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だって、近道じゃありませんか。戦後まもない日本で、ブラジルまで直通の穴を掘る前代未聞の新事業が発案された。極秘事業の「広報係」となった鈴木一夫は、計画の前史を調べ、現在まで続く工事の進捗を記録していく。地球の裏の広報係との交流や、事業存続の危機を経て、ついに「穴」が開通したとの報告を受けるが……。奇想天外な発想力で多くの本読みたちを唸らせた、唯一無二のサラリーマン小説。第55回文藝賞受賞作。
この小説は、突拍子もないのに生真面目で、奇妙なのに誠実で、愛おしいけれど残酷な、私にとって忘れ難い物語でした。 村田沙耶香氏
作り込まれたリアリティーと荒唐無稽なファンタジーの狭間を行き来する異空間的小説。 ニシダ氏(ラランド)
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Posted by ブクログ
これはSFなのか、はたまた壮大なコントなのか…
いや、すごいわ。
文章だけみれば、非常に真面目で熱いものがあり一見熱血サラリーマン小説を読んでいるのかと錯覚してしまいます。
しかし根底にあるバカバカしさが常に脳裏を過ぎり、ワタシは一体何を読まされているのだろうと…。
筆者のデビュー作とあるが、文章は非常に巧みで上手。が、その上手さがバカバカしさに一層の拍車をかけているのが余計にタチが悪いなと。
しかし、何はともあれめちゃくちゃオモロいです。
人を選ぶ小説だとは思いますが、普通の読書に飽きた方はぜひ一読あれ。唯一無二の読後感を味わえます。
未曾有の読書体験をさせてくれた本書に感謝感謝。
Posted by ブクログ
奇想天外のお仕事小説。おバカ計画「日本ーブラジル間をつなぐ穴」のプロジェクトに挑む大人たち。「そんなん無理って小学生でもわかるやん!」なのだけれど、もし実現したらという世界線を極めて冷静に真摯に描き切ったのがこの作品。
裏金とも言える予算をつけてもらい、極秘プロジェクトとして進められる計画。その広報係として、真面目に仕事に向き合う主人公・鈴木。
極秘プロジェクトの広報係というのがポイントで、世間に発表できることが何もない。自分は果たして必要なのか。広報にすら知らされない進捗状況に頭を悩ませながら、穴まわりで起こる出来事や出会いを日記という形で文字に残し続ける。果たして勤勉だと言えるのか、仕事というものに向き合う姿勢を問う小説でもある。
戦後から現代へ続く壮大な物語だった。
あらすじ。
戦後、新橋の闇市で酒を飲んでいた山本。戦争から生き残った自分には「なさねばならぬことがあるはずだ」という使命に駆られている。焼き鳥を食べながら思いついたのは、串に貫かれた肉のように「日本からブラジルまで穴を貫通させる」ということ。理由は近道だから。ブラジル側からのOKの返事、幾度も運輸省で行われた会議を通して、極秘プロジェクトとして事業化が決定したのは山本が亡くなった二ヶ月後だった。
主人公は、新卒すぐ極秘プロジェクトの広報係としてアサインされた鈴木一夫。本作は彼の生涯をかけた長いプロジェクトの広報係に選ばれる。それから計画の前史を調べ、現在まで続く工事の進捗を記録していく。ついに「穴」が開通したとの報告を受けるが……。
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小説・文芸
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