ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
4pt
「おやっさん、おやっさん、なんでワシを見捨てたんじゃ~!」(エリ・エリ・レマ・サバクタニ)──イエスの絶叫から約二千年、人類の福祉と文明化に貢献したキリスト教は、一方できわめて血なまぐさい側面を持つ。イエスの活動、パウロの伝道から、十字軍、宗教改革まで、キリスト教の歴史をやくざの抗争に見立てて描く、一大歴史エンターテインメント!
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
キリスト教2000年の歴史を任侠小説に仕立て上げた異色の作品。任侠系団体キリスト組!が登場する。 キリスト教史は、遥か遠い聖なる世界の話のように思われるが、実態は世俗の人間ドラマである。キリスト教も、所詮人が作りし宗教に過ぎないということを否応なく認識させてくれる。独特の宗教用語を、任侠用語に置き...続きを読む換えるだけで急に身近に感じられ、最後まで興味深く読み通すことが出来た。宗教を学ぶ際には、専門語を自身に近い概念に置き換えて考えると、より理解が捗ると思われる。 著者も後書きで触れているように、本書は学術的な正確さよりもエンタメ性を重視しており、鵜呑みに出来ない記述は多々あろう。それでも、キリスト教入門の第一歩として、本書は最良の一冊であると考える。
本書はヤクザ抗争史として描くキリスト教二千年の歴史であります。罰当たり必至のまさに神をも恐れぬ本書ですが、全編広島弁のヤクザ言葉で聖人達が繰り広げるやり取りに、剥き出しの「人間的」な物を感じます。 いやはや…。こんな罰当たり必至、まさに神をも恐れぬキリスト教史は前代未聞。空前絶後でありますが...続きを読む、ベラボーに面白いことは否定できません。 本書は「やくざ抗争史」として描かれるキリスト教2000年の歴史を「小説」という形で綴ったものであり、僕は一種の背徳感を旨に感じつつ、時に大笑いしながら一気に読み終えてしまいました。 例えばイエス・キリストが磔刑に処された有名な場面。イエスが息を引き取る際、天を仰いで言ったとされる 「エリ。エリ。レマ。サバクタニ。(我が神。我が神。何故に私をお見捨てになられたのですか。)」 も本書における広島弁のヤクザ言葉に翻訳すると 「おやっさん……おやっさん……なんでワシを見捨てたんじゃあ!」 という仕儀に相成ってしまいます。 要を言ってしまえば、徹頭徹尾に渡ってキリスト教における聖人達が広島弁(筆者によると「部分的に福山弁が混じっている可能性は否めない。」とのこと)のヤクザ言葉で語り合い、罵り合う。その様子はまさに「仁義なき戦い」の世界が展開されているのであります。 ただ、浅学ながらキリスト教の歴史を俯瞰しますと、相当血腥い要素を含んでいるという部分は否めないものでありまして、「神」の名の下に凄惨かつ血みどろの戦いを繰り広げているので、本書に記されている広島弁のヤクザ言葉によってその『人間的な』部分が強調されており、より「剥き出し」になっているという感想を持ちました。 イエスの生涯とその死。初期の伝道師達、特にパウロがキリスト教というものを広め、やがてローマ帝国による苛烈な弾圧を経て国教としてキリスト教が認められるようになり、時を経て王と教皇が「叙任権」を巡って闘争劇を繰り広げる様子。世に言う『カノッサの屈辱』のあらましを僕はここで理解することができました。 さらに、ふとしたボタンのかけ違いが重なって同じキリスト教徒がいる街を攻め落とした第四回十字軍。 「あいつら、言うてみりゃ人の罪でメシ食うとるんで」 と不敵にのたまうルター(本書では『極道ルター』となっている)による宗教改革により、プロテスタントが生まれ、カトリックとの宗教戦争へと突入する…。巻末には「インタビュー・ウィズ・やくざ」と題し、バチカンのローマ教皇へのインタビューという形式で現在の 「ローマ・カトリックを中心とするキリスト教世界」 が綴られているのです。ここでも当然、広島弁のヤクザ言葉全開であります。 ここまでのことを通常のキリスト教に関するテキストで勉強すると、まず退屈のあまりに眠くなってしまいそうですが、(かなりのエンターテイメント性を盛り込みつつも)「やくざ」というキーワードの下に力づくで纏め上げて行くとかくも面白いのかと。それを成し遂げた筆者の努力と力量にも、目を向けるべきでありましょう。 ただし、いつ本書が『発禁』の憂き目に遭うかも知れませんので、もし興味をお持ちになって読もうとされる場合には、どうぞお早めにと、最後に付け加えさせていただきます。 ※本書は2016年12月7日、筑摩書房より『仁義なきキリスト教史 (ちくま文庫 か 54-4)』として文庫化されました。
題名のとおり、キリスト教史を仁義なき戦いのノリで極道に見立てて書かれた一冊。 エンターテイメントとしての完成度が高く、どんどん読める。 主な出来事をかいつまみながらなので、満遍なくとはいかないが、キリスト教にまつわる作品や絵画などをより楽しむことができるようになったと思う。 (ちょうど上野の近代美術...続きを読む館に行ったところだったので絵画を思い出しながら読め、より楽しめた。) 世界史勉強中の高校生にも息抜きにおすすめしたい。
「キリスト教とは」を分かりやすく 尚且つ広島弁での任侠ヤクザの語り口展開で 非常に分かりやすく描いている本。 キリスト教…と、ひと言で言ってもなかなかその内容まで分かっていなかったというか えぇ!!そうなの?!という驚きの方が多かった。 著書にも描いてあるけど、まさにLOVE or DIE 愛しなさ...続きを読むい。しかし信じないなら滅びあるのみ、等。 そしてずーっとひたすら続く内輪揉めの数々。 創造と破壊というか、破壊してまた創造しての繰り返しで 人類の3人に1人がキリスト教徒というのも妙に納得してしまった。 人は救いを求めるもの。それほど人間は弱いし、でも強くもある。
好き嫌いがはっきりと分かれる小説だと思います。 テーマはキリスト教史。イエスキリストやモーセの出エジプト、第四回十字軍にルターの宗教改革など、キリスト教の歴史上、多くの人が耳したことがある事件を舞台とした物語です。 そして特徴的な点は『仁義なき』というタイトルにもある通り、登場人物がすべてヤクザであ...続きを読むるということ。ヤハウェ大親分の盃を受けた「ユダヤ組」や「キリスト組(もともとはユダヤ組系ナザレ組)」のヤクザたちが、教義(任侠道)の違いから対立し、血で血を洗う抗争(宗教対立/宗教戦争)を繰り返してゆく、という描かれ方です。 章ごとに「解説」もあり、トンデモエンタメ小説のみで終わらないところも、評価できると思います。 「愛」の宗教というイメージの強いキリスト教ですが、世俗権力との癒着があり、宗派どうし(異端排斥)や異教徒への攻撃など、暴力的な歴史が多いことに、あらためて気づかされました。 この本を読んで「キリスト教の歴史がわかった」とは言えないかもしれませんが、「キリスト教の歴史をより深く(正確に)知りたいと思う」ようになる本だと思います。 正確なキリスト教の歴史を学びたい人・またキリスト教を信仰している人には不向きな本かもしれませんが、ちょっと好奇心で読むにはいい本だと思います。
聖書をヤクザ小説として「仁義なき戦い」風に読み直す作品。読み物としておもしろいし、解説にもあるようにキリスト教が俗っぽい「人の営み」として伝わってくるのがとてもよかった。 自分のお気に入りは、パウロの章。パウロは世界宗教としてのキリスト教の基礎を築いた立役者でありながら、説いている内容がイエスの教...続きを読む義とぜんぜん違っているのが、ずっと不思議だった。それも「幻視したイエスが言った」とか、わけわんないし。この本で描かれるパウロの、「人垂らしで金集めが上手だが、思い込みが強く話が通じないおっさん」というキャラは、そのあたりのことがとても腑に落ちる設定だった。 解説によると、かなりしっかりした知識がベースとなって書かれているようだ。ざっくり楽しく歴史をつかめるけど、そこに書かれている内容は正確。入門書としては最適だな。
キリスト教をヤクザ社会に置き換えて描かれる全く新しい歴史書。 ヤハウェ大親分へ「仁義」と言う名の「信仰」を誓い、血で血を洗う争いを幾度もなく繰り返しながら現代まで多くの人によって受け継がれてきたキリスト教。教皇は組長、使徒は幹部、教会はヤクザの事務所。そして登場人物の台詞がすべてコテコテの広島弁に...続きを読む置き換えられていて、読みながら笑いを堪えるのも一苦労(笑) 私自身キリスト教について全くの無知でありながら、この作品のコンセプトに惹かれて購入。キリスト教×ヤクザという異様な組み合わせが面白くないわけがない。しかも一見強引に組み合わせているように見えるけれども、意外と彼らの関係性や、しきたりはヤクザのそれっぽく見えるから不思議。 現役のイエスが絶好調に暴れまわっていた時代と、おまけページにある若頭モーセのエピソードがとにかく面白かった。
ヤクザに置き換えることで、宗教もあくまで人間の営みで、人間らしいところがあると感じながら読むことができた。ある宗教上の対立を生んだ問題に対して、「我々部外者からすれば全くもってどうでもいい問題である」、と言い切ってしまうものがあり、素直な意見で笑ってしまった。
非常に面白かった。歴史書としても小説としてもコメディとしても楽しめる稀有な良書だと思う。キリスト教史をヤクザに置き換えて描くというアイデア、ふざけてるけどわかりやすく面白いからすごい。 登場人物が全員ゴリゴリの広島弁ヤクザ(笑)しかもどいつもこいつも約束を守らないし、自利のためにすぐ「ぶっ殺せぇ!」...続きを読むとか言い出すし、利他や博愛と言ったキリスト教のイメージが覆される。もちろん誇張して描かれてるんだろうけど、史実に即していることなので実際にこういう血生臭い歴史があったんだなと思う。 文庫版書き下ろしのモーセの章でめちゃくちゃ笑った。
いや面白いっすよ。初期キリスト教からそれがローマ国教になり、世界に普及していく中でどれだけキリスト教が暴力的だったのか。ヤクザ映画に模した口調が楽しい。しかし十字軍はひどいな。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
仁義なきキリスト教史
新刊情報をお知らせします。
架神恭介
フォロー機能について
「ちくま文庫」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
仁義なき聖書と美術の世界
異世界殺戮課外授業 1巻
異世界ヤクザ~極道ですが転移したら救世主になりました~【第1話】
異世界ヤクザ~極道ですが転移したら救世主になりました~【単行本版】1
おいしい大秘境カナダ
完全教祖マニュアル
国立人体実験所【タテヨミ】1話
試し読み
こころ オブ・ザ・デッド ~スーパー漱石大戦~ 1
「架神恭介」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲仁義なきキリスト教史 ページトップヘ