シグマフォース シリーズ⑮ ウイルスの暗躍 上

シグマフォース シリーズ⑮ ウイルスの暗躍 上

生命を進化させた〝謎のウイルス〟が
いま――人類に終末をもたらす……

ベストセラー・シリーズ最新作!

この本はパンデミック小説ではない。だが、それよりもはるかに恐ろしい。
なぜか? その理由は、私が科学者たちから聞いたある警告にある。
〝ウイルスは、自然界に存在するものも、我々の体内に存在するものも、どちらも我々を変化させ、進化させてきたが、それを終えたわけではない。今も、その作業を続けている〟
――ジェームズ・ロリンズ


◉科学的事実から──人類の進化の歴史と密接に絡み合うウイルスについて
本書はウイルスの不思議な生態について――特に感染を引き起こすこの微小な構造体が、目には見えない広大なネットワークで地球上のあらゆる生命体を結びつけていることについて、深く掘り下げている。私がこの物語を書こうと思い立ったのは、「コロナウイルス」が現在の我々の時代精神の一部になるよりも、COVID-19が世界的なパンデミックとして拡散するよりも、ずっと前のことだった。感染症が世界を席巻している中で、この小説を完成させるべきなのだろうかと自問した。現実の世界がどんなフィクションの作品よりもはるかに恐ろしい(そして悲痛な)状況にある中で、致死性のウイルスについての物語を執筆するのは不遜の極みなのではないか、そう感じたのだ。しかも、この時期にそのような題材に取り組み、世界中が苦しみにあえいでいる中で疫病についてのフィクションをエンターテインメントの材料にしようとするのは、無神経なのではないかとも思った。読者の皆さんは本書を手にしているので、私の熟考がどのような結論に至ったのかはおわかりだろう。なぜこのような判断を下したのか? まず、私は以前の小説(『ダーウィンの警告』『モーセの災い』)でもパンデミックの脅威を扱った。本書の狙いは過去の作品と同じではない。この物語の着想は疫病そのものを扱おうというのではなく、その起源を――ウイルスの奇妙な生態をより深く見ていこうというものだった。それは読者にとって関心の高い題材なのではないかと思った――今だからこそ、取り組むべき重要なテーマと言えるかもしれない。


〈上巻・あらすじ〉
アフリカのコンゴ民主共和国のジャングルで奇病が発生、患者は無気力で無反応になる一方、感染した動物は攻撃的になり、人間を襲うという。調査のためアフリカに飛んだグレイ・ピアース隊長率いるシグマフォースの隊員たちは、謎の感染症の調査と、患者が発生した国連の支援キャンプから拉致された医師の捜索に当たる。だが、同じ一味と思われるグループに仲間を奪われてしまう。グレイはタッカー・ウェイン大尉と軍用犬ケインに医師たちの捜索を任せ、自分たちは感染症の原因となるウイルスの発生源とその治療法を探す。鍵を握るのはキリスト教の宣教師だったウィリアム・シェパード牧師と、伝説の「骨の王国」……しかし、この感染症を権力の拡大に利用しようと画策する人物がいた。

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シグマフォース シリーズ⑮ ウイルスの暗躍 のシリーズ作品

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  • シグマフォース シリーズ⑮ ウイルスの暗躍 上
    990円 (税込)
    生命を進化させた〝謎のウイルス〟が いま――人類に終末をもたらす…… ベストセラー・シリーズ最新作! この本はパンデミック小説ではない。だが、それよりもはるかに恐ろしい。 なぜか? その理由は、私が科学者たちから聞いたある警告にある。 〝ウイルスは、自然界に存在するものも、我々の体内に存在するものも、どちらも我々を変化させ、進化させてきたが、それを終えたわけではない。今も、その作業を続けている〟 ――ジェームズ・ロリンズ ◉科学的事実から──人類の進化の歴史と密接に絡み合うウイルスについて 本書はウイルスの不思議な生態について――特に感染を引き起こすこの微小な構造体が、目には見えない広大なネットワークで地球上のあらゆる生命体を結びつけていることについて、深く掘り下げている。私がこの物語を書こうと思い立ったのは、「コロナウイルス」が現在の我々の時代精神の一部になるよりも、COVID-19が世界的なパンデミックとして拡散するよりも、ずっと前のことだった。感染症が世界を席巻している中で、この小説を完成させるべきなのだろうかと自問した。現実の世界がどんなフィクションの作品よりもはるかに恐ろしい(そして悲痛な)状況にある中で、致死性のウイルスについての物語を執筆するのは不遜の極みなのではないか、そう感じたのだ。しかも、この時期にそのような題材に取り組み、世界中が苦しみにあえいでいる中で疫病についてのフィクションをエンターテインメントの材料にしようとするのは、無神経なのではないかとも思った。読者の皆さんは本書を手にしているので、私の熟考がどのような結論に至ったのかはおわかりだろう。なぜこのような判断を下したのか? まず、私は以前の小説(『ダーウィンの警告』『モーセの災い』)でもパンデミックの脅威を扱った。本書の狙いは過去の作品と同じではない。この物語の着想は疫病そのものを扱おうというのではなく、その起源を――ウイルスの奇妙な生態をより深く見ていこうというものだった。それは読者にとって関心の高い題材なのではないかと思った――今だからこそ、取り組むべき重要なテーマと言えるかもしれない。 〈上巻・あらすじ〉 アフリカのコンゴ民主共和国のジャングルで奇病が発生、患者は無気力で無反応になる一方、感染した動物は攻撃的になり、人間を襲うという。調査のためアフリカに飛んだグレイ・ピアース隊長率いるシグマフォースの隊員たちは、謎の感染症の調査と、患者が発生した国連の支援キャンプから拉致された医師の捜索に当たる。だが、同じ一味と思われるグループに仲間を奪われてしまう。グレイはタッカー・ウェイン大尉と軍用犬ケインに医師たちの捜索を任せ、自分たちは感染症の原因となるウイルスの発生源とその治療法を探す。鍵を握るのはキリスト教の宣教師だったウィリアム・シェパード牧師と、伝説の「骨の王国」……しかし、この感染症を権力の拡大に利用しようと画策する人物がいた。
  • シグマフォース シリーズ⑮ ウイルスの暗躍 下
    990円 (税込)
    パンデミックの間、勇気を持って、そして敢然と働き続けた、 すべての医師、看護師、職員、関係者の皆さんに。ありがとう。 ――ジェームズ・ロリンズ 21世紀はウイルスとの戦い―― 最新の科学的見地をもとにベストセラー作家が 〝現実〟を描き、〝未来〟を予見する…… 世界35カ国で翻訳、全世界累計2,000万部以上突破のベストセラー・シリーズ最新作! ウイルスがなければ我々は誰一人として存在していないかもしれない。 事実、遺伝学者の中にはウイルスこそがこの惑星での生命の起源なのかもしれないと考える人もいる。 いつの日か、母なる自然がその武器を我々に向けることは避けられない。 その時に自然が選択する武器はウイルスだろう。 ――本文より ◉歴史的事実から――コンゴ自由国による植民地支配の残酷さについて ジョセフ・コンラッドの小説『闇の奥』(一八九九年発表)はコンゴ川を行き来する蒸気船の船長だったコンラッド自身の経験に基づいて執筆されていて、彼は自らが目の当たりにしたコンゴ自由国による植民地支配の残酷さについて、「人間の良心の歴史を大いに傷つけた実に不快な略奪の所業」と描写した。十余年の間に、一千万人のコンゴ人が殺害された。英国の探検家エワート・グローガンも次のように記している。「すべての村が焼かれて灰と化し、私が国を逃れる時にはあらゆる場所に死体が転がっているのを見た。その死体の姿といったら――それが恐ろしさを如実に伝えていた!」 では、どのような経緯でこうした非道な行為が起きたのか? 悲しいことに、医学と科学技術の進歩がその原因だった。しかし、こうした残虐な行ないは、この血塗られた時代にシェパード牧師が経験した唯一の「恐怖」ではなかった。長老派教会の黒人牧師でアメリカ人のウィリアム・ヘンリー・シェパードにまつわる別の話が骨の間に埋もれていた。それは地図、遺物、そして彼とは別の、もう一人のアフリカの有名な黒人キリスト教徒の伝説と関係する話だ。 ほとんどの人々はその物語を知らない。 今までは。 〈下巻・あらすじ〉 ウィリアム・シェパード牧師が残した手がかりを頼りにウイルスの発生源と奇病の治療法を探すグレイたちは、コンゴのジャングルの奥深くに分け入る。一方、拉致された医師たちの捜索に当たるタッカーとケインは、敵が拠点とする場所への潜入に成功した。だが、任務を遂行する彼らを阻むのは、感染症を利用しようと企む鉱山王のノラン・ド・コスタだけではなかった。ウイルスに感染した動物もグレイやタッカーたちに牙をむく。ジャングルの奥深くに位置する「骨の王国」に到達したグレイたちの驚くべき発見と、タッカーとケインの強い絆がウイルスの正体と敵の野望に迫る中、奇病はコンゴのジャングルから都市部に広がり、世界には新たなパンデミックの危機が訪れようとしていた。

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シグマフォース シリーズ⑮ ウイルスの暗躍 上 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2023年05月04日

    うーん さっさとは読めませんね。
    ひゃー!とか うわあ!とか言って休み休み読みました。人喰い蟻もヒヒも怖ーい!
    犬のケインが出てくると 誰が怪我して死んでも この犬だけは無事でいられるように!
    と思いながら読みます。
    後半も怖そうです。

    0

    Posted by ブクログ 2024年02月26日

    シグマフォースシリーズ。コンゴで謎の奇病が発生して、患者は無気力、無反応になる。さらにそこに謎の集団が現れ、攻撃を加える。グレイ達は謎の奇病について調べるため、また襲ってきた集団に拐われた人々を助けるためまたも冒険に赴く。
    ウイルスが昆虫や動植物を変異させるなど、相変わらずフィクションとノンフィクシ...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2023年02月14日

    ウイルス この小さくて複雑で大きな役割を持つもの。これを自分の利益のために使おうとするのは人間しかいない。今の地球には。コロナにも陰謀説があった気がする。
    愚かなのはやはり 人 なのかな

    ケインに会えて嬉しかった

    0

    Posted by ブクログ 2023年01月18日

    シグマフォースシリーズの最新作。今回のテーマはウイルスだ。コンゴ民主共和国のジャングルで発生した奇病の調査にシグマフォースの隊員が駆けつける。だが、国連の支援キャンプに何者かが襲撃、一部の患者と医師を拉致していく。彼らは何者で、何が目的なのか?という物語だ。この感染症がウイルスによるもので、人間や動...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2023年05月04日

    シグマシリーズ最新作。
    いつも通り数カ所同時進行でテンポ良く進むが、いつもよりは若干各パートが長く、進みが遅い印象だし、対抗勢力が今ひとつな気が。
    下巻に期待。

    0

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