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仏教の基礎知識を幅広く平易に解説。思想や教義をはじめ、彼岸や盆などの年中行事、霊場めぐり、芸能、寺社縁起などの民俗的な事例、葬儀・墓・戒名など身近な死者供養の問題を、今日的な視点で語る。 ※本作品は紙版の書籍から口絵または挿絵の一部が未収録となっています。あらかじめご了承ください。
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Posted by ブクログ
Ⅰ 仏教とは何か Ⅱ 仏教の歴史と人物 Ⅲ 諸仏・諸尊 Ⅳ 霊地・霊場 Ⅴ 葬儀・法会 Ⅵ 経典 Ⅶ 仏教芸能と文芸 Ⅷ お寺の知識 Ⅸ 祖先とホトケ
「用語事典」と聞くと堅い本を想像するが、本書は読み物としての起伏が大きい。編著者・山折哲雄の導入は、仏教を文明論として捉え直す大胆さがあり、そこから各項目の簡潔な解説へ滑り込む構成が気持ちよい。教理の精密な体系化より、民俗仏教や死生観、他宗教との習合を太く扱うため、仏教が日本文化のどこに沈殿している...続きを読むかを探りたい人に向く。 とくに「無我」を日本的に「無私」へ読み替える視点、そして「葬式仏教」批判への応答(鎮魂と悲しみの機能こそ原点)には、現代の仏教観を更新する力がある。神仏習合を"後世の付け足し"ではなく、仏と神の相互変形(秘仏化/神像化)として押さえる整理も、飛鳥〜奈良期の宗教景観を描く際にブレが減る。能・狂言や絵巻といった芸能・表象の話題も豊富で、宗教知識が文化史へ開いていく感じが良い。 一方で、著者の独自解釈を強めに感じる箇所もあるので、厳密な教理学だけを求める人は注意。図解(印相、伽藍配置、系図)のおかげで、用語の"位置"が掴みやすいのも実用的。導入エッセイは詩的でイメージ豊か、用語解説は客観的で簡潔と、読むモードを切り替えながら進める構成になっている。仏教を"文化・習慣のルーツ"として知りたい人、死生観や習合に関心がある人に確実に届く一冊。
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山折哲雄
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