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SNSで駆り立てられた「正義」.「真の弱者」から向けられた「偽りの弱者」への怒り.多くの人々が「この社会で損をしている」という思いに突き動かされている今,社会の至るところで噴出する「敵意」や「憎悪」から,私たちは何を聞き取るのか.そして,どう向き合うべきなのか.もっともクリティカルな日本社会論!
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Posted by ブクログ
雑誌(ほとんどが『世界』)に掲載された論考を集めたものなので、各章で内容に重複がある。現代日本社会の政治状況を大掴みに示そうとする試みなので、「図式的」「単純化」「上から目線」等の批判もあろうが、著者としてはそれも承知で、これからより多くの人がどう行動すべきかの指針となる仮説を提示したのだと思う。特...続きを読むに「はじめに」と「第7章」は、多くの人々に読まれ共有されるとよいと思う。以前読んだ益田肇『人びとの社会戦争』と着目点が重なっていて興味深かった。
社会的なことには疎いので、社会科学的な本を意識的に読むようにしている。 日本に生活していながら、この社会で起きていることにいかに自分は無知で無頓着だったことか。 大まかな内容は 1章 ひろゆき論 2章 山上徹也 3章 石丸現象 4章 左右対立から新旧対立へ 5章 財務省解体デモ 6章 参政党 ...続きを読む7章 社会分断の今日的構造(総括) 左右対立、新旧対立、上下対立という3つの軸と「曖昧な弱者」という補助線を引くことで、社会がこれほど鮮明に理解できるとは。 個人的にリベラル派の退潮という現象を興味深く見ていたが、それを左右対立ではなく、新旧対立という観点へと対立の軸が移ったためだとみるなど大変勉強になった。 しかし、私は本書を批判的に見るところへまではまだ達していない。
現代の日本社会を表すキーワードとして、「曖昧な弱者」というものを規定することで、すごく見通しが良くなる。
自分に向けられる敵意の質を見事に描きだしてくれた。家族福祉>高齢者と障碍者向けだけが公的な制度に置き換えられてほかのあいまいな弱者が取り残された>ベーシックインカムじゃダメかな。あいまいな弱者の大量発生。直感的なまず減税のわかりやすさ>意図するところを汲めない現システム側のおばか。参政党の農本主義>...続きを読むこれはほんとに同意。強い外国人への反感が弱い外国人に向けられる>生活保護バッシングと同じ。意識高くないリベラルってどんなだろう。現体制から疎外され、もらえるお金が増えることが想像できない永遠の若者である中年層マジョリティ、弱者のためのネオリベからも漏れる層のデモ。富裕層優遇策は同意。
高市早苗さんがどうしてこんなに支持されるのか、まるで分からなかったところに出会った本。なるほどねぇと思うとこばかりでした。
「曖昧な弱者」をキーワードにして、右派と左派の対立から「オールドな彼ら」と「ニューなわれわれ」という対立軸に持ち込んで勝利していく自民党と新興政党伸長の説明は、極めて明晰で分かりやすく、伊藤氏の慧眼に感銘を受けた。なるほど、昨今の政治情勢にかかわる謎の多くが説明されている。リベラル派の主張は理想主義...続きを読む的かつ高邁な「文化政治」に傾きすぎていて、もはや多数派となった日々の暮らしに汲々とするロウアーミドルの人々には響かない。手取りを増やす、社会保障の負担を減らす、というような即物的「経済政治」を訴える党が伸長するのもむべなるかな。本来は結託すべき「明白な弱者」と「曖昧な弱者」に分断をもたらし、政治的に利用している「強者」がいることを、目を凝らして見るべきなのだろう。著者の言う通り、解決可能な分断の方が、ともすれば弱者いじめに陥る「オールド」と「ニュー」というイメージ優先の対立よりもずっとましだし健全だと思う。
今まで手厚く保護されてきた生活保護受給層等を「明白な弱者」、いわゆる弱者男性のような近年の格差の拡大で生まれた社会保障の網にかからないが社会的困窮者を「曖昧な弱者」、と定義して現状の日本社会を描いた本 今まで意識していなかった対立軸等に目を向けられて、世の中の見方が変わる本だと思った。 名著すぎる
岩波新書にしては大変読みやすく、またなるほど!と手を叩きたくなる内容だった。 今の日本社会の見取り図を示してくれている。でてくる、曖昧な弱者、明白な弱者、真ん中等、直感で理解できる秀逸な言葉だと思った!
私はリベラルを自認する60代だ。若いころはアサヒジャーナルを読み本多勝一さんを信奉していたが、およそ40年間の会社員生活で尖った部分も摩耗し、清濁合わせ飲み込める人間になったと思っている。が、最近の世相には得心がいかない。 そこに本書の『曖昧な弱者』の概念を理解すると、なるほど理解が進む。障が...続きを読むい者や女性、外国籍等明白な社会的弱者ではなく、社会的には強者にカテゴライズされる健康な男性、ただし、有期雇用であったりフリーランスであったり、社会的身分が脆弱な層がネトウヨ的な振舞いを取ってしまう。 『若者世代』に関する考察も納得がいく。かつて若者とは不安定で流動的な存在で、中年期に社会の中心に腰を落ち着けるまでの存在だったと。左右信条的なことは別に、かつて私が少々尖っていたものが清濁併せのめるようになったようにだ。だが今は違う。失われた30年で成長と自己実現の機会を奪われた若者が、中年期に入ってもなお『若者』のままでいると。そのボリュームゾーンの投票行動が2026年の衆院選挙に反映されたと説明されると深くうなずくばかりだ。 アメリカのヒルビリーやレッドネックと呼ばれる層がトランプを支持するのと同じように感じる。そうなると、次に来るのは戦争や騒乱か。円安、エネルギー不足からインフレが進み、経済がうまく回らなくなると、隣国の不公正な貿易差益により搾取された利益を取り返さなくてはならないと政府が旗を振るだろう。アメリカと同様の軌跡を辿らないことを願うばかりだ。
なぜ、リベラルが支持されなくなったのか?その理由が各章において明らかになる。 多くの若者や中間層又は本人のSNSでの発言ワードを数量的に分析したエビデンスを基に、今の日本の姿を炙り出す手法は新しい。 日本もアメリカやイギリス同様に中間層の分断が起こっている。リベラルはこの課題に応えられるだろう...続きを読むか?また、分断された層は旧来の弱者が問題ではないことに気づくことができるだろうか?
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曖昧な弱者の時代
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伊藤昌亮
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