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戦いに勝利も敗北もありはしない。あるものはただ犠牲のみ。そしてまた、誰も「彼」を救えはしない。彼自身がおこなう以外には……。伽羅王の巨大な輝きを支え、戦いを生きるためにのみ、その存在をゆるされる者<牙>。彼にとって、いまの伽羅王は、寒いほど遠かった。(どこにいるのですか、伽羅王)。まるで手ごたえのない虚無の先によびかけるように、彼はその孤独感をかみしめていた……。
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Posted by ブクログ
十九郎が攫われた事件の続き。
術者と道者、そして忍がそれぞれの遣り方で(一族の体面を保ったまま)十九郎を救済する為に奔走する。
その中心は希沙良。前巻の出来事で、十九郎への依存から抜け出そうとする希沙良の繊細な内面描写が本当に切ない。十九郎を「世界中の最後には他に何も選べない」と言い切ったり。他にも、本家中枢に食って掛かる冴子、希沙良に寄り添う亮介、あちこちに出没する諒など、その人らしい展開や態度でお話は進んでゆきます。
明らかになる七瀬本家の闇。
オーラバの醍醐味の一つに人と人との関係性があるけれども、希沙良と十九郎の関係はこの後どう変化してゆくのか。最新刊でも決着が着いていないだけに気になる事の一つです。
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