歌われなかった海賊へ

歌われなかった海賊へ

小説・文芸
1,320円 (税込)

6pt

『同志少女よ、敵を撃て』本屋大賞受賞後第一作のベストセラーがついに文庫化

ナチ政権下のドイツ。体制に反抗し、自由を求めるエーデルヴァイス海賊団の少年少女らが、「究極の悪」を前にとった行動とはーー

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歌われなかった海賊へ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    多くの文献をもとにした綿密な時代考証と、魅力的な登場人物の造形、緊迫感の続くストーリー展開。デビュー作『同志少女よ、敵を撃て』と同様、いやそれを上回る傑作。権力に迎合し、犠牲となる少数者の姿に目を背ける大衆の姿を告発する。しかし、決して高みからの批判ではなく、人間の弱さを分かった上での問題提起。なおのこと、抵抗する少数者の輝きが増す。

    0
    2026年10月24日

    Posted by ブクログ

    同志少女を読んでからの本作。プロローグはやや退屈に感じたが、本編に入った途端どんどん読み進めることができた。戦争モノで悲惨な現実が描かれているが、同志少女よりも若者たちの青春物語、冒険モノの要素が強くどこか明るい雰囲気もあって好きだった。人は他人のある側面をみて都合の良いように解釈しカテゴライズしてしまうというのは自分の考えや行動を振り返るきっかけにもなったし、「歌わなかった住人」=悪、と捉えるのは簡単だけど、ある種その人たちも戦争への疲労感から生まれた無関心や自己防衛の本能が働いてしまっているのかなとも思ったりして、戦争という現代の日本とは違う極限状態の話でありながら、現代にも通じる人間の本質について考えるきっかけや気づきも与えてくれたと思う。

    0
    2026年10月14日

    Posted by ブクログ

    一周読んで、解説に目を通して、もう一度始めの現代パートを読み返す。すると冒頭数ページが全く違う印象になる。こういう小説に出会うために紙の本を読んでいるのかもしれない。。

    最初と最後が現代パート、全体の9割以上が小説イン小説の内容で、ナチス体制崩壊間近のドイツのある村が舞台。
    エーデルヴァイス海賊団、ヒトラーユーゲント、強制労働施設など、実在した設定をもとに巧妙なフィクションを織り混ぜ、スタンドバイミー的冒険譚を加えたストーリー。
    負の歴史を扱った暗いテーマではあるのだが、青春群像劇でもあり、過酷な環境で精一杯生きる少年少女の姿に励まされる。
    同時に歴史とは何かを考えさせ、見て見ぬ振りすることの罪深さを意識させられる。

    「ホロコーストはガス室から始まったのではなく、少数者に対するヘイトスピーチから始まった」という解説中のフレーズが記憶に残る。

    0
    2026年09月28日

    Posted by ブクログ

    ハズレなしの作家のひとり。「ホロコーストはガス室から始まったのではなく、少数者に対するヘイトスピーチから始まった」はという言葉は印象深い

    0
    2026年09月24日

    Posted by ブクログ

    独裁者の残虐性だけでなく、不都合な事実を黙認して生きている層に対しての非難や、そういう社会の風潮に対するアンチテーゼがテーマになっていると感じました。とはいえ、いざ自分がこの社会に生きていたとしたら、ヴェルナー率いる登場人物たちのように果敢に行動を起こせるのかと言われると、それは極めて難しいことだと思います。社会の風潮に抗い、自分たちの疑念を取り払うため信念を持って行動を起こす少年少女たちに最大限の賛辞を送るとともに、この物語を心に刻んでいきたいと思います。

    0
    2026年09月20日

    Posted by ブクログ

    「分かった気になってんじゃねえぞ」
    全編通じて、そう言われている気がした。
    まとめるとしたらこの一言になるけれど、他人を完璧に理解できる人間など1人もいないように、本作をまとめようとすること自体が既に謙虚さを失っている証左なのだろう。
    それを前提としながら、本作の凄みの一端を記したい。
    自己、他者との関係における自己、社会の中の一員としての自己、他者理解、文化…現代に通ずるあらゆる要素が深く描かれた物語である。全ての大人に読んでもらいたい。

    「殴り方を教えてやる」の真意とは。
    「自分を完璧に理解する他人が一人でもいるか」。相手にとっての自分も同じだろう。
    かと言って、他者に無関心であることを本作は提示しない。社会に生きる一員としてのありようも描かれる。完全なる他者理解はできない。だが、私とあなたはつながっている。がゆえに、できることもあるのだと。

    0
    2026年09月08日

    Posted by ブクログ

    ある時代、ある地域での正しさは、別の時代、別の地域では正しくないことも多い。
    青春小説のような爽やかさがあり、戦時下が舞台になっているのだが、あまり陰鬱とした気分になることなく楽しめた。
    大人になるにつれて、都合が悪いことから目を逸らすことも多くなる。それは生存戦略なのか、はたまた弱さなのか。難しい。

    0
    2026年10月11日

    Posted by ブクログ

    第二次世界大戦下、ドイツで
    ナチ体制に反旗を翻した少年少女の物語。

    逢坂さんのデビュー作、「同志少女よ、敵を撃て」でも
    少し気になった、
    題材の重さに対する展開の軽さが今回はより重要な局面に用意されていて気になった。
    作中作の形式になっていて、それがほぼ本編で全体の9割弱。
    プロローグとエピローグは現代パート。
    この作品の本質は現代パートに凝縮されているように感じられて、アンバランスではあったけれど、たしかな読みごたえはある作品だった。

    0
    2026年09月22日

    Posted by ブクログ

    自分には合わなかったな、心を揺さぶられなかったな、、と言う感想を持ちつつページを捲っていくと膨大な数の参考文献の一覧を目にして評価を上げてしまうのは、自分だけだろうか。。

    0
    2026年09月27日

    Posted by ブクログ

    敗戦濃厚のドイツで反ナチス活動に身を投じる少年少女たちを描く。前作に比べると人物描写や展開に首を傾げる部分があり没入感には欠けるものの、昏く重たい歴史的事実が物語の強度を保つ。戦争の凄惨さや不条理、倫理的葛藤へのアプローチも教科書的に感じられる面が多々あるものの、時代の闇に立ち向かった若者たちの痛切な足跡として、静かな哀しみを心に残す。

    0
    2026年09月06日

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