「私の町ではクルマが必需品」は勘違い! 気がついた都市は、もう変わり始めている。日本人のほとんどが、田舎ではクルマなしには生きていけないと考えている。ゆえに、日本の地方都市は「クルマ」が前提になってできあがっている。しかし、今、地方が「疲弊」している最大の原因は、まさにこの、地方社会が「クルマに依存しきっている」という点にある、という「真実」は、ほとんど知られていない。本書では、そうした「クルマ依存」がもたらす弊害を理論的に明らかにした上で、富山市のLRT(ライト・レイル・トランジット)導入を中心とした「交通まちづくり」の例や、川越の歩行者天国、京都市の「歩くまち京都」の取り組み事例など多数の事例を参考に、「脱クルマ」を通して地方を活性化していく驚くべき手法を紹介する。 【目次より】●第1章 道からクルマを追い出せば、人が溢れる ●第2章 クルマが地方を衰退させた ●第3章 クルマを締め出しても、混乱しない ●第4章 「道」にLRTをつくって、地方を活性化する ●第5章 「クルマ利用は、ほどほどに。」――マーケティングの巨大な力 ●終章 クルマと「賢く」つきあうために
Posted by ブクログ 2018年05月04日
地方が車がないと生活できない、活性化できないという妄信されていることを否定した一冊。
著者の主張は一貫しているが、単なる交通政策にとどまらず、地域活性化や住宅政策など、様々な要因が絡み合って現在がある。
簡単にこの状況を変えるには難しい面も多い。
著者の主張は一定の理解ができる面もあるが、では現実的...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年03月04日
クルマの発展により郊外への大型商店の進出、ニュータウンの整備が進んだ。その結果地方都市の中心の商店街が荒廃し、人口が流出し、地域の繋がりも薄くなっていってしまったと説く。クルマの排除を行なって中心部に人が増えた事例を富山と京都のケースで説明している。さまざまなデータによる分析がしてあるが、ここまで車...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年01月20日
クルマがないと地方では生活ができない、というイメージを覆す題名。
モータリゼーション、都市の郊外化、地方の衰退、グローバリゼーションの浸透という最悪のスパイラルとなっており、クルマ依存について警鐘を鳴らしている。
また、銀座のホコ天、京都市の車線減少、富山市のLRT事例を踏まえ、クルマ利用減少の...続きを読む