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犬達の縄張りで思いがけない提案を受けた帰り道。気がつけばヨゴロウザの前には兄貴と慕うさがし猫がいた。彼を連れヨゴロウザのなかの何かが目覚める。そして猫たちの骨太な叙事詩はつながっていく。名作長編・三分冊の中巻。
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Posted by ブクログ
中巻(つなぎの巻)です。な、なんということでしょう! 上巻以上にハードボイルド色が強まり、え、これ児童書だよね? と心配になるほど、物語は思わぬ展開を見せ、さらに深まっていきます。 ヨゴロウザは、偵察目的で犬の縄張りに「片目」と潜入しますが、驚きの展開となります。ヨゴロウザが自らの力で何度も死...続きを読む闘をかいくぐり、血が沸き立つ経験を通して変わっていくのです。「片目」との相棒関係にも亀裂が入ります。 明らかに中巻の肝はヨゴロウザの変容で、本当に凶暴化したのか、無理に自我と戦っているのか…。ヨゴロウザの中のもう1匹の心の声が葛藤として聴こえます。内省的なヨゴロウザゆえに、その変貌ぶりに読み手も怖く苦しく感じて仕方ありません。 さらに、集団と個人の関係やヒエラルキーといった重厚なテーマの基、著者は猫のかぶりものの下に見える人間の闇へ焦点を当てようとしているのでしょうか。だんだん、すごいものを読んでいる気になってきます。 そしてナナツカマツカの丘で、(犬の侵入を防御し、猫の連帯のため)闇堕ちしたような非情なヨゴロウザの恐怖政治が始まります。中巻では、老いや血、死などの生々しい描写が増えた印象で、先が読めないばかりか、強烈に惹きつけられる磁力を感じ、目が離せません。いい意味で読むほどにだんだんヤバくなってくる感じです。 猫たちの叙事詩は最終・下巻へ続きます。
ヨゴロウザがハリガネ率いる犬達と戦い、死線をくぐり抜けた末に得た考えとは、、、。たった1人で、なにもかも背負おうとしているかのような、ヨゴロウザの頑なさやひとりぼっち感が漂う巻。 闘いは激しく表現されて息もつけないが、ヨゴロウザのジレンマや辛さに共感するのは、児童書としては少し難しいかも。
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