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すでに半世紀以上、生物学は「情報」すなわち遺伝子を中心に回り、遺伝情報がエネルギーと物質の流れを形作るという生命観を奉じてきた。本書はその関係を転倒させる。20年前、ミトコンドリアの重要性とその進化的な意義を、ほとんど予言的とも言える慧眼で指摘した著者が、このテーマの最深部に分け入り、またもや斬新な生命像を引き出した。「クレブス回路」について予備知識のある人は、一般には少ないだろう。それは半世紀以上もの間、学術的にも退屈な、単なる糖代謝の経路と目されてきた。だが最近はこの回路の可逆性や可変性に着目した研究が進んでいる。本書はこの回路を、生成的で可逆的でもある代謝の中枢として捉えなおす。回路の起源は生命誕生の時にまでさかのぼり、その見過ごされてきたダイナミクスが、かつては複雑な動物の進化の鍵となり、いまも身体の生死を握っているというのだ。私たちにとってのクレブス回路の意味を一変させる第4章、がんの動態と代謝を結ぶ第5章はとくに読み逃せない。著者は異能の科学者たちによる発見の物語もふんだんに織り交ぜながら、読者を超ミクロの世界へと導いている。生化学は込み入っているが、大づかみにでも読み進めてみてほしい。生命の起源、進化、がん、老化の理解を更新する驚きの生命論だ。
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