ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
2pt
「大体みんな、三、四歳の時から一日平均六、七時間はピアノを弾いているのだ。たった一曲を弾くのに、例えばラフマニノフの「ピアノ協奏曲第三番」では、私自ら半日かかって数えたところでは、二万八千七百三十六個のオタマジャクシを、頭と体で覚えて弾くのである。(中略)すべてが大袈裟で、極端で、間が抜けていて、どこかおかしくて、しかもやたらと真面目なのは、当り前のことではないだろうか。そしてここでも類は友を呼び、蛮族の周りには蛮族が集まる……」(本文より)
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
刊行当時読みそこなっていたのを古本屋で発見。100円で大満足。 昔は演奏のギャラがコンサートの合間の休み時間に払われるのが普通で(最初に渡すと演奏家が逃げ出すし、最後に渡すと興行主が持ち逃げする)、最近までスペインなどでその風習があったそう。そのため燕尾服のポケットは特別に大きく作ってあった。ヨー・...続きを読むヨー・マはお辞儀をしたとたんそこから札束がステージに広がり落ちてしまい、大喝采を受けたそうな。 その他、日本の洋楽黎明期に不幸な生涯をたどった久野久の話などの合間に、面白いエピソードも。見かけたら是非。
多くのピアニスト達のエピソードを、 素晴らしい文章で楽しく読ませてくれるエッセー。 ホロビッツ、ラスマニノフ等の、 巨匠達のエピソードも、 興味深く読んだが、 幸田延(幸田露伴の妹)、久野久の師弟の件は、 ぐっと胸にくるものがある。 明治時代に、しかも女性で、 未知の西洋音楽、ピアノという名の楽器...続きを読む。 先達に感謝したい。
すごくすごく面白い! ピアノ好きな方は必読。冒頭のホロヴィッツの話がいきなり面白くて、文章のうまさにも圧倒された。続いて日本最初のピアニスト、幸田延さんの話も強烈で引き込まれる。彼女は幸田露伴の妹。初の純国産ピアニスト久野久の悲劇は胸に迫るものがあった。ピアニストという蛮族がいる。うん、実に納得。ユ...続きを読むーモアがあってしっかりとしたちょっと硬質な文章も素晴らしい。超一級の読み物です。
ホロヴィッツやミケランジェリといったピアニストの逸話から、日本最初のピアニストといわれる久野久の逸話まで。面白かったです。
-社会がどう変わろうと、誰がなんと言おうと、私たちピアニストという蛮族はラクダのように悠々と進んでいく。人生という貴重な限られた時間のなかで、ときに時代錯誤と見えるほど莫大な時間を浪費していると思われようとも、私たちピアニストという蛮族はラクダのように悠々と進んでいく- 日本における西欧音楽創生期...続きを読む、幸田延(幸田露伴とは兄妹)、久野久といった女性の人生を、天才少女と謳われショパンコンクールで日本人初の上位入賞を果たしたピアニスト中村紘子ならではの視点で語っていく。そのほか、ラフマニノフ、ホロヴィッツなどの巨匠たちの「いっちゃっている」様子の短編もあり、面白い。クラッシック関連のスノッブな場での会話の予備知識としてもっていてもよいし、普段の無駄話で、話したら面白いなーというエピソードも満載だし、誰にでも楽しめる一冊。東北地方の小さな町で演奏した際、拍手が少ないのに怒り、舞台から静かな客席に向かって一言「ブタに真珠よ」と言ってしまったという日本のピアニストの話は笑った。
コンチェルトを演奏しない理由として、「オーケストラは邪魔だから」(ホロヴィッツ)と言ったという”蛮族”になんとなく親しみを覚えます。1日に何時間も練習に費やし、しかも演奏家としての寿命も長いので社会から断絶してしまい常識外れで頓珍漢な人が多いという話も、本家がそう言うのだからそうなのかな〜と思うし。...続きを読む24歳で本格的にツェルニーから習い始めたというパデレフスキーに特徴的なように、人間大抵のことは努力すれば出来るんですね。1日に17時間も弾けばそりゃ上手くなるよ(笑)そんなに練習できてしまうというのがそもそも”蛮族”の素質なのかもしれないなぁ。
このころの私の知っている中村紘子さんは、カレーのCMに出ている人、というものだったので、ショパンコンクールの審査員をしているなんて半信半疑でした。
2016年に亡くなった著者の「変わり者」「数奇な運命」「天は二物を与えた」ピアニストたちの魅力的な群像に迫る好エッセイ。 まず、ピアノは基本的に男性が弾くことを前提に発展してきた楽器という歴史をもちながら、今なお世界で行われているピアノコンテストは他のスポーツ競技のような男女別ではないという指摘(P...続きを読む285)は目から鱗でした。(もちろん、後段で、女性にしか弾けない繊細さもある点にも言及しています) そして、明治初期に日本人ピアニストの歴史をリードしたのが、男性ではなく女性だったことは、楽器演奏なんて女の道楽だという時代背景と無関係ではなさそうです。 未だ男尊女卑という風潮が強く残っていた当時に、女性がピアノを教えて高給を取る(音楽学校の教授として)こと自体が嫉妬と羨望の眼差しで、決して暖かく迎え入れられたわけではなかったのでしょう。 さらに、やっと西洋の文明開化の音がし始めたころですので、洋楽器であるピアノが本来どんな弾き方をしてどんな音色を出すのかという最高のお手本がないまま、ほとんど独学(海外からピアノの先生を招きましたが二流でした)と激しい練習のみで物にせざるを得ません。 特に、初めてヨーロッパにわたって自身の努力が報われなかったと悟り、投身自殺した久野久は、15歳でピアノをはじめるという晩学を血のにじむ努力だけで補ってきただけに、その努力がまるで意味がなかったことを認めることは自分の人生を全否定された心境だったのでしょう。 そして、天が二物を与えたアイリーン・ジョイス(美貌で女優になった)、パデレフスキー(カリスマ性でポーランド首相になった)の話も面白かった。 性豪でもあったバッハ、ホロビッツやラフマニノフの奇行、天才児としてデビューしながら消えていった人たちなどの様々なエピソードを交えて、飽きさせません。 お買い得の1冊です。
中村紘子さんが亡くなられたのがきっかけで、本書を手に取った。中村さん自身の蛮族としての自伝と思ったが、過去の著名なピアニストたちの蛮族としての生涯を紹介したものだった。ホロヴィッツ、ルービンシュタイン、ラフマニノフ等々。文章は簡明簡潔。知らないことばかりで面白いが、途中で少し飽きてきて中断(69ペー...続きを読むジ)。
日本初の女性ピアニスト久野久の苛烈な運命。ポーランドの英雄となったピアニスト。ある元ピアニストの物語。とにかくピアニストという呼称を得た人々を、共感しながらもどこか冷静に描いている。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
ピアニストという蛮族がいる
新刊情報をお知らせします。
中村紘子
フォロー機能について
「文春文庫」の最新刊一覧へ
「エッセイ・紀行」無料一覧へ
「エッセイ・紀行」ランキングの一覧へ
ピアニストだって冒険する(新潮文庫)
「中村紘子」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲ピアニストという蛮族がいる ページトップヘ