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鈴木高徳少将の息子・二郎は戦後、日本の出版社に勤めていた。
スイス銀行に秘匿されているという父の遺産20億ドルをめぐり、彼に次々と事件が……。
怪しい新興宗教!
零落した博覧強記の作家!
遺産狙いつきまとう男たち!
そしてすべての事件が解決した後、明らかになるのは……。
戦後ミステリ界の鬼才がワーグナー『ニーベルングの指環』に材をとった、
破格の構成が一読忘れがたい日本推理史上に残る大・怪・作!
〈解説〉新保博久
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Posted by ブクログ
ええええっ!?
というのが最後まで読み終わっての感想。
最後にどんでん返しがあると前情報で知ってはいたものの話はスルスルと進み、一応の決着がついてあれれ?と思ったらアレですよ。やられましたね。。
でも改めて鑑みてみると構成の見事さに感心します。発表当時から賛否両論あるみたいですが。。
この話は戦中の鈴木少将の話(第一部)と戦後の鈴木少将の子供達の話(第二部)から構成されてますが、わたし的には第一部の方が断然好きでした。アレですが。。第一部の巻末についてた「日本人とユダヤ人」もそうなると…な訳ですね。
この著者先生は初読み(なにぶん昔の方なので…)でしたが、面白かったです。機会があれば他の本も読んでみたいところです。
Posted by ブクログ
第一部では、第二次世界大戦中のヨーロッパを舞台にナチスドイツとユダヤの人々と日本人のかけ引きが巧みに描かれていた。この第二部は本作品が発表された同時代である昭和四十年代の東京が舞台。第一部の登場人物達の子にあたる人々が次々と登場し、そうか第一部とこういうふうにリンクするのか、と読み進み、いかにも探偵小説な結末にたどりついたあと、「エピローグ」(pp428-443)を読んでひっくり返るという構成。正直いって第一部よりはかなりスケール小さくなった話だなあと感じたので、瀬戸川猛資の「ワーグナーも可哀そうだ」(p447)という酷評には大笑いしながら同意してしまいそうになるのだが、それは、高木があまりにもワーグナーを下敷きとして使いすぎたゆえの解釈な気がする。この作品の真価はそこではなく、メタフィクションであることを露わにする「エピローグ」にあるのだろう。
Posted by ブクログ
第1部「天皇の密使」、第2部「神々の黄昏」。第1部は山本五十六の密命で、天皇家がスイス銀行に預けた資金をもとに、ドイツを拠点として秘密裡に軍事戦略物資を集める海軍軍人のインテリジェンスと、その物資と資金を横取りしようとするSS将校との対決が主旋律となる物語。第2部は、その軍人が残したとされる遺産と新興宗教教団内部の跡目争いが絡んでいく、という展開。最後の「エピローグ」で、第1部が作中の小説家による創作だったことが明かされて、2部にわたる物語世界自体が蜃気楼のように消え去っていくという展開は、三島の『豊饒の海』4部作を想起させる。
第2部はややまだるい感じがするが、第1部のSSとのインテリジェンス対決の物語は読みごたえがあった。山戸という謎めいたスパイのキャラクターも魅力的。ヨーロッパに於ける「8・15」を描いた小説という点でも記録しておきたい(それが作中作で「捏造」と語られてしまうので、これ単独で論じにくくなってしまったのが何とも残念だが)。
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