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ChatGPTを初めとする生成AIの登場により、その万能性が人間への脅威としても論じられているが、現在のAIは決して万能ではない。AIに何ができ、何ができないかを理解しないことには、正しく恐れることもできない。人工知能研究の専門家が、AIの「現在の限界」をわかりやすく解説し、その先にある「次世代AIの可能性」を探る。
【目次】
第1章 AI開発の歴史は未来のためにある
第2章 生成AIには何ができ、何ができないか
第3章 AIは経済の浮揚に寄与するのか
第4章 AIを使うか、AIに使われるか
第5章 社会が生成AIを受け入れるための課題
第6章 人とAIの共生
第7章 AIのスケール化と日本の未来
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
最新(2024年後半)のAIの可能性を知りたい人におすすめ。
【概要】
●AIの歴史
●生成AIにできることと、できないこと
●AIに使うか、使われるか
●AIとの共生
【感想】
●AIの歴史について一連の事項を復習できる。
●人工知能学会の会長の発言として、人にITリテラシーは不要だという記述には驚いた。なぜなら経済産業省やJDLAの考えに同意して、ITリテラシーだけは持っておかないといけないと自分は思っていたからである。
●AIに使われないようにするために何が必要なのかを頭の中を整理することができた。そして、AIを利活用(共生)していくためには、人のマインドセットが重要だということを理解できた。
Posted by ブクログ
「AIにはできない」というタイトルだけど、AI時代にAIに奪われない仕事はこれだ!みたいな内容ではない。
むしろ、AIの現状と展望を学術的に分析・解説して、今やAIは人間の道具から自律型にシフトしている。今後はさらに進化するAIと共存して、AIの提案に耳を傾けて、よりよい人間社会を築いていこうっていうのが本旨。
人工知能の工学のみならず、生物学、心理学などの知見も交えて非常にわかりやすく、説得的に書かれている。個人的には、最後通牒ゲームによるAIの限界や、スケールによる「創発」、スケールの個人レベルと社会レベルの関係などの話が面白かった。日本の抱える教育政策、AIをめぐる法規制の課題や、SNSの弊害など、著者の鋭い指摘も示唆に富む。
本書の初版が出てから1年以上経つ。もしかしたらもうここに書かれているAIに関するいくつかは時代遅れかもしれない…そんなAIの進化のすごさも改めて実感できる一冊。
Posted by ブクログ
これからの生活や仕事の在り方を大きく変える可能性があるAIについて、何ができて何ができないのか、知りたいと思い手に取った。
現状、AIにとって得意なことは、与えられた指示があり、目的が明確であることであり、人間からの指示の元で動くことが前提であるようだ。一方、5感を使って考えたり創造したり、人の気持ちに共感したり、自律的に動くことはまだまだ苦手な領域と書かれていた。ただ、これらの苦手なことは、現状では苦手なことであるが、将来的には克服される可能性が高いとのこと。AIが自律的に目的や課題意識を持って動き始めると、いよいよ人間がAIを使うのではなく、AIが人間を使う側になる気がしてならなかった。筆者は、知能の進化という観点から見ると、今までは人間が知能の進化に大きく貢献してきたが、これからはAIが知能の進化に貢献するだけで、知能の進化が続くだけである、と述べている。そのような世界になったとき、人間の生活は、仕事はどうなるのか?結局こういった話はあくまでも予想であり、誰にも分からないのだから、目の前のことを頑張ろう、、と元も子もない感想をもった。
Posted by ブクログ
なぜ孫正義さんは壁打ちにAIを使うのか?
世界的大企業の社長なら、
日本最高峰の人間知能を使えるはずなのに。
なのになぜAIを壁打ち相手にするのか。
それはたぶん「AIにしかできない」ことがあるから。
それが「速いシステム2思考」だ。
システム2とは、論理を一歩一歩たどってゆっくり答えにたどりつこうとする論理的思考のことだが、AIはこれが高速でできる。
だから、システム2を使う相談とか壁打ちなんかの問題解決的対話はAIの超得意分野になっているんだろう。まさにAIにしかできない領域だ。
逆に言えばシステム1の直観的思考はまだ人間に残されているのかな。五感に当たるインプットがまだAIは整ってないので今はまだ人間の領域だけど、そのうち思考の全領域を開け渡すことになるんだろうな。飛脚が電子メールになるくらい、次元の違う知性が生まれるかもしれない
Posted by ブクログ
本書の中では最も「遠い将来」について語っている「第7章 AIのスケール化と日本の未来」が面白かった。
「量がスケールする(指数関数的に増加する)ことで、そこから生み出される質が大きく変化する現象自体は珍しいことではない。」「[細胞が]超多数集合して臓器を組織した途端、個々の細胞が持ち得ない臓器としての能力」が現れるというのがLLM(大規模言語モデル)になぞらえられている。
この辺の「スケール」概念の話が面白かった。
まあ「組織のためには構成要素を犠牲にする」ことに抵抗感がない口振りなのはマッドサイエンティストを思わせるところがあるけれど。
第6章までは退屈で、半ば義務的に読んでいた。
その中にあっても、生成AIの発展は、行動経済学(ダニエル・カーネマン)でいうところの「システム1(脊髄反射的な思考)」を極めることで、「システム2(熟慮する思考)」を必要とせずに思考の精度を高めたという説明は興味深かった。
これも「スケール」の話と通じるのか。
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