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Posted by ブクログ
すっごく噴き出しちゃうシーンと、すっごく泣きたくなるシーンがこれだけ同居してる小説ってなかなか無いです。
私は一人っ子で、兄弟も姉妹もいないから、正確には分からないけど、すれ違う家族が互いの境界線を二度と越えることなく、命を終えてしまうことがどれだけ悲しいことなのかは、身近に見ているので、少しは知っています。
どうしようもない絶望と、ぽっかり空いた心の穴。埋めるために、その人はとても頑張ってました。私も少しは支えたつもり。沢山話をして。
でも、やっぱりその穴を埋めたのは、同じ思いをした家族でした。境界線を越えられた、生き残った二人でした。
そんな二人をつぶさに見てきたので、この本の2話目では、その時のことを沢山思い出しました。
こんな思いはしたくないから…私は家族をこれからも大事にしようと思います。矢崎さんもそう思って書いたのだと思います。
それから、最後のお母さんと美帆ちゃんの話。もうあの手紙には、本気で泣きそうになりました。
子供がとても欲しいのだけど、一身上の都合により、今は子供が持てない私。
母親って、父親より多分もっと複雑で葛藤が多いのかもしれないと最近思うんですよ。
だって、自分の身体からぽこりと派生したのが、子だからね。自分の一部のように思って、所有しているかのように扱ってしまったり、自分とあまりに違っていて戸惑って、ほんとに自分の子供かと思ったりすることって、きっとある。
そして、そんな疲れてる自分に、ハッと気づいて、ショックを受けて、一人で悩んでるお母さんってきっといっぱいいるんでしょうね。
昔みたいに、地域でみんなで子供を育てる、という環境があるといいんですけどね。今は個々で閉じこもってる社会ばかりで、お母さんは孤立しがちです。
でも、この本で語られてるように、お母さんというのは、子供の年の数くらいしか、お母さんとしての経験値は積んでないんですよ。ここで言うなら7年ですか。
手探りなのは当たり前ですよね。なかなか子供が分からないってのも、当然だと思う。子供はうまく気持ちを相手に伝えられるだけの言葉を持ってなかったりするし、自分の身体から出てきたといっても、全く別の存在なのですから。
悩み苦しんでるお母さんたちに、読んで欲しい話でした。悩んでるのは、あなただけではないと言ってくれているような。優しい1冊です。自分が母親になったら、必ず読み返したいなと思いました。
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