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「なんで気づかなかったの?」「気づいたらやっていた」などなど、「気づく」という言葉は何気なく使われているが、実際にはどんな状況で使われているのだろうか? 似た言葉に「意識する」があるが、これだと少し意味がずれる。その違いはなんだろうか? 「気づく」というこころの働きを、それに関連する「意識」「注意」「記憶」などの働きとからめて整理することで、「こころ」の不思議に迫る。
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「気づく」とはどういうことか ──こころと神経の科学
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山鳥重
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Posted by ブクログ 2018年05月13日
人間にできて機械にはできないことの一つに意味というものを持つことがあるそうだ。AIには言葉の意味が分からない。統計的に意味にあたるものを確率論的に持ち出すことしかできないのだそうだ。それでは人が感じる意味とはどのような仕組みで獲得されるのだろうか。そのヒントがある。本書の筆者は神経心理学という分野...続きを読むの第一人者で高次脳機能障害などの研究をされている方である。 タイトルのように人には「気づく」という自覚がある。視界に入ったものでもはっきりと意識されないうちは気づかない。しかし、神経的には深く眠る感情のようなものがあり、それが特定のイメージに結び付き言葉と結びついて行動となるという。一連の流れをつかさどっているものを我々は普通、こころと呼んでいるのだそうだ。 気づきの経験は蓄積され、つねに今の自分に影響を与える。こころにとっては今が過去とともにあるだという。そこに意味が生じてくるのだ。意味はその人の人生のすべてが関与したものになる。だから、機械が得意とする一対一の変換では対応がしにくいのだ。 脳がどのような働きをしているのかについては、高次脳機能の障害が出た人の実態調査から経験的に証明できることは私も実見したことがある。人にとっての心とか精神といったものがいかなるものなのかを考えさせられるのがこの種の研究の魅力だと思う。
Posted by ブクログ 2022年01月03日
気づくとは、現在の自分の「こころ」の動きを自分が意識すること。 「こころ」とは、思う・考えると言うことで、何かと何かを関係づけようとすること。 コア感情(意識されない心理過程) 感情(喜怒哀楽、五感、意識される心理過程) 意志(行為= 意図的な運動) 鈴木大拙「妙好人」今の己の心を味わうことが...続きを読むできる人、はかりごとのない人
Posted by ブクログ 2021年08月20日
本書の著者の山鳥先生は,海外の病院でのレジデント経験をお持ちで,非常に含蓄溢れる神経生理学者であるのだと思います。本書の中では山鳥先生の専門知識を踏まえつつも,多くの哲学者に関する理論や仏教に関わるような理論を紹介されつつ,人間の心や意識が一体どのようなものなのかということについて,先生ならではの仮...続きを読む説を分かりやすく提示してくださっています。 本書の中で最も重要なキーポイントとなるのが「創発」という概念だと思います。一般的に私たちの心は,脳みそから出力される結果であると私達は認識しがちです。しかし,本書において,私たちが自分を意識できることや自分に心があるということを認識できるという気づきそのものは,神経活動によってもたらされるような結果ではない,と本書では一貫して主張されます。最初にこの文を読んだ時は,今一つピンとこなかったのですが,本書を読み進めていくうちに,なんとなく言わんとすることが理解できたように思います。 本書ではこうした前提をもとに,人の心が一体どのようなものによって構成されているのかを具体的に考えていくことになります。著者によれば,人間の心とは「感情」と「心理的なイメージである心像」と「意思」の統合体であるのだそうです。 感情は「情動性の感情」と「感覚性の感情」と「コア感情」の三つに分けられます。コア感情と二つの感情の重要な違いはコア感情が私たちにとって意識されないという部分にあります。つまり潜在的な感情であるということです。 続いて心像です。心像とは外の世界を知るために心が作り出す形のことを言います。具体的な形が心の中に出来上がるわけではなく心が経験する まとまりのある感じが心像であると考えられるそうです著者はこの心像を,「感覚性の心像」と「超感覚性の心像」とそして「語心像」の三つに切り分けています。 赤ちゃんは,把握反射のような自動的反応の段階から意思によって運動することができる随意的な行動へと,運動の性質が切り替えますが,この時の随意行動こそが意思によるものであると著者は言います。 また本書で記載されていた「心」と「意識」と「注意」に関するそれぞれの定義が面白かったと思います。引用します。 【こころは、本人が生きてきた経験のすべてです。意識はこころの全経験のうち「今・ここ」に立ち上がる心理過程です。注意は意識内容を構造化し、鮮明化しようとする意志的な働きです】 本書の中で私自身が一番面白いと思わされたポイントが,意識過程の発生に関する考え方でした。近年「微小発生」と呼ばれる考え方があるそうです。意識の小さな立ち上がりは,自発的なものであるため,心のあちこちで同時に進行しています。心の深みから上昇してきて,その断片が浮かんでは消えてを繰り返すため,私たちはとりとめもなく多くのことを自動的に考えてしまうのだと言うのです。非常に興味深い考え方だなと思った次第です
Posted by ブクログ 2021年06月18日
む、難しい……。断片的にしか理解できてないけど、興味深い部分はたくさんありました。 特に印象に残ったところメモ。 ●脳機能に異常が生じて認知機能に障害が出ると、「それが認識できない世界」がその人にとっての普通になってしまう 認知症の人が「自分の記憶や認知機能に欠けがある」ことを自覚できなくなるのっ...続きを読むて、そういうことなんだなぁって納得した。 と同時に、自分が本当に世界を正しく知覚できてるのかどうか、少なくとも危ないものをちゃんと認識できているのか怖くなってもきた……。 ●脳細胞の成長=既にある記憶のアップデートしかできない これ『独学大全』の読書猿さんもネットのコラムで言ってたりしたので、既に意識してる人も少なくないかもだけど。 新しいことを覚えるということは、基本的に新しい刺激を今ある知識に関連付けることなんですよね。 つまりこの本が難しく感じたのは、読んだ情報を自分の中に今ある知識に関連付けるのが難しかったってことなんだろうなぁ。
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