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1950年夏、11年ぶりにパリを訪れた紀川紗良の胸裏に、青春の日々がよみがえってきた――16歳での結婚と離婚。その傷心を束の間のフランス留学に癒して美しい娘時代をとりもどし、新しい友情と恋が芽ばえてくる。明日のない激しい恋愛。そして戦争に、恋人を夫を奪われたこの一人のブルジョワ娘が、やがて自由と平和に目覚め《自立した女》に成長するまで。自伝的長編小説。
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Posted by ブクログ 2021年12月20日
先日、軽井沢タリアセンの睡鳩荘を訪れた。その時に初めて、この建物がフランソワーズ・サガンの翻訳者朝吹登水子さんが所有していたもので、長年軽井沢で山荘として使用していた建物を移築したものであることを知った。とても素敵な建物で、一瞬にして気に入ってしまい、ここで過ごした女性はどんな人なんだろう…と朝吹さ...続きを読むん自身にも興味を持ち、彼女の自伝的小説とされているこの本を読んだ。 舞台は第二次世界大戦前の欧州パリ。当時彼女は10代後半〜20歳。まだ簡単に行き来できない時代に、日本とは全く文化が異なる土地で、家族と離れ勉学に邁進しながら、自由に青春を謳歌していた若い女性がいたということにまず驚いた。そして、戦争へと突入していく中、一度外から日本という国を見た者独特の視点で、戦時中が描かれていく…とてもドラマティックで、彼女の強い信念を随所に感じられる力強い物語。忘れられない一冊になりそう。
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