今川氏滅亡

今川氏滅亡

1,980円 (税込)

9pt

4.0

足利氏一門の今川氏は、室町期には守護、戦国期に戦国大名と転化し、東海の大大名として君臨した。しかし永禄3年(1560)、海道一の弓取りと謳われた義元が、桶狭間で織田信長に急襲され横死。息子の氏真が跡を継ぐも、桶狭間後わずか八年余りで戦国大名としての地位を喪失する。
最盛期は駿河・遠江・三河にまで勢力を広げ、名実共に戦国の雄であったはずの今川氏が、なぜこれほどまで脆くも滅び去ったのか――。
三州錯乱をはじめとした国衆の離叛、その要因となった「家中」の強制的刷新による混乱と弱体化の動向等を丹念に検証。桶狭間敗北だけでは分からない「滅亡」の過程を明らかにするとともに、最新研究から、義元や氏真らの個人的要因に仮託されがちであった「亡国」のイメージを覆す。
NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」の時代考証者による、書き下ろし新作。

第一章 戦国大名今川氏の登場
第一節 氏親以前の今川氏
第二節 「戦国大名」氏親の登場から死没
第三節 氏親に関する考察
第二章 寿桂尼と氏親
第一節 家督継承者と「家督代行者」
第二節 寿桂尼の位置づけ
第三章 義元の時代
第一節 義元の栄華
第二節 領国西方の維持
第四章 氏真の生涯
第一節 “通説”今川氏真
第二節 離叛する国衆たち
第三節 離反する国衆と残る国衆――遠江西郷氏の検討
第五章 今川領国の崩壊
第一節 氏真の実像を探る
第二節 氏真の発給文書

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今川氏滅亡 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2019年04月23日

    今川氏がどのように滅亡に向かっていったのかを順を追って書いていらっしゃいました。

    氏親の段階から、史料に基づいた論考で、難しくもありながら、現在の今川氏研究の成果をさっと纏めてあるので、とても良著であると思います。

    一周だけでは全てを掬いきれないため、二周、3周と読み込まねば、と思う本です

    0

    Posted by ブクログ 2022年03月14日

    戦国大名今川氏の滅亡に焦点を当て、その原因を探る一冊。直接的な要因のみならず、歴代の事績や国衆の動向、家中の変遷といった点を当時の文書等を中心に検討し、遠因がどのように形成されていったかが考察されていて興味深い内容だった。

    0
    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2019年04月28日

    滅ぼされた今川氏を文書で辿っていく歴史学の方法論を知ることができた。文書の発給を検証することで、大名の統治や外交の様子まで分かった点が面白かった。

    特に、大名として没落した氏真が上杉家に書状を出し、上杉家中から礼儀がなってないと叱られたことが、家中の大人を桶狭間で多く亡くしたことで、大名としての力...続きを読む

    0

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