Posted by ブクログ
2016年02月03日
福島第一原発事故の調査に結論がでないまま(いくつかの調査委員会の報告はあるが、どれが正しいという結論はでていないという意味で)、国の富が流出するとかいう、国民、国土の安全安心には無関心な理由(それも、原油安でひっくり返るような)から、玄海原発1、2号機、そしてMOX燃料を使用する高浜原発3号機が再稼...続きを読む働した。
最初の原爆開発競争から、原爆、原発がどのような経緯をたどったかという歴史的事実の検証。
核実験、スリーマイル島の事故、チェルノブイリの事故により、どのような被害が起こったかという分析。
さらに、それら事故で流出した放射性物質の量と、それがもたらした健康被害の関連性の評価を行い、その上で、福島原発事故によって、わが国のどのエリアに放射性物質がどのくらい流れて、それがそのような被害をもたらすと考えられるかという分析に基づく告発。
本書が告発していることが本当かどうかは、あと数年たてばはっきりすることだと思う。
いまのその兆候が無いわけではない。
さまざまな、しかし時として放射脳と揶揄されるような方々からの報告がいろいろなところで散見される。
これらが、本当に放射脳なのか、隠蔽された事実なのかは、すぐに明らかになっていくことだと思う。
また、本書は、それらの原子力開発が、誰によって手動され、だれに利益をもたらしてきたか、そして、国連とか、安全利用とか、核拡散防止とかの隠れ蓑の下で、どのように利益を守る構造になっているかを暴き出す。
さらに、その利益共同体が、わが国でどのような形をとり、誰がそこで何を言い、何を行ってきたかを明らかにしている。
すでに多くの原発に関する執筆している著者が、原発を停め、廃止することの必要性を訴えるために本書をまとめた。
本書にかかれていることが事実かどうか疑念を持つのであれば、過去の著作の裏付けを行い、歴史を調べればよいこと。しかし、そんなことをしなくても、本書にかかれている地獄のふたの開く日は近いと思われる。