グローバリズムという病

グローバリズムという病

ビジネス・実用
1,320円 (税込)

6pt

内田樹氏推薦!
「これは平川君の書き物のうちでも最良のもののひとつだと思う。
僕はこの本のすべての頁に同意署名できる。」

東洋経済ブックスオンラインの人気連載を加筆・修正し単行本化。
著者が、常々感じていたグローバリズムというものに対する違和感を綴った経済エッセイ。

グローバル企業、グローバル人材などの「グローバル○○」という用語。
ニューストピックなどで見かけない日がないといっても過言ではありません。
同時に、グローバル、グローバルと迫られても「なんだかなあ」「もうウンザリ」と違和感をもつ方も少なくないはず。
そんなモヤモヤした気持ちをもたらす由縁である「グローバリズム」の正体を丁寧に解きほぐしていく一冊です。

グローバリズムは、資本主義が生き延びるための最後の処方箋かのようにいわれていますが、はたしてそうなのでしょうか?
むしろ資本主義が必然として生み出す副作用ではないでしょうか?
本書ではわたしたちが逃れ得ぬ「グローバリズムという病」に罹患しつつも、それでも生き延びていくための道筋を示します。



【主な内容】
第1部 グローバリズムはどこから来たのか~グローバル信仰とその起源
第1章 「生態系」を破壊するグローバリズムという病
第2章 日本人の独特なグローバル信仰
第3章 「グローバル人材」論と英語力
第4章 銃規制をできないアメリカと、グローバリズムの起源
第5章 グローバリゼーションとグローバリズム

第2部 国民国家を乗っ取る株式会社~経済が社会を牛耳るコーポラティズム
第6章 株式会社対国民国家
第7章 租税回避で海外逃避する企業
第8章 新自由主義の正体
第9章 戦後体制の崩壊と、消えた国民経済
第10章 国民国家の理念に背馳する特定秘密保護法

第3部 グローバリズムはどこへ行くのか~対抗する思想
第11章 グローバリズムとはお金儲けのための世界レベルの競争戦略
第12章 家族制度の長い歴史と株式会社の驚くほど短い歴史
第13章 失われた生活者の思想と、根拠地の思想を求めて

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グローバリズムという病 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    この本に書いてあることのすべてが真実かどうかはわかりませんが、今の世界のあり方、日本のあり方、日本の立ち位置を考える上では、役に立つ本でした。

    国民国家と株式会社の関係、家族構成と組織構成の関係など、いろいろと示唆に富む記述が多かったように思います。

    著者が理系の人ということもあってか、理系の自分にとって、読みやすい本でした。

    0
    2015年01月11日

    Posted by ブクログ

    グローバリズムとグローバリゼーションの違い、などということ、今まで考えたことありませんでした。
    グローバリズムは収奪のハイブリッドシステム…なるほどなぁと。
    何だか結局よくわからなかった安倍総理が、どこを見て経済政策をしていたのかよぉくわかりました。国民生活などに目を全く向けてなかったんですね。そりゃ、税金が!福祉が!とピープルが叫んでもカケラも届きませんよね。

    いい言葉がたくさん出てきます。引用にも記載しましたが、あと二つほど。

    (引用)わたしたちは、ロジカルであるということは言葉の整合性があるかどうかであると思いがちだが、どんなに言葉が整合的であったとしても 、それが部分的なものであれば全体としては不整合であるかもしれないということを疑わなければならない。

    これはすべてのロジカルであるということに、物事を見極めるということにあてはまる姿勢でしょうね。
    疑ってみるという態度は必要ですよね。

    (引用 吉本隆明の言葉)結婚して子供を産み、そして、子供に背かれ、老いてくたばって死ぬ、そういう生活者をもしも想定できるならば、そういう生活の仕方をして生涯を終える者が、いちばん価値のある存在なんだ
    (引用 それを噛み砕いた著者の言葉)人間が、普通に生活をしていて、一生涯を生きていくということの意味の重さは、知識を積んだり、事業に成功して大金持ちになったり、会社で役職に就いたり、政治家になって権力の階段を上ったりすることとは無関係であると言っているのだ。

    このような人が生きるということの本質について、心から納得、あるいは理解する人がどのくらいいるだろう。
    吉本さんの言葉は、平易に本当のことを語っていると思います。

    この言葉を知って、何も目に見える価値あるものを残さず苦労の絶えない人生を生きて この世を去った自分の両親も、自分だけにとってではなく充分に価値ある存在だったのだな、と思うことが出来た、ように思います。

    0
    2014年11月25日

    Posted by ブクログ

    書いてあることの全てに同意してしまう。

    「法人税やら優遇制度やら国内の事業環境が悪いと主張して日本を出て行った会社は二度と戻ってくるな」、これをはっきり言う人が居ない事にイライラしてたんだよね、はっきり言ってもらってすっきり爽快。

    0
    2014年08月19日

    Posted by ブクログ

    グローバリズムとは何なのか?
    世界がグローバル化している&国際的な取引が当たり前になってきていると言うならば、古代の時代から、人はグローバルを目指して商売をしてきているはずであり、それがなぜ今ここまでクローズアップされ、声高に叫ばれるのか不思議で不可解だったが、その疑問に答えてくれる本だった。
    日本には日本の価値観があり、経済活動があり、人口減少の時代に入った成熟社会にとって、それは単純な成長ストーリーを描くことにどうしても無理を感じていたが、そもそもそのようなことを信じ叫ぶ人達とは世界観や歴史観、人間観が根本的に異なることがよくわかった。
    目先の人も幸せにする気持ちも情もない存在に対して、貴重な自分の力を使うわけにはいかない。そんな風に感じた。

    0
    2014年08月11日

    Posted by ブクログ

     自分と考え方がここまで一致する本というのも珍しい。
     
     そもそもグローバルとはなんなのだろうと考えると人の持ち物を容赦なく奪うという事この一言に尽きるのではないだろうか。今までは多様化という言葉で成り立ってきた社会がグローバルという掛け声ひとつで強者に吸収されようとしている。こんな考え方が特に気持ちが悪い。

     たとえこの国の需要が絶え、自国でまかり得なければ外に出て商売をすればよい。こんな考え方がまともだとすれば遅かれ早かれ世界の需要はこの考えに太刀打ちできなくなり破綻してしまう。なら次はどうするか何十年何百年先には他の惑星の知的生命体とでも貿易することになるのだろうか、そんなことを考えると本当の核というのが分からなくなる。何が大切で何が大切ではないかという根拠は各々の国の社会的基盤にのみ裏打ちされることだろう。

     



     人間の身体は、せいぜい半径数キロメートルの範囲のなかで生きていくように設計されている。人間の身体性が持つ限界が告げているのは、その範囲のなかで耕作をし、モノやサービスをつくり、人々と交わり、生活を営んで余剰がないという生き方である。人間には、丈夫な二本の脚はあるが、広大な大空を渡るための翼もなければ、海洋を泳ぎ回る鰭もない。     52

     1971年制定の合衆国憲法修正第二条
     「規律ある民兵は、自由な国家の安全にとって必要であるから、市民が武器を保有し、また携帯する権利は、これを侵してはならない」
     A well regulated Militia, being necessary to the
    security of a free State, the right of the people to
    keep and bear Arms, shall not be infringed.
     この文章が成り立つためにはMilitia = Peopleが成り立たなければならない。
     原文を見ても、やはり前後の主語が異なっている。75

     しかし、それらの企業は、事業パートナー、顧客、下請けなどの経営基盤をもともと有していない、機動性だけが頼りの企業なのであり、出て行きたいのなら出て行けば良いと思う。
     そのかわりに、二度と帰ってくるなと言いたい。107

     

    0
    2015年01月28日

    Posted by ブクログ

    グローバル化と言う言葉で何でも片付けられ、容認されることが多い昨今、非常に違和感を覚えていた。それにひとつの回答?を与えてくれた。

    0
    2014年12月31日

    Posted by ブクログ

    この本の前に「資本主義の終焉と歴史の危機」を読んだので、同じ方向へ加速されました。
    大企業主義というか、成長主義によって、知らずにとてもひどい世界を作り上げてしまったことへの反省は、もっと日を浴びていいのではないかと思います。
    後戻りはできないですが、ゆっくりとでも方向展開できればと思います。

    0
    2014年12月16日

    Posted by ブクログ

    グローバルな人材、グローバルな企業、ここ何年も耳にタコな「グローバル」「グローバリズム」。かっこいいような、先進的なイメージながらも、なんとなく眉唾なものを漠然と感じる訳が分かった。やっぱりそういう面があったのね、と。そして、現政権への不安感って、右傾化だけじゃなく、そういう危ういものを推し進めようとする経済政策にも、やっぱりあったのか…と、腑に落ちた。
    腑には落ちたけど、とりあえず、出来ることって、何なのか、じっくり考えてみなければ。

    0
    2014年11月24日

    Posted by ブクログ

    ご本人も自覚ありそうだけど、夏目漱石の私の個人主義に通じそうな本だった。
    読んでる最中はちょっと好きになれないかなーと思ったわりに、読み終わってみたら意外にふせん沢山貼っていた。
    一番響いたのはウルグアイ大統領ホセ・ムヒカの演説の引用でしたが。。
    これから先世界はどこに向かって行くのかなと考えさせられる本でした。

    0
    2014年11月08日

    Posted by ブクログ

    ・グローバリズムとは、アメリカが世界に広めたイデオロギーのことで、いわゆるグローバリゼーションとは区別している。

    ・「今や、英語ぐらいできないと世界に乗り遅れる」とか「グローバル化に対応して日本も鎖国的な上京から脱しないといけない」とか、「このままでは、日本は世界に取り残されてしまう」とはいうが、そこに「乗る」ことのメリットとデメリットとは何なのか、そもそもグローバリズムとは何なのかについての議論はほとんどなされていない。

    ・日本人は元来グローバルという言葉に弱いのである。その理由は、明治期以降、東アジアの島国から脱皮して、西欧近代国家にキャッチアップすることが国是であった時代、産官あげて西欧に範を求め、西欧に学んできた経験が、世界有数の経済大国になった今でも、西欧コンプレックスというかたちで一種のトラウマになって残っているからだろう。

    ・民主主義の発展段階において、常に海外先進国にキャッチアップするという明快な目標を持ち続けてきた日本人において、海外先進国との比較はただの目標である以上のものがあった。周囲を海で囲まれ、同一の言語を共有し、一億総中流という時代を経て、平和を教授してきた日本人は、自分たちが日本人であるということをほとんど意識しなくてもよかった。さらに言えば、戦後GHQによる統治と、日米安全保障条約や地域協定に規定された日米関係における米国への依存の構造を受け入れてきた日本人は、ナショナルアイデンティティという観念を屈折したかたちで内面化し、それを表だって議論するというkとおを避け続けてきたのである。それを突き詰めていけば、日本は政治的にも、軍事的にも、主体的な選択の余地はほとんど残されておらず、せいぜいが経済的な優位性というところに自らの存在理由を見出すことしかできないということを、多くの日本人が無意識のうちに感じ取っていたからだろう。主体的な選択の余地のないところに、主体的な自己定位もない。だから日本人は、常に何かからのビハインドというかたちでしか、自分たちのナショナルアイデンティティを確率するポジションをとることができない。日本人が自己を規定するときには、自分たちが何処にビハインドしているのかというかたちをとるのであり、その何処がない場合はには探し出すという奇妙な行動をとるのである。

    ・グローバルスタンダードなんていうものは本来存在していない。ただ、ビハインドによる自己定位を常態にしてきた日本の政府も、企業も、自分たちが何にビハインドしているかの明確な指標が欲しいのだ。そして、それがなければ作り出す。こうしてグローバルスタンダード信仰が生まれてきたのだろう。

    ・グローバリズムとは世界を豊かにし、人間を貧困や圧政から解放するための社会思想でも経済思想でもなく、ビジネス勝者が勝ち続けるための、露骨な、なりふり構わないお金儲けの方便に過ぎない。

    ・グローバリズムをつくり上げたのは「株式会社」というシステムであり、「株式会社」というものが対抗する障壁とは「国民国家」そのものである。「株式会社」は生まれながらに超国家的な存在として、この世界に生まれてきたのである。

    ・株式会社は資本と経営の分離という原理において、右肩上がりの社会を前提とした発展途上モデル。

    ・今、日本の人口は1億3000万人から急激に減少をしていく過程にある。この国民全体が、生活水準を維持してゆく方法を考えるのが、経済政策の基本的な目標になるべきだ。日本を企業が最も活動しやすい場所にすると安倍首相は述べたが、日本は企業のためにあるのではない。

    ・グローバリズムが主張する正当性がトリクルダウン効果である。富めるものがより裕福になることによって露が大木から滴り落ちて枝下の雑草に注がれるように、貧乏人にも恩恵があるというのがトリクルダウン効果。もう何年も前からそのようなことが言われているが、露が大木から滴り落ちてその恩恵にあやかったなどという話は、ついぞ聞いたことがない。

    ・グローバリズムは、これまでのところ、資源は無限に存在し、人間はそれらの資源を無限に消費できるという前提で思考されてきた。問題は、資源の流動性が不十分であること、この世界には非効率なものが残っていることであり、それらを効率化すれば、人間は更なる資源の恩恵にあずかれると考えてきた。・・・しかし、それはビジネスという枠組みの中だけで有効性を持つ限定的な論理である。

    ・この本のタイトルに「病」という語を使った理由は、それが何か悪いものであるとか、無くなってしまえばよいとかいう否定一辺倒の対象ではなく、むしろうまく付き合っていかなければならないものであり、ときには必要不可欠であり、ときには毒にもなるというものを表現したいと思ったからなのです。

    0
    2014年10月20日

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