Posted by ブクログ
2014年12月28日
とある小学校にやってきたぶっきらぼうな保健医の話。生活に支障があるってわけじゃないけどつらい。これって病気なの?そんな日常の悩みで苦しむ子供たち、その親。保健医が彼らに面と向き合い、その悩みを解決していく。普段の何気ない子供たちの行動や些細な違和感から答えにたどりつく話の描き方が面白い。認知度が低い...続きを読むため適切に扱われなかったり見過ごしてしまう病気の、やっかいな側面が描かれている啓蒙的な要素はためになりそう。症例紹介の要素が強く、小さいエピソードを大量に消化していくスタイルなので感情移入して読むのは難しく、長期フォローしなければ見えてこない症例の難しさというのをまだ見せきれてない。また、過敏になり過ぎたり、分かった気になって逆に適切な対応とズレたことをしてしまう認知への警戒も必要だろう。ひとつの学校でホイホイいろんな症例が登場して現実味が薄れてしまったりするのは物語の構成上しかたのないことでご愛敬ということなんでしょう。だから、この作品で注目すべきことは「患者の心情と、その周囲の事情をいかにリアルに描き、適切な解決策を示すことができるか」になる。まあ解決策じゃなくてもいい。すべて解決されるのも胡散臭いし、それが無い症例だってあるはずだ。とかく悩ましい部分を誠実に見せて欲しい。その部分に今後も期待したい。