Posted by ブクログ
2010年07月16日
2巻で終わってしまうマンガだけれど、だからこそ、ストーリーが壊れないで、進んでいっても安心できる。
これは、ティスタと彼の恋愛物語と受け取る事もできるけれど、
本当は、孤独でいられない人間と、孤独でしかいられない彼女の断絶や宗教と悪事との汚い癒着や、孤児院と親からの虐待に耐える歪んだ愛情を持った孤児...続きを読むたちのこと、絵を描く事がどんな宗教よりも宗教じみていてそれを信じればなにかにたどりつけそうなこと、なんかがごちゃまぜになっていて、そのバランスの中で世界がある。黒い衣装や夜の場面、魚眼レンズのような広角のコマ、吐き出される白い息は雲になりそうなくらい大きく、月もまるくそこにある。
ティスタの悲しみは癒えたのだろうか。いろいろと考える。ほんとうにこんな結末を望んでいたのだろうか作者は。今後の作品に期待したいです。