"IF" is not "SF",but "SF" is "IF".
非常に興味深く一気に読み終えた。この知的興奮は『属国の銃弾』以来。つまり四年ぶりの面白さである。もっとも本作は内容は完全なるディストピア小説。過去の歴史上の様々な問題点を、それを引き起こした人間を「排除」若しくは「転向」させて歴史を変えることが出来るかというテーマに対して答えは否。いやもっと悪い時代になってしまうという救い様の無い話である。しかしながら読んでいて少し希望が持てるのは主人公たちの飽くなき挑戦心というかほんの小さな可能性に賭けてみるという革命的楽観主義。島田雅彦は『優しいサヨクのための〜』を昔読んでムカついたので長く敬遠していたのだが、これを機会に少し読んでみよう。ラストに「本作はフィクションです。登場人物は全員架空の人物です。」とある。そうだよな、不沈空母の長曾根とか、日本をハゲタカファンドに売った竹永なんて実在する訳無いよな(爆笑)。