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家族になるのか、家族であるのか。
左右様と共にイワンと交戦したユル。両親の首を刎ねたと言うイワンの挑発に耐えて戦うも、善戦むなしくイワンを取り逃がしてしまう。一方、アスマは新郷に騒動の黒幕を問うが、そこにイワンが現れ、新郷は殺されてしまった。陰陽の空間で、偽アサの本当の名と過去を聞いたユルは、両親と普通に笑って暮らすという夢をアサと共有し――。家族になるのか、家族であるのか。問い臨むツガイバトル、第8巻!!
(C)2024 Hiromu Arakawa
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山奥の自然に囲まれた村で暮らす少年ユル。
ユルには誰よりも大切にしているアサという双子の妹がいましたが、彼女はお努めと称して座敷牢のような場所で限られた人としか会うことが許されない存在でした。
そんな彼らが暮らす村は下界(村の外)から隔離されており、左右様という神が祀られ、移動は馬だったり近代文明とは縁がなさそうな平和な場所でした。
しかし、突然その平和は打ち破られます。
空にヘリコプターが現れ、銃を持った人間や謎の能力を持った少女が襲ってきたのです。
下界との調整役であるデラに助けられたユルは、自分自身の運命を知ってゆくことになるのですが…。
『鋼の錬金術師』『銀の匙 Silver Spoon』の荒川弘先生最新作!ということで、誰しも期待値が高くなるかと思いますが、その期待を裏切らない面白さになっています!!
今回注目していただきたい面白ポイントを3つ挙げさせていただきます。
・衝撃の時代設定
時代物のような舞台設定だと思って読み進めたのですが、敵の襲来によって突然現代の物語であると解った瞬間に、そうくる!?とテンションがアガりました。
冒頭、ユルが空に引かれた雲の線を「竜の屁」と言い、結界が破られる直前にユル達が「姿の見えない竜」について話しているのですが、恐らくは飛行機のことをそう呼んでいたのだと推測できます。
物語の冒頭で、既に彼らが隔離された世界で生きておりそのすぐ隣には現代都市が存在していたことを示唆しているのには、物語の緻密な設定を感じさせます。
・ハードな展開にコミカルなノリ
荒川先生の作品といえば、随所に散りばめられたキャラクターのノリの良さやボケですよね!
1巻の前半からから、村人が襲撃者に次々と殺されていくというかなりハードな展開になるのでになるのでではありますが、ユルやデラさんのやりとりに思わず笑ってしまいます。
ガブちゃんも敵キャラではありますが、コミカルなノリで憎めないキャラクターとなっています。
登場するどのキャラクターも個性的で生き生きとしており魅力的なところは「流石、荒川先生!!」と言うしかありません。
・物語のスピード感
「東の村で夜と昼が等しい日に、日の出を境に男女の双子が生まれた時、世が割れる」
という言い伝えから、「ツガイ」と呼ばれる存在の使役、敵対する一族と支援者など、色々なワクワク要素が出てきており、1巻だけでも次から次へと舞台が移って怒涛の展開となっています。
ですが、これから更に物語が膨らみ面白くなっていくであろうと予感させる展開ではありますが、まだわからないことだらけです。
最初からフルスロットルのトップスピードのため「何が起きているの!?」と思っている内に世界観に引きずり込まれてしまうのです。
「荒川先生、やっぱり凄い…!!」と誰しもが感じる物語、今後の展開に期待が膨らみます!!
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