この本はイラン戦争に関連した12のテーマについて各分野の第一人者が書いている論文集である。このような本は概して内容が重複してたりするものであるが、ほの本は秀逸でそれぞれのテーマがそれぞれに重要で、しかも今回のイラン戦争を理解する上で欠かせないテーマになっている。面白かったのは「トランプの論理」では、トランプらの福音派がどれだけ今のアメリカ政府に大きな影響を与えているのかと、彼らの狂信的な考え方がよくわかった。「覇権国不在の世界経済のゆくえ」というのも面白かった。アメリカが派遣国でなくなるということは、ドルがいずれ世界の基軸通貨ではなくなるということであるということ。「軍拡はAIから始まる」というのも恐ろしいことだ。今回のイラン戦争では1億2000万ものデータをAIが解析して、3分間の隙間を発見したのだ。その3分間のチャンスに1000箇所を超えるところに攻撃を加えたのだ。AIが選定したその後標的が間違っていないかチェックなんて当然無理だろう。このようなAIの攻撃に加担した企業としてイラン革命防衛隊は米国の18のテック企業を公表しているが、当然GAFAは入っているのだ。AIの軍事利用に関わっているOpen AI という会社の前には、大勢の反対者が“チャットGPTを解約しよう”という運動を行なっており400万人もの人が実際に解約しているらしいです。