エンタメ関連は信頼している雑誌編集者がお勧めしていた本。
韓国に引っ越した中国系アメリカ人の作者が韓国で感じた美容に対するそして社会が女性に対して求めている高すぎる「美」のハードルを文化的そして歴史的な背景を入れながら説明している本。
韓国ではもともと儒教の教えで女性は年配の方を尊敬し、夫に仕え、子どもに時間を割くことが求められていたため屋内にいるシミのない白い肌の女性が理想とされていた。そして戦時中に慰安婦はアメリカ人好みに合わせて目が大きい方が良しとされた時代背景があったため美白+二重まぶたが理想となっている。
また90年代にIMF危機という大打撃を受けた韓国では経済を立て直す必要になってしまい、ソフトパワー戦略でモノではなく韓国の魅力が出せるものに投資していくことを実行。ポップカルチャーやエンタメに後押しすることになり、K-pop が全世界で浸透させることに成功。それに合わせて韓国コスメやスキンケアも売り上げを伸ばしていっている。
日本でも薬局などで韓国コスメセクションがあったり、前よりも確実にブランドの数が増えているのを見ると大成功をしたと感じる。そして韓国美容を語る上ではアモーレパシフィックというのは外せないんだなと思った。
もともと学歴や仕事においてランキングなどで競わせるイメージの強い文化なのでその中で成功していくために女性はこうでないといけないというプレッシャーもすごい。そして手軽に整形できるので頭から足の先までなんらかの施術があり、さらに女性のデリケートゾーン(どやって?) も含まれていることが1番な衝撃だった。
表紙やタイトルからはポップな美容エッセイに見えてしまうが、もともと英語のタイトルはFlawless: Lessons in Looks and Culture from the K-Beauty Capital というざっくり訳すと『韓国美容から学ぶ「完璧」に関する見た目や文化について』といたって真面目なタイトルなので日本人を勘違いさせるなとあまり納得していない…日本で宣伝している韓国ドラマのポスターと同じ手法だなと。
今思いつくだけでもハイフ、リジュラン、ポテンツア、インモード、、などなどたくさんの施術が普通に行われていて近年では本当に日本でも普通にいろんな人(主にインフルエンサー)が受けているところをよく見かけている。
結局どのように「美」と向き合うべきかすごく考えさせられた。