複眼人

複眼人

2,420円 (税込)

12pt

ある日突然、台湾に巨大な塊が押し寄せた。それは人間が捨てた「ゴミの島」だった――。夫と息子を失い絶望する大学教師と、言葉を解さぬ島の少年の出会いを軸に、多元的視点と圧倒的スケールで描く幻想小説。

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複眼人 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年08月23日

    呉明益の小説は、『歩道橋の魔術師』『自転車泥棒』を読み、これで3冊目。今まで読んだ2冊が、中華商場や、第二次大戦といった、台湾の歴史的な記憶を拠り所にした物語だったのに対して、『複眼人』は、ファンタジー要素が強く、印象がかなり違う作品だった。

    世界中の人間が捨てたゴミが太平洋沖に集まってできた「ゴ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年01月03日

    海に浮かぶワヨワヨ島、迫り来るゴミの島、クジラ、台湾の先住民族、娘と母、娘と父、猫、母と息子、地震と津波、小説、山、森、海。

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    Posted by ブクログ 2021年10月05日

    『人生というものは、自分の考えを挟むことは許されず、ほとんどは否応なしに受け入れるしかない。オーナーの独断で料理が決まるレストランで食事をするようなものなのだ』

    「歩道橋の魔術師」や「自転車泥棒」の郷愁漂う趣とはかなり異なる味わいの物語に少し驚く。現実に仮想を投映した文明批評という印象に先ず染まる...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年06月28日

    10年前に書かれた世界がだんだん近づいてくるような、そんな近未来。にぷっかり浮かぶ小さな島ワヨワヨ島。島の神話の掟、次男は旅に出るに従ってアトレは海へ。台湾では夫と息子を探すアリスがゴミの島、渦の到来と破壊の中で、二人の世界が交差する。
    環境破壊、アザラシや鯨の乱獲などの問題の他先住民の魂の拠り所、...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年06月01日

    台湾の歴史とか知っていると尚更興味深い一冊。
    村上春樹が好きな人なら、ちょっといい感じの印象を持つかも。

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    Posted by ブクログ 2023年01月30日

    前半、各登場人物たちの来し方が静かに語られる。さざなみ、ゴミを運んできた大波と共に物語が動きだす。アリス、アトレの出会い。アトレはアリスにとって夫、子の影である。自然との出会い。文字の世界(トト)からの解放。自然の子、海に帰る。
    アトレ、アリスは色々意味で現実の環境問題から切り離されている、または意...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年10月27日

    全体的に孤独と悲哀に満ちたイメージ。傷つきながらも前に進む人々。人類の愚かさと叡智を併記しつつ、自然破壊への警鐘を鳴らしていて、それが押しつけがましくない。静かに心に沁みる。複眼人にはきっと、様々な生命の記憶が映って見えているのだろうな。

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    Posted by ブクログ 2021年07月01日

    幻想小説という説明だったのでそのつもりで読み始めたのだが、読み進めるうちに事実に基づいた部分も多いことが分かってきた。
    いちばん幻想っぽい要素である「ゴミの島」は実在しており、過去には国連認定を受けるためのキャンペーンなども行われていたようだ。
    地図でその位置を見てみると(作中では台湾だったが)位置...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年06月20日

    太平洋の渦で集まってきたゴミが島となり、台湾の海岸に激突するところが怖かった。でもそこから、海沿いでで生きる人々の魂の救済が始まるのがとても良い!

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    Posted by ブクログ 2021年06月08日

    ゴミでできた島が存在することを知らなかった。日々生み出す廃棄物に少しでも目を向けてみれば、それらの行き着くひとつの帰結が「海に浮かぶゴミの島」だと判るのは簡単だろうに、想像したことがなかった。怠慢だと思う。きっとこうした怠慢が無数にあり、その危うい土台の上に自分の生活が乗っかっている。小説は娯楽だが...続きを読む

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