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イタリア、シリア、ポルトガル、アメリカ…世界を移動する漫画家が「小さくて大きな存在」について余すことなく綴る。NHK「ネコメンタリー」からスピンオフ! 著者初の猫エッセイ。
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Posted by ブクログ
ヤマザキマリさん、生き方や考え方がかっこいいよなあと。旦那さんや息子さんとの距離感も素敵。 息子さんが撮った猫の写真がめちゃくちゃ魅力的。猫いいなあ。
ヤマザキマリ、と言えば「テルマエロマエ」 漫画家、と言うイメージが強い。 物の見え方、感じ方、考え方が地球レベル。 とにかく、広くて大きい。 しかし、子供の頃から虫が好きで、その生態をじっと観察するのが大好きで、繊細でもある。 本書の中で、よくホモサピエンスという言い方をしているけど、ポルトガル...続きを読む、エジプト、シリア、イタリア、などなど生活者目線で、面白いエピソードと共に、各国の人々の特徴が書かれている。 育った実家でも、イタリアでも、現在も、ずっと猫が一緒。 家族とは別々に暮らしていても、猫がいないと無理、らしい。 14歳で初めてドイツフランスへ一人旅。 それがきっかけで、イタリアへ単身留学。 もう、それだけで感心してしまう。 すべて自分の責任で生きている。 愚痴は言わず、言いたい事主張したい事はその場で話し合う。 欧米人の率直さを持ち、しかも繊細な優しやも兼ね備え、「ヤマザキマリ」は素敵だな、と思う。
他者をどれくらい慮れるか、 それが人間であろうと動物であろうと、 つまり利他性こそが人間という生体の成熟を意味するんじゃないだろうか ヤマザキマリさんの 夫、ベッピーノさんの言葉だ。 シリアでロバの死骸が路上に放置されていたのを見て、呟いたそうだ。 荷物を運べなくなったから 捨てる。人間の役に...続きを読むたたなくなったから。 そんなの、間違った考えなのは明白なんだけど、 そこで猫と自分の関係について 思いを馳せるのが ヤマザキマリさんだ。 自分の心が満たされるから猫と暮らしてきたんじゃないのか、と。 猫と暮らすことは、 古くから世界中の人々が してきたことだ。 暮らしてみると、 猫が与えてくれる 愛情を 誰もが感じるはずだ。 それは 愛らしい目で見つめてくるとか、 ゴロゴロすり寄ってくるとか、 膝に乗ってくるとか、 わかりやすい形ばかりではなくて、 人の心を見透かしたような 鋭い目線だったり、 本能のままに必死に獲物を追ってる姿だったり、 たかが猫じゃらしに、 真剣にとっかかってきたり、 様々な表情や動きで 愛さずにはいられない対象となる。 存在そのものが 愛に溢れている。 世界中どの場所でも どの猫でも 猫がいれば、そこが我が家。 そこに愛が生まれるからに違いない。 有無を言わせずに。 無条件に。
今まで読んだ著者のエッセイでは猫のことはあまりフィーチャーされていなかったので、こちらでたくさん出てきて嬉しい。掲載されているベンガル猫のベルムの写真は著者自身と息子さんのデルスさんによるもの。 「猫エッセイ」と言うには収まらない、色々と心に残る言葉がある一冊だった。 ハワイ、行ってみたいなあ。。。...続きを読む 「猫の行動をうっとりした思いで見つめてしまうのは、本能とそして生きるのに最低限必要なインテリジェンスのみでシンプルかつ優雅に生きているように思えるからだ」 「精神性を備えた生き物である人間はお腹をいっぱいにするだけでは必ずしも充足しない。知性や教養という名の栄養を頭にも行き渡らせなければ人間はダメになってしまう。」 「芸術はメンタルにとっての重要な栄養素であり、人間はそれをわかっているから表現を続け、そうしたものを残す美術館のようなものを建てるのだ。(中略)表現は精神に対する第一次産業であり、美術館やコンサートホールは、人間にとってなくてはならない精神面への栄養の補給所なのだ」 「孤独とは自由の一形態だ。自由を求める人は孤独になる。要するに、何かに縋ったり帰属したりして生きることへの抗いだ。だからこそ、社会において孤独は人間にとっての闇であり、否定的なものとして捉えられてきたのではないだろうか。」 「人生には予定調和がないように、人間にも予定調和はない。自分が知る事物に対して恒常性を求めるのは怠惰のあらわれであり、私たちは想定外の出来事が発生してもそれを受け入れていく準備を常に胸の奥でしておくべきなのだ」 「他者をどれくらい慮れるか、それが人間であろうと動物であろうと、つまり利他性こそが人間という生体の成熟を意味するんじゃないだろうか」
猫と共に生きる生活について語られているけれど、ただ猫の可愛さが語られて終わるのではなく、ヤマザキさんの信念やバイタリティが感じられるエピソードが多数あり、想像以上に深かった。 「日々の威圧感から解き放ってくれるのが猫だ。ベレンの小さい体には、余計なことを考えずに命を懸命に生きている膨大なエネルギー...続きを読むが籠っている。」 のフレーズに激しく共感。 猫と暮らしていると、猫たちは生きることにまっすぐでいつだってシンプル、あれこれ思い悩んでいるとはっとさせられることも多い。 そんな気持ちがこのパートで的確に表現されていてすごく納得した。
いつも傍らにペット(今はベンガル猫のベレン)がいる人生なんだね。うらやましい。 もちろんそれだけ別れがあったわけだけど。 とにかく著者の母上が破天荒こうすぎてこの母親あってこの娘(著者)ありって感じ。 14歳のまだ子どもを本物を見てきなさいと1年間、イタリアに単身で留学させるってすごい勇気と覚悟だよ...続きを読む。 貧乏暮らしもしたみたいだけど、とにかくいろんな体験と経験をして結婚、離婚、結婚して(今はイタリア(夫)と別居婚)最初の夫との息子(デルス、著者の近所にひとり暮らし)ももうけて著者が今、ベレンとふたり?暮らし。 写真も豊富に載っていて(ベレンの)どれもみんな可愛い。 カメラマンは息子さんのデルス氏。センスいいわぁ。
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