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記憶喪失の猫、ヨゴロウザがいきついたのは猫たちが住むナナツカマツカの丘。あまたの敵から身を守るべく、群れない猫をまとめる理想に向かう片目に出会う。そこから猫たちの骨太な叙事詩が始まった。名作長編・三分冊の上巻。
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Posted by ブクログ
本作品は、上野瞭さんの名作長編小説(1982年発行)で、宮部みゆきさんが「児童文学の極北」と紹介しています。1984年に人形劇としてNHKで放送、最近舞台化にもなっているようです。 本書は2023年に発行された三分冊の新装版。3冊並べると1枚の絵が完成する町田尚子さんの装丁画が魅力的です。 ...続きを読むさて上巻(はじまりの巻)です。記憶喪失のヨゴロウザが、猫の集落「ナナツカマツカ」に辿り着くところから始まります。理想を掲げる片目に拾われて相棒となり、勝手気ままに暮らす猫集団のリーダーに祭り上げられていきます。 ヨゴロウザは思慮深く、リーダーは必然だったのか? 仕向けた片目は何者なのか? 記憶喪失の謎も含めてミステリー色や不穏感も感じさせます。 さらに、個性的な猫たちとの哲学的な会話が、簡潔な文体と客観的な描写で奥深く感じられ、とても児童書とは思えません。 なにせ猫だけに、いや猫だけど一匹狼的な輩が大半で、ある意味ハードボイルドタッチな側面も伝わります。そんな中で、縄張りや猫どうしの関係性など、社会性を重視した問題をも掘り下げている気がします。 上野瞭さんの哲学が根幹にある証なのか、思いの外骨太な猫たちの叙事詩です。中巻へ続きます。
推しの町田尚子の絵があるというだけで借りた本。40年ほど前に人形劇としてNHKでテレビ放送されたらしい、児童文学小説の大長編である。 町田尚子の絵を得て蘇ったとある。全3巻の上。 記憶を失った猫、ヨゴロウザを主人公とする大冒険譚というか、妙に哲学的な思考もする猫たちの群像劇であり、面白い。
町田尚子さんの絵が好きなので装丁に惹かれて読んだ。3巻まとめて一枚の絵になるので何度も並べて眺めた。 読みながら登場してくる猫をこれがヨゴロウザだな、これは歌い猫?と確かめながら眺めた。 中央の茶色の猫は初め黄金猫かと思ったけど、さがし猫が正解なのでしょうね
町田さんの表紙に惹かれて、新版を読むことに。上巻は、まだ序盤。はじめ、登場する犬や猫やネズミの名前を覚えきれなくて、物語に入るのに時間がかかった。後半で、物語が動き出し、なにやらたくらみのある感じが、先は先へと読み進ませる。いいところで、次巻へ。主人公のヨゴロウザの記憶は戻らないままで、不安感いっぱ...続きを読むい。 長い物語だけれど、後半まで読み進めることができれば、面白さを感じられると思う。 人形劇で放映されていたし、舞台劇もある。1980年代に出版されている、骨太の物語。 中学生以上
少し中だるみするシーンもあったが、全体的に面白かった。 大人の感性を持った子供の為の、子供の気持ちを持った大人の為の寓話といった感じでしょうか。
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