無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
※期間限定無料版、予約作品はカートに入りません
Posted by ブクログ
「雪」「わたしの名は赤」とパムク作品を続けて読んだ。物語のあとのそれぞれの主人公たち、Ka、カラ。どちらの男も物語のそのあと、魂を抜かれたように生きていった気がして、哀れで心に残った。そういえば、どちらもKだ。
それに対して女たちは逞しい。イベッキもシェキュレも恋をしても自分を見失わない。父を殺されたあとのシュキュレの判断の早さと行動力には驚いた。一人で自由に外を出歩くこともできない女たちの処世術なのか。イスラム世界の女たちのしたたかさと逞しさは、パムクの描く女だけの特徴なのか。
しばらくパムクを読んでみよう。
「薔薇の名前」を思いだした。ストーリーの面白さだけでなく細密画の世界、イスラムの世界への扉も開かれた。得した気分になれる本だ。
Posted by ブクログ
ゆっくり味わうように一日に一章か二章ずつ読んで最後の数章は一気読み。続きが気になって早く先を読みたいのだけれども、物語の世界の濃密さに足を絡め取られて「先を読むのがもったいない」と思ってしまう不思議な本でした。先が気になると寝食忘れて読みふけるタイプなのでこんな風に「先が気になる」「でもこの文章の余韻に浸りたい」という葛藤を感じる本はとても久しぶりに読んだ気がします。
殺人犯はだれなんだろうというミステリー要素や遠近法が発明されたルネッサンス期の絵画に触れたことによって生じるトルコの細密画家達それぞれが抱える苦悩、カラとシェキレの恋の行方ももちろん気になるし、一章ごとに変わる物語の語り手達の個性豊かさにもうっとりして色々楽しむことができた本でした。
またゆっくり再読したい!
Posted by ブクログ
オスマン帝国における細密画絵師たちの世界。名人絵師は対象を実際に目撃することなしに描くことを良しとし、いずれは盲目になることをむしろ望んだ等々のくだりは我々の理解の範疇を超えているが、自身の個性などは超越し神の目線で描くことに徹するという絶対的な価値観には瞠目させられる。宗教の待つ矛盾や理不尽と本来誰もが持つヒューマニティの葛藤。
上巻から不穏なまま続く殺人事件の犯人探しは最後の最後に判明するが、エンディングはやはりほろ苦く悲劇的だ。歴史の理不尽さに唸らされる。
我々の常識とは全く異なる異世界と価値観世界観。読書の醍醐味を存分に楽しめる長編。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。