Posted by ブクログ
2012年10月05日
ストーリーはなんてことないんだけど、リーダビリティがあるというか、続きが自然と気になるというか、ページをめくらされているというか……さくさく読んでしまう。
結局、なんの話だったんだろ?
なぜ積荷が狙われたのかを、さぐるミステリー?
妓館の謎の女の子二人が気になる存在で。
白蓮のほうは、複数の恋人を...続きを読む手玉にとる(が、本命には純情)ダークな部分を持ちつつも、芯のある女性で、少女小説の脇役にはこういう子いるよね、って感じ。
メイファは、世間知らずの田舎娘で、かわいいし。
ってか、フェイは女戦士でカッコいいし。
意外と登場場面が少ない、主人公のリリアちゃんは、かわいらしい正統派主人公で。
女の子キャラがよい、正しい少女小説だなぁ。
リリアちゃんは、ずっとお屋敷にいて、まわりに動いてもらって自分は何もしてないようでいて、実はしっかりものを考えていて、ちゃんとボスしてる。
大事な積荷を預ける場所も考えてるし、お茶会を開くことも自分でする、最終的にパーク卿と渡り合うのはリリアちゃん一人。
(龍之介は、ほったらかしではなく、ちゃんと影から見守っていて、きっちりヒーローの役割を果たしている!)
パーク卿が、単なる悪役でなく、一癖ある人物だが紳士ではあるという書き方が心憎い。
リリアと龍之介の恋心も、ちょいちょい挟んでくるので、彩りになってる。実際、二人が顔を合わせてる場面は少ないけれど。
たくさんのキャラを描き、上海の雑多な雰囲気をかき分け、謎を追わせる作品で、青木祐子さんはさすがの腕前!