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一九九一年の金学順さんの告発に衝撃をうけた著者は関係文書を丹念に収集分析し,九五年刊行の『従軍慰安婦』で「慰安婦制度」の主体が軍であったことを明らかにした.しかし「軍慰安婦」たちの苦難を否定する声は今も後を絶たない.前著刊行後明らかになった多数の資料や証言も用い,あらためてその全体像と実態を描き出す.
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Posted by ブクログ
従軍慰安婦の新版である。旧版とどのように違っているかはよくわからないが、新しい知見としての日本軍の接触的関与の資料が出てきたことと、安倍政権での10億円の支払いでちゃらにされたことが書かれている。 学生が海外に出ていくときには、この日本軍慰安婦が必ず話として持ち出されるので、その基礎的知識として、...続きを読むこの本の内容は理解しておくべきであろう。
1991年の慰安婦被害者である金学順(キムハクスン)さんの実名告発に衝撃を受けた著者は、関係文書を丹念に収集分析し、岩波新書「従軍慰安婦(1995年発行)」で「慰安婦制度」の主体が日本軍であったことを明らかにした。しかし、「日本軍慰安婦(従軍に等しい扱いを受けた慰安婦)」たちの苦難を否定する声は後...続きを読むを絶たない。自らが産業慰安婦として働いたのであって、日本軍の責任はないとする。しかし、前作から30年の時を経て、新資料やエゴドキュメントを通して、本書の研究成果は、軍官産民が一体となって慰安婦制度を持続させ、女性の性奴隷を継続していたことを明確にする。また、本書では「慰安婦制度の強制連行」はなかったとする秦邦彦氏に対する反証を繰り返し行っている点も重要な特徴と言える。戦時性暴力や慰安婦制度で苦しめられた女性たちに哀悼の意を表し、「慰安婦」に関する事実を若い方々こそ読んで、理解を深めてほしい。
世間で(主にネット上で)よく見かける、慰安婦の強制連行はなかった、慰安婦は自由意志によるものだ、元慰安婦による証言は虚偽だなどという主張に対しても、軍・官憲の主導・関与を示す一次史料や多数の証言を取り上げて明確に反論している。
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