ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
3pt
【開高健ノンフィクション賞受賞作】常夏の国フィリピンで、困窮生活を送る何百人もの日本人男性がいる。フィリピンクラブで知り合った女性を追いかけてきた男、偽装結婚のカモにされた男……所持金ゼロ、住む家もない彼ら「困窮邦人」に手を差し伸べるのは、フィリピンの貧しい人々だった。男たちのすさまじい生き様を通して現代日本の問題点をあぶり出す、渾身のルポルタージュ。第9回開高健ノンフィクション賞受賞作。
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
オタクは読むべし!とおすすめされて読みましたが、なんと言ったものか…と読み終えて考え込んでしまうような本でした。(そして解説が橘玲っていうのにも納得) 金も友達も家族も親も国も全部捨てて、プライドと虚栄心は持ち続けて、自分自分自分…どこまでも自分中心にしか考えてない。助けてくれるフィリピン人への感...続きを読む謝の気持ちや自分の境遇への納得と覚悟を著者に話すわりに全然行動や態度が伴っていないところなども本当に自己中心的。 出てきた男たちには全然同情できないし、男たちを支援しない家族の気持ちもよくわかる。 が、もし自分がああいう境遇になった時に果たして彼らとは違う対応や反応を著者に返すことができるだろうか…と考えると、出来ないような気もしてくる。 日本国内で憎しみを募らせて女子供を通り魔的に襲う男や親に寄生し続ける男もいる中、確かに彼らは自分で日本を「捨てて」フィリピンにやってきた。 彼らに優しさや慈しみを与えることは、日本には出来ないから、彼らは日本を捨てた。だからこの本のタイトルは日本に捨てられたんじゃなくて日本を捨てた、なんだな。 外務省の人の「この人たちに税金を使うことを国民に説明できない」っていうの、今の国民感情だとそうなるよね…と。 私だって「はぁ?(怒)」って思ってしまうよ。いけないとは理解できるけど反射的に思ってしまう。 でも切り捨てて、自己責任・自業自得だと言ったところで問題は解決しないから、やっぱり寛容であらなきゃいけないってことなんだよね。(嫌だけど…)
海外で所持金を使い果たし、帰国もできず、路上生活を強いられる困窮状態の日本人を「困窮邦人」と呼ぶ。本書はフィリピンの男性困窮邦人5人を中心とするルポ。 5人はいずれもフィリピンパブにハマり、日本で稼いだ金をフィリピン女性に貢ぎ、フィリピンまで追いかけ、持ち金がなくなり放り出される。いくらひいき目に...続きを読む見たところで「自己責任」という言葉しか思いつかない。これだけ同情されない貧困者を取り上げて、評価されるノンフィクションを作り上げた著者の取材力、姿勢がすばらしい。 本書で登場する困窮邦人がフィリピンを選んだ理由はフィリピン人の優しい国民性と温暖な気候。これからもフィリピンで困窮邦人は増え続けるだろう。作者には次作でフィリピン在住の「裕福邦人」を取材してほしい。
読む前から何となくこの本の存在は知っていたが、女性を追って常夏のフィリピンで自堕落奔放に過ごす中高年男たちのルポだと思っていた。(副題は知らずに)本書で取り上げている困窮例もなかには混じるだろうけど、おおむねが「日本を捨てて」フィリピンで第二の人生を謳歌している人たちの話だと思っていた。 ところが取...続きを読むり上げているのは、なけなしで後先見ずに渡航したり現地で金を失い帰国もままならない男たちの話。本当に、フィリピンパブの女の子を追ってだったり、借金を抱えて突発的に逃げてきたり、妻子を捨てて退職金を全部持ってきたりと本当にしょうもない男たちばかり。大使館もその過程から帰国費用を貸すのを渋るし、日本の身内も匙を投げるような輩で、「日本を捨てた」のでなく日本に捨てられたような男たちに思えてくる。 だがしかし、彼らはその日暮らしの乞食のような生活をしていながらも、あまり日本にい帰りたがらない。情と信仰に厚いフィリピン人の好意によって生きていけるし、そうしたフィリピン人と生きていくほうが、窮屈な日本よりもいいという。 そうなんだ、と思ったし、そうかも、と思った。日本に捨てられたかもと思い直した彼らはやはり日本を捨てた男たちなのかもしれない。 ただ一方、彼らの勝手さ、向こう見ずさに男として生きる大変さも感じたりする。男って、誰かのためや組織のためとかでないとしっかり生きないんだよね。自分のために生きることができない生きものなんだという思いを強くした。
本書は、第9回開高健ノンフィクション賞受賞作だそうです。フィリピンクラブに行ったことをきっかけに「無一文」にまで転落し、それでも、現地で生き続けている「困窮法人」たちの実態を追ったものです。重いです。 僕もかつて1度だけ東京は錦糸町にある某フィリピンクラブにて酒を飲むなどのことをしたことはあ...続きを読むりますが。幸か不幸かはわかりませんけれど。ここで取り上げられている5人のような運命の歯車を狂わせることはなかったようです。 ここで取り上げるのはフィリピンにおいて文字通り「一文無し」と成り果て、それでもフィリピンの社会から見捨てられることなく、何とか命をつないでいる5人の人間の物語です。 そのどれもが壮絶といえば壮絶で、僕はいったことがないからそんなに詳しくはわかりませんけれど、フィリピーナを追って、文字通り「何もかも捨てて」フィリピンに渡航し、結婚して子供を持ったはいいものの、金銭がらみで不和となり、やがて女性とも別れ、住まいをを転々とした挙句に教会に寝泊りするようになったものや、日本で借金を作った挙句にフィリピンに「飛んで」きて、にっちもさっちも行かなくなったもの。 さらにはフィリピンの地で病に倒れ、現地のボランティアに介助を受け、体の半身が麻痺しながらも、なお死ぬことができずに「生きて」いる人間や、長年にわたって家と会社を往復するだけの人生を送ってきた男がフィリピンパブに行ったことをきっかけに、文字通り妻子から何から捨てて、退職金を抱えてフィリピンに渡航し、現地で「少年に戻った」として青春をやり直すものなど。そのどれもが強烈過ぎて、読んだ後に頭が少しだけ朦朧となってしまいました。 ここに出てくる人間の大半は日本にいても周りの人間、特に親や親戚に不義理や迷惑をかけ倒して国内にも自分の居場所が無く、帰るに帰れない姿が延々とつづられている場面を読んでいると、自分の「恥じ多き生涯」の中にも少なからず心当たりがあって、彼らの存在が自分にとっての「鏡」であったのかもしれません。 筆者は取材を重ねるうちに彼らの境遇に同情しつつも 「だからあなたたちは困窮するんだ」 という二つの相反する思いに苦悩したそうです。 ここに書かれてあることはおそらく大半の方は縁が無いことなのかも知れませんが、彼らの人生を見ることで、日本の抱えている矛盾や、日本とフィリピンの持つ関係。さらには南国特有の「やさしさ」と世界有数の経済大国ながら日本の持つ「冷たさ」や「息苦しさ」が浮き彫りになってくるようで、読みながらいろいろなことを考えさせられました。 ※追記 本書は2013年11月20日、集英社より『日本を捨てた男たち フィリピンに生きる「困窮邦人」 (集英社文庫)』として文庫化されました。
著者の新作を読んで興味を持ったのでこちらも読破。 似たような内容だったので、話も被っているのだろうと思っていたがそれでも面白かった。深夜特急を始めて読んだ時の感触だろうか、脳内で妄想や理想、ユートピアへの憧れといったものがエンドルフィンに変わり、幸せな気分を味わうようなアレである。 ただその憧れを現...続きを読む実化させようと行動に移した中年男性たちがフィリピンで破滅していく過程をマジマジと見せつけられるのが本書である。 結局のところ、全てにおいてユートピアなんていうものは存在しなくて、人間という愚かな生物は他人、他の生物の命を犠牲にして生き延びているだけの存在であることを見失うからこそこういう転落人生があるのだろうなと考えさせられた。 結局どこにいっても極楽浄土なんてもんは存在しないってことだが、それでも地に足をつけて異国の地で上手に生き抜いている人もいる。結局、「どこかにいけば何かがある」という考えが間違っているのでしょうね。 年金などで月々の収入が安定していて、寒冷地での老後が辛いなど特段の事情があり、現地で死を迎える覚悟があるのであれば行っても良いかもしれませんね。 そしてここのレビュワーも著者の指摘するように、一様に「自己責任」論に終止しているのには笑った。どこまでいっても日本人の固定観念は捨てられないのでしょう。
「困窮邦人」という存在を知ったのは一昨年(2012年)とある経済雑誌の海外移住特集記事を読んだのがきっかけだった。その記事の内容としては日本と比較して圧倒的な生活費の安さや年中温暖な気候などの理由から海外(フィリピン)に老後移住したものの、資金不足や海外ならではの予期せぬ事態で生活が暗転した人たち、...続きを読むいわゆる「困窮邦人」がいるということだった。本書は会社や家族を捨てフィリピンに飛んだ男たちのその後の生活実態を描いたノンフィクションである。描かれた男たちは資産があって海外リタイヤ生活を楽しむ人たちでなく、日本社会で人的つながりに乏しく社会的に無縁状態に置かれた人たちが多い。日本社会にない人々の温かさという魔物が住むフィリピンという国、そこに魅せられすべてを投げ出して、しかもどちらかというとそれまで海外に縁がなかった人たち、大人の男が、無計画にも移住してしまうフィリピン困窮邦人の現実が生々しく描かれています。偶然にも今自分が住んでいるタイの北部チェンマイにも「困窮邦人」が多いとのこと本書で知りました。
フィリピンには困窮した生活を送る何百人もの日本人男性がいる。彼らの生活に迫りながら、フィリピンと日本の両方を丹念に取材した質の高い一冊。 フィリピンパブにのめり込み女を追いかけて日本を飛び出し、フィリピンの教会で寝泊まりする日本人のホームレス。偽装結婚のカモにされた男や、借金から逃れるため日本から...続きを読む逃げた男。 それぞれの強烈な生き様に迫れば迫るほど、日本の社会問題がジワジワと浮かび上がってくる。
著者はあとがきで、困窮邦人の存在を「自己責任」と考えるか「明日は我が身」と考えるかに分かれるとかいているが、自分は断然「明日は我が身」派だ。困窮邦人に限らず国内でも、自分がいつ貧困に陥るか分からない。そんな閉塞感をこの日本に感じている。 「幸せとは何か?」 この問いの答えは著者だけでなく自分にと...続きを読むっても一生のテーマかもしれない。この問いが出る事自体が実は幸せである事なのかもしれないが・・・。
闇金ウシジマくんの海外逃避版みたいな印象。 約束を守れない、お金をうまく使えない、愛に飢えているなど多様なパターンがある。どれも人間らしい(というより自分自身にも存在する一側面)な気がする
知人から聞いて知った困窮邦人という存在。 インタビューした人たち、今も生きているんだろうか。 自業自得って思うのは人生を選べる立場にあるからかもしれないけど、それでもこういう人たちに税金使って支援するって言われたら苛々するだろうな。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
日本を捨てた男たち フィリピンに生きる「困窮邦人」
新刊情報をお知らせします。
水谷竹秀
フォロー機能について
「集英社文庫」の最新刊一覧へ
「ノンフィクション」無料一覧へ
「ノンフィクション」ランキングの一覧へ
脱出老人 フィリピン移住に最後の人生を賭ける日本人たち
ルポ 国際ロマンス詐欺(小学館新書)
「水谷竹秀」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲日本を捨てた男たち フィリピンに生きる「困窮邦人」 ページトップヘ