◎ 対立軸の再設定——アイデンティティ政治から階級的連帯へ
最近では、人びとのあいだに分断をもたらす「アイデンティティ政治」ではなく、階級的な連帯を重視すべきだという論調が一部で強まっている。
伊藤氏も『曖昧な弱者の時代』の最後でも論じられている、「リベラル派+マイノリティ vs マジョリティ+右派」の対立図式に代えて「アッパーミドル層+富裕層 vs 貧困層+ロワーミドル層」の対立図式にいっていくべきだという主張をしている。
政治という営みにとって、どこで境界線を引くかは死活的に重要になることを踏まえれば、理解できる展開ではある。「マイノリティ」と「マジョリティ」との間に境界線を引いてしまうと、「マイノリティ」の側にほぼ勝ち目はない。