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大学病院の精神科教授の夫は、二児を残して交通事故で脳死状態となった。ヴィオラ奏者の妻は、夫の患者に夫の生きている心臓を移植するよう、夫の同級生である心臓移植の名手に懇願する。最愛の夫の心臓は生きている。確かな鼓動を打って、かつての重病患者の体の隅々に生命の源の血を送り続け出している。しかし夫を失った妻に、心の空洞を埋めるすべはあるのだろうか? 最も今日的テーマに挑む、渾身の長篇小説。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
蒲生がおこなった有作の心臓移植手術は無事に成功しますが、大鈴らが舵を取る反対者たちのグループは、蒲生が強行した移植手術を告発することになります。彼らは、蝶子と勇作の母親や姉の間で意見の対立があったことを知り、彼女たちに執拗に事実を開示するように迫ります。 蝶子は、有作が亡くなった後の苦境に耐えなが...続きを読むらも、蒲生への信頼を貫き、有作の遺志が実現されて多和田の命を救ったことを力強く肯定する態度を貫き通します。最後は、有作の死から2年が経ち、蒲生が蝶子に求婚し、彼女がそれを受け入れることで、物語は締めくくりとなっています。 前巻で、社会小説としての基本的な問題設定は済んでいるということでしょうか、下巻では人間ドラマに焦点が当てられているようなのですが、若干人間描写が図式的な印象を受けました。
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生きている心臓
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加賀乙彦
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