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Posted by ブクログ
上野のカフェー〈聚楽〉の仕切りのある小部屋で発見された刺殺体。子爵の麻倉清彬は、第一発見者となり警察に疑われることになった友人をその場限りの嘘を使って助ける。それで関わり合いになくなったかに思われた事件だったが、後日、特高に所属する黒崎が清彬のもとを訪ねてくる。反体制活動の取り締まりが主な仕事の彼らが何故、自分のもとに? 黒崎は事件解決のために協力してほしい、と言ってくるが……。
舞台は昭和八年。軍靴の音が聞こえる時代を背景に起こった殺人事件は、ある人物の逮捕とともに意外な方向へと進んでいきます。そのひとは何故すべてを話さないのか。何を隠そうとしているのか。そして清彬は何に気付いてしまうのか。真実が明らかになるとともに、ずっと信じていた根底が揺らぐとともに、悲しい余韻が心に流れこんできます。読み終わった後、『ロマンス』という題名とエピグラフに添えられたE・M・フォースターの言葉がずしりと胸にのしかかってきました。
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