世界史読書案内

世界史読書案内

ビジネス・実用
902円 (税込)

4pt

時間軸と空間軸を、読書で自由にかけめぐってみよう! さまざまなテーマの本から迫れば、「なぜ世界史を勉強するの?」と疑問を持ちながら丸暗記するだけの教科ではなく、自分と今をつかむための本当の世界史が見えてきます。古代から現代まで、背伸びして読む専門書からマンガまで、わくわくする書目が並ぶブックガイド。

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世界史読書案内 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    902

    歴史的に見て、隣り合う国どうしは文化的・民族的に近い位置に あるにもかかわらず、仲が悪いことが多いのです。というよりもむ しろ、近い位置にあるからこそ仲が悪いと言うべきでしょうか。 くたちが「イギリス」と呼んでいる国と、アイルランドとの関係も その典型事例です。両国の間では、まず民族が違います。アングロ ・サクソン系のイギリスに対し、アイルランドはケルト系。次に宗 教が違います。イギリスはイギリス国教会を信奉するのに対し、ア イルランドでは伝統的にカトリックが強いのです。そしてなにより も両国の間には、征服者と被征服者という不幸な歴史が存在してい ます。

    イスラームは宗教であると同時に世界観でもあります。さまざま な言葉や文化、歴史的な背景を異にする民族を、イスラームは、 つに、かつゆるやかに統合してきました。

    ハワイの産業を支えているのは、日本からやってくる大量の観光客 の存在⋯⋯。本書は、移民、戦争、観光をキーワードにして、ハワ イの歴史を解説しています。そしてそのすべての場面で、日本の影 がちらついているのです。 さらに言うならば、ハワイに移民したのは日本人だけでなく、ポ ルトガル人やドイツ人、プエルトリコ人、中国人なども多くいまし た。中でも朝鮮人や琉球人の置かれた位置について述べてあるとこ ろは必読です。ハワイの歴史は、異文化交流についての一つのモデルです。

    なお、ハワイ観光の最大の日玉であるオアフ島のワイキキビーチ の白い砂は、観光のために大量に持ち込まれて海岸に敷き詰められ た「人工の砂浜」なのだそうです。さあそろそろ、本書を読んで、 本当のハワイを見つめなおしてみよう!

    歴史というものは、人間の営みの集成ですから、本来さまざまな見方や解釈ができる ものです。本書はそのあたりの自由度が高いし、多面的になっています。つまり、本の 中で執筆者どうしが対話をしているのです。だから読んでいて、「ああなるほど」とか、「こういう観点もあるのか」とたくさんの発見があるのです。

    歴史を見るということは、裏側から(逆から)日本の近代史を見ることになるのです。人 は自分自身の顔を自分の力で見ることはできません。鏡や水などに映してはじめて、間 接的に見ることができるのです。ぼくたちが世界史を学ぶ意味もおそらくここにありま す。自分の姿1日本の姿を見るためには、他者の歴史(鏡や水)に照らすのが有効でしょ う。そしてそれは日本と関係の深い国であればなおさらのことで、朝鮮や中国などは格 好の素材をもたらしてくれるはずです。

    日本に住むぼくたちが、自分自身と切り離して他国のことを調べても、何の役にも立 たないだけでなく、時として大きな落とし穴にはまる危険性があります。世界のさまざ まな国を知るのも、もちろんいいのですが、でもまずは自分の足元を見つめることから 始めてみたいと思うのです。

    『石の花』
    坂口尚 講談社漫画文庫(一九九六年) これは世界史を学ぶ人すべてに読んでもらいたいマンガの一つです。 舞台は一九四一年から四五年のユーゴスラヴィア。複合多民族国家の典型ともいえる この国は、第一次世界大戦後の民族自決原則の適用を受け、南のスラヴ族(=ューゴ・ スラヴィア)の寄せ集めとして誕生しました。スロヴェニア人、クロアチア人、セルビ ア人、マケドニア人など、どの民族を取り上げても単独では多数となり得ない国。 つの国境線、六つの共和国、五つの民族、四つの言語、三つの宗教、二つの文字、一つ の国家」と揶撤される、世界に類を見ない複雑な構成を持つ国。社会主義国でありなが ら自主管理をおこなってソ連に対する独自路線を貫き、非同盟諸国のリーダーでもあっ た国。ここからは「国家とは何か」「民族とは何か」「社会主義とは何か」「宗教と国 家との関わりについて」など、さまざまな問題のケーススタディを導くことができるで しょう。そしてまた、ボスニア内戦のような悲劇の再現をふせぐためにも、その歴史か ら学ぶことはこれからも大いに必要になることでしょう。

    一級の学問研究というのは、その根底のところで、他のさ まざまな学問分野と共鳴し合う力を持っています。本書は二〇世紀の分子生物学の歴史 と展開を記したものですが、「生命とは何か」という根源的な問いは、「人間とは何 か」を問いかける哲学や歴史学や文化人類学とも、自然環境を考える学問とも通じる普 遍的なものです。本書を読むのに専門的な知識はいりません。高校で習う生物の知識が あれば十分でしょう。将来さまざまな分野で活躍するみなさんに、ぜひとも読んでもら いたい一冊です。

    0
    2023年07月11日

    Posted by ブクログ

    いろいろな角度から世界を見つめ直す機会になりそうな本が多数紹介されている。
    私も早速たくさんリストアップした。
    もう読んだ本でもまた新たな視点で読み直すことができそうなものもあり、選書が良いと思う。

    0
    2019年04月13日

    Posted by ブクログ

    最近、読書案内系の本を読むのが多いのですが、本書は世界史の本の紹介に特化した読書案内本。
    ほとんど読んだことが無い本が紹介されているので、時間があれば一冊一冊読んで行きたいと思わされます。

    0
    2015年04月19日

    Posted by ブクログ

    歴史の面白さとは一つには「人間が描かれているから」であり、もう一つには「物事の理が描かれているから」。そして、学んでいて「常識がひっくり返される瞬間」にこそ喜びを感じる。
    また、歴史を学ぶ理由は「すべての歴史は現代史である」から。

    そのように考える、高校の世界史教師たる著者の世界史ブックリスト。
    とにかく世界史を学ぶ楽しさを、生徒に伝えたくてしようがない。
    どうにかして世界史の楽しさを知って好きになってほしい。
    そういう熱意が、文面から(といって落ち着いた文章ですが)ひしひしと伝わってくる。
    だからこそ興味もそそる。

    当然一人の人が作るブックリストなのである種の偏りはあるのかもしれないけど、とにかく虚栄心などない、純粋に良心に満ちた良いブックリストだと思う。

    0
    2014年07月30日

    Posted by ブクログ

    “世界史の本”というと、敬遠する人が多いだろう。

    高校教師である著者が、生徒たちに紹介した本を集めたこの本。
    いわゆる名著といわれるものも含めつつ、在日コリアンを描いた『GO』(金城一紀)や、残留孤児を扱った『大地の子』(山崎豊子)、中世ヨーロッパを舞台にした『薔薇の名前』(ウンベルト・エーコ)などの小説まで含む変わった一風変わったラインナップ。

    ブックガイドというと、ただ単に本の紹介を連ねた書評集のようなものも多い。
    しかしこの本は、ブックガイドという形をとって、世界史とは何か、歴史を学ぶ意味は何なのかを一貫して伝えている。
    ただの本のカタログではない、一冊の本としてまとまった充実作だと思う。

    身近なものには、すべてそこに至る過去があると言うこと。
    それが歴史の面白さであり、醍醐味だということ。
    それを伝えたいという著者の思いがつまっている。

    底なし沼のような歴史の深みに、ズブズブはまり込む第一歩として。

    0
    2010年12月19日

    Posted by ブクログ

    高校教師である著者による、世界史に関するブックガイド。

    ラス・カサスから山室信一さんまで、

    幅広いジャンルの本が魅力的に紹介されます。

    世界史の手引きとしてはもちろん、

    本のまとめ方を学ぶのにもうってつけの一冊です。

    0
    2010年06月28日

    Posted by ブクログ

    まさか著書ご我が母校で教鞭を取っていたとは、とまずは驚いた。自身が世界史に興味を持ったのも高校時代だったので少なからぬ縁を感じた。すべての歴史は現代を生きる我々がよく生きるためにあるというのは本当にそうだと思う。

    0
    2023年03月07日

    Posted by ブクログ

    現役社会高校教師津野田さんが、これを読め歴史本約90冊を紹介してくれます。岩波ジュニア新書勉強になりますねえ。

    0
    2020年11月30日

    Posted by ブクログ

    すっかり大人になってから
    「勉強する」ことは
    ほんとうに 面白い

    十代の多感な若者たちには
    わかるかなぁ…?
    わからねぇだろうなぁ…!

    そして 本書は
    「世界史を学ぶ」に特化して
    「こんな素敵な本がありますよ!」
    という読書案内

    読んできた本も
    まだ 読んでいない本も
    まぁ 魅力あふれる
    「じゃあ もういっぺん!」
    「じゃあ 手に取って!」

    本当に 愉快にさせてもらえる一冊
    ということで
    勉強する って 楽しいよ!

    0
    2020年07月13日

    Posted by ブクログ

    あー、いい先生だなー。これを読んでもなお僕は世界史でまず大切なのは記憶だと思うけれど、それでも書かれている内容自体には深く共感するし、紹介の仕方のうまさには舌を巻く。
    ここに載っている本、かたっぱしから読んでいきたいと思わされた。

    0
    2017年10月07日

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