    * 売上
    * コスト
    * 利益率
    * 損益分岐点
    * キャッシュフロー
    * NPV
    * 改良・機能追加コスト

    などを評価します。

    また、

    * 野心的シナリオ
    * 慎重シナリオ

    の複数ケースを用意することが推奨されています。 貼り付けられたテキスト(1 点).txt

    ただし、RWWでは財務モデルを絶対視していません。

    新規事業の財務予測には、

    * 楽観バイアス
    * 社内政治
    * 資源獲得競争
    * 自信過剰

    が入りやすいためです。

    したがって、

    財務モデルの数字だけではなく、その前提をRWWの他の問いと整合させる

    必要があります。

    ⸻

    17. 感度分析と機会費用

    財務面では感度分析も重視されます。

    例えば、

    * 価格
    * 市場シェア
    * 発売時期

    を少し変えただけで、

    * キャッシュフロー
    * 損益分岐点

    が大きく変動するなら、事業リスクは高いと判断できます。

    また、

    この案件に資源を投入することで、何をやれなくなるか

    という機会費用も評価します。 貼り付けられたテキスト(1 点).txt

    つまりRWWは、

    「儲かるか」

    だけではなく、

    他の選択肢より魅力的か

    まで問うことになります。

    ⸻

    18. Worth②|その製品を発売することに戦略上の意味があるか

    最終質問は、

    会社として、それをやる意味があるのか

    です。

    本文では、

    * 市場が存在する
    * 製品が実現できる
    * 競争力がある
    * 自社が勝てる
    * 利益が出る

    としても、

    必ずしも戦略上やるべきとは限らない

    と明確にしています。 貼り付けられたテキスト(1 点).txt

    ここでは大きく2つを評価します。

    ⸻

    19. 全社成長戦略に貢献するか

    具体的には、

    * 新しいケイパビリティを獲得できるか
    * ブランド価値を高めるか
    * 既存事業を強化するか
    * カニバリゼーションを起こすか
    * 流通・規制当局等との関係を改善するか
    * 次の新規事業につながるか

    などです。 貼り付けられたテキスト(1 点).txt

    ここは単品PLより広い視点です。

    ある事業が単独では小規模でも、

    次の市場へのOption Value

    を持っている可能性があります。

    3Mのフィルター事業はまさにその例で、小さなプライバシーフィルター市場への参入が、より大きな反射防止フィルター市場への道を開きました。

    したがって戦略価値は、

    「この案件自体はいくら儲かるか」

    だけではなく、

    「この案件をやることで、将来どんな選択肢が増えるか」

    まで評価する必要があります。

    ⸻

    20. トップマネジメントは支持しているか

    最後の問いが、

    トップマネジメントの支持

    です。

    経営陣の支持は単なる形式的承認ではなく、

    * 必要資源の提供
    * 社内障壁の除去
    * 継続投資
    * 意思決定

    につながります。

    厳しいRWWスクリーニングを通過した上で経営陣からGoが出されることが、成功可能性を高めるとされています。 貼り付けられたテキスト(1 点).txt

    ⸻

    21. RWWの判定ルール

    添付画像の説明で重要なのが、

    第2列と第3列では意味が異なる

    という点です。

    基本質問に単純にYes / Noをつけて終わるのではありません。

    各大問いについて、

    * Yesなのか
    * Noなのか
    * Maybeなのか
    * その根拠は何か
    * NoをYesに変えられるか

    まで掘り下げます。

    本文では、①〜⑤の問いのいずれかが「疑いなくNo」であり、Yesへ変える手段も存在しないなら、通常プロジェクトは中止するとされています。 貼り付けられたテキスト(1 点).txt

    つまり、

    RWWの本質的な判定単位は「Yes / No」ではなく、

    「何がNoなのか」「なぜNoなのか」「何をすればYesになるのか」

    です。

    ⸻

    22. RWWは「審査制度」ではなく「学習装置」

    本文末尾では、RWW運用上の非常に重要な注意点が示されています。

    RWWを、

    * 経営陣による踏み絵
    * 新規事業を落とすための審査
    * アイデアの否定装置

    と受け取らせてはいけません。

    本来の用途は、

    問題・不確実性・情報格差を明らかにし、解決するための学習ツール

    だからです。 貼り付けられたテキスト(1 点).txt

    ⸻

    23. 推進者と評価者を分ける必要がある

    新規事業チームは、

    プロジェクトの評価者であると同時に、そのプロジェクトを成功させたい当事者

    でもあります。

    したがって、

    * 都合の悪い事実を軽視する
    * 検証を浅く済ませる
    * MaybeをYesとして扱う
    * 仮説を証明するためだけの調査をする

    といったバイアスが発生します。

    そのため本文では、

    プロジェクトの成否に直接利害を持たない、信頼できるファシリテーター

    を参加させることが推奨されています。

    その役割は、

    * 不確定要素
    * 情報格差
    * 意見対立
    * 未検証前提

    を表面化させることです。 貼り付けられたテキスト(1 点).txt

    ⸻

    24. RWWを一枚に凝縮すると

    RWWは、次の順番で新規事業を評価する仕組みと整理できます。

    STEP 1|Market Reality

    本当に解くべき問題が存在するか

    Need → Ability to Buy → Market Size → Willingness to Buy

    ↓

    STEP 2|Product Reality

    その市場に対する解決策を本当に実現できるか

    Concept → Technology → Manufacturing → Cost → Market Fit

    ↓

    STEP 3|Product Advantage

    その商品が競争に勝てるか

    Customer Value → Differentiation → Defensibility → Competitor Response

    ↓

    STEP 4|Company Advantage

    自社だから勝てる理由があるか

    Resources → Brand → Channel → PM Capability → Market Understanding

    ↓

    STEP 5|Economic Attractiveness

    リスクを取るだけのリターンがあるか

    Investment → Revenue → Margin → Cash Flow → NPV → Sensitivity

    ↓

    STEP 6|Strategic Fit

    会社としてやる意味があるか

    Growth Strategy → Capability → Brand → Portfolio → Future Options → Management Support

    ⸻

    25. RWWから読み取れる、新規事業開発の重要原則

    添付内容全体を抽象化すると、RWWは少なくとも次の6原則を提示しています。

    ① Technology FirstではなくMarket First

    「作れるもの」を起点にするのではなく、

    「解く価値のある問題」

    から始める。

    ⸻

    ② NeedとPurchaseを分ける

    「欲しい」と、

    「実際に予算を使う」

    は別物です。

    ⸻

    ③ Product AdvantageとCompany Advantageを分ける

    「良い商品」と、

    「自社が勝てる商品」

    は別です。

    ⸻

    ④ Static CompetitionではなくDynamic Competition

    今の競争優位だけでなく、

    競合がどう反応するか

    まで含めて検証する。

    ⸻

    ⑤ Financial ValueとStrategic Valueを分ける

    短期PLだけではなく、

    * ケイパビリティ
    * ブランド
    * 将来市場
    * オプション価値

    を見る。

    ⸻

    ⑥ GateではなくLearning Loopとして使う

    最も重要なのは、

    Noを発見することではなく、NoをYesに変える条件を発見すること

    です。

    ⸻

    26. 本章の核心

    RWWの最も本質的なメッセージは、

    イノベーションの成功確率は、最初から優れたアイデアを選ぶことで高めるのではなく、不確実性を構造化し、一つずつ検証し、問題を修正し続けることで高める

    という点にあります。

    したがってRWWは、単なる「新規事業評価フレーム」ではありません。

    むしろ、

    仮説 → 検証 → 問題発見 → 修正 → 再評価

    を繰り返すための、意思決定と学習のOSに近い考え方です。

    そして評価順序そのものにも意味があります。

    Real → Win → Worth

    という順番を守ることで、

    「市場があるかわからないのに収益計画を精緻化する」

    「顧客が買うかわからないのに技術開発へ巨額投資する」

    「勝てるかわからないのに戦略的意義を語る」

    といった、新規事業で頻発する順序逆転を防ぐ構造になっています。

    RWWはその意味で、新規事業における“答えを出すフレーム”ではなく、“何を、どの順番で確かめるべきかを決めるフレーム”と捉えるのが最も適切です。

    0
    2026年08月22日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    変化すること、革新する力こそが丸井のDNAと言い放つ青井社長。若者にクレジットカードを広めたデパートは、今や岐路に立たされている。ファッションにフォーカスしたことで成功を収めた丸井は、茹でガエル状態にある。そこを変革しようとする社長は、成功体験のアイデンティティ化が組織の変化を妨げている点を指摘、グループ間の異動、事業戦略立案に経営企画部以外が参画するなど、社長の言う変化が可能となる組織に少しずつ変化させてきた経営手法を紹介。
    スイスコムの事例は、世界は変化している。我々の戦略も変わらなければ。そんなリーダーの呼びかけから、コンサルを雇い、データを集め、と言うことを進めるが、同じプロセスを繰り返してしまう。足並みをそろえて、動き出すためには、行き着くところ議論でしかない。様々な考え方を一つにまとめる作業があって、初めてその効果が絶対的になるだろう。

    0
    2019年06月23日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    教科書通り、アイデアがサービスになるのは2年くらいかかる。コップの中身が「半分入っている」から「半分空である」と認識が変わる時にイノベーションが起きる、が印象に残った。

    0
    2024年12月22日

ハーバード・ビジネス・レビュー イノベーション論文ベスト10 イノベーションの教科書 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    ビジネス・実用
  • ジャンル
    :
    ビジネス・経済 / 経営・企業
  • 出版社
    :
    ダイヤモンド社
  • タイトル
    :
    ハーバード・ビジネス・レビュー イノベーション論文ベスト10 イノベーションの教科書
  • タイトルID
    :
    544606
  • ページ数
    :
    264ページ
  • 電子版発売日
    :
    2018年09月06日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    9MB

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

無料で読める ビジネス・経済

ビジネス・経済 ランキング

作者のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す