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【編集者による電子書籍の紹介】
2024年世界大会の優勝者、室屋拓さん(明石モルック倶楽部キャプテン)にお会いして最も驚いたこと。それは、モルックに出会ってたった3年で世界一を掴んだことであった。しかも彼らは2023年の日本大会で準優勝しており、確実に勝ち上がるノウハウを持っていると感じた。
本書「3年で世界一 僕らのモルック最短攻略法」では、著者のノウハウやデータを惜しげもなく公開してくれた。
ところで編集者もモルックをプレーしており、2024年の世界大会にも出場させていただいた。JMAスタッフの皆様、函館のボランティアの皆様、アンバサダーの皆様に、この場をお借りして心から御礼を申し上げたい。以下、本書の読みどころを編集者として紹介したい。
「第1章 明石モルック倶楽部の誕生」では、モルックとの出会い、チーム設立、司令塔P君のスカウトなど、著者が強くなっていく過程を描いている。イベントを初主催する時の工夫や、チーム目標の設定など参考になることも多い。
「第2章 正確な投擲(データ主義)」では、コストパフォーマンス・タイムパフォーマンスのよいモルック上達法を学ぶことができる。明石モルック倶楽部の実際のデータを用いて、データ項目の解説をしており、すぐに真似することができる。
「第3章 投擲技術の磨き方」では、最も優先すべき練習内容を知ることができる。著者はバックハンド(裏投げ)の名人として知られているが、モルックのすべての投擲技術について、著者が体得した投擲のコツを紹介している。
「第4章 基本戦術」では、明石の基本戦術について公開している。「先攻」の真の意味、後攻ゲーム時の戦い方、点差やターン差について、逆転された時の心構えなど、大変参考になる。初心者チームが強豪チームと戦うとあっという間に負けたと感じるが、その理由や対策についても詳しく書いてある。対戦相手がどんなに格上であっても、明石の「泥くさいモルック」なら勝てる可能性がある。
「第5章 迅速な決断(脳の共有)」では、明石モルック倶楽部の真の強さを知ることができる。彼らは技術力の他にも決断力・状況把握力・仮説立案力を磨き、総合力を高めていった。司令塔中心のモルックを実現するための考え方は、実に勉強になる。また、明石のセカンドチームの指導のために、著者が考え出した最新トレーニング手法「脳の共有」についても言及している。
そして本書の最大の目玉は「第6章 世界大会決勝戦」である。決勝戦での実際の試合の流れに沿って、選手たちがどのような気持ちで投擲していたのか、どのような作戦を考えていたのか、著者が懇切丁寧に解説している。明石モルック倶楽部は2ゲーム連敗の後に4ゲーム連勝して優勝をつかんでいる。劣勢の試合をどのように挽回したのか、どのような駆け引きをしかけたのか、すべて記してある。「この投擲で勝負が決まる」という極限の状況で、投擲者はどのような心理なのか、どのようなことを確認しながら素振りをしていたのかを知ることができる。
決勝戦の様子は、日本モルック協会の公式動画チャンネル「JMAのモルック大冒険」で公開されている。モルックは屋外競技だから雨天時は練習ができない。そういう時こそ、本書と動画を見比べながら、モルックの戦い方を学んでいただきたい。動画は技術を学ぶためには最適であるが、モルックの戦略や駆け引きを学ぶには、やはり活字がよい。本書では決勝戦のスコア表も掲載している。
「第7章 世界大会での明石モルック倶楽部」では、コミュニケーションの重要性について書かれている。モルックは社会人プレーヤーも多く、混合チームでの出場も多い。コミュニケーションの難しさを痛感している方も多いはずだ。チームメンバーと真正面からぶつかり合った著者の経験はきっと参考になる。
「最終章 未来への挑戦」では、著者の四つの目標が語られている。一つ目は、世界チャンピオンとしてモルック界へ貢献すること。二つ目は、日本各地の技術向上の応援、地域活性化の応援をすること。三つ目は、次世代を育成すること。四つ目は、モルックを仕事にすることだ。本書執筆の時点で、室屋拓さんは24歳である。編集者として初めて原稿に目を通した際、著者の年齢を意識せずにはいられなかった。なぜなら編集者自身が24歳の頃、自分のことばかり考えており社会貢献など何も考えていなかったからだ。自分自身を反省すると同時に、著者の室屋拓さんを心から応援したいと思った。
モルックを愛する皆様に本書が届くことを願っている。