Posted by ブクログ
2022年08月24日
・財政ファイナンス反対論を長年訴える著者の本。時間がない人は「終わりに」を読めば良い。要点が纏まっている。れいわナントカを支持する人はこれ読んだらなんていうんだろう。
・日銀の財政状況は深刻で出口がなく、また、仮にあったとしても国民に痛みを伴う選択肢しかないということを改めて理解。
・自分に...続きを読むできることは円の暴落というリスクシナリオにヘッジすること。それしかない。固定金利で円資産のローンを組む、円と独立した資産を持つ(外国通貨、外国株、暗号資産など)
自分は日本円で給料をもらい、年金も円資産で積み立てている。海外に出て外貨を稼ぐ力も低い。自分がコントロール可能な可処分所得の采配を考えるときにはこの本の警告(Xデイ)に備えたアセットアロケーションを実行しても問題ないだろう(というか、暗号資産積立や米国株投資信託積立を既にしているので既に取り組んでいるというのが正しいか)
・主張は大筋理解できるし納得もできるが次の点が気になった。
→論拠に「誰々もこう言っている」「日経新聞でこう言っている」と他人の言葉の引用にとどまる説明があり主張をゴリ押しされてる感。
→「〜です。非常識としか思えません」のような一気に結論にジャンプしてる感。その省かれている部分が気になるんだけどな。例えばハイパーインフレで1ドル=一億円になるとしても、日本には弱まっているとはいえクルマや一部工業製品といった国際競争力がある、つまり為替急落のブレーキになるモノはあると思うけど、それらも根こそぎ倒されてハイパーインフレになるというシナリオがわからなかった。1ドル=一万円になったら300万円のトヨタの車は300ドルで買えることになる。そんなことがおきたらトヨタはバカ売れして日本企業の外貨獲得に繋がるのでは?ハイパーインフレって民間企業が外貨を稼ぐ力がゼロにならないと起こり得ないのでは?(ロシアのルーブルが価格を維持できるのは石油という売り物があるから)
→暗号資産を取り上げるのはいいとしても、説明が雑だしミスリードを与えかねない内容。あまり参考にしないほうがいい(なぜビットコイン、イーサリアムに次いでリップルを紹介?リップラーか?)また、純金投資はやったことないから進めないというけど著者は暗号資産投資はそこそこやっているということだろうか。
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米国、資産価格も消費者物価指数もすさまじい上昇
日本のバブルの特異性→資産価格だけ上がり、消費者物価指数は上がらず→中央銀行が引き締めに遅れる
→為替が円高傾向で輸入品は安かった
インフレは不動産や株の値上がりに対しては使わない。物価や賃金といったフローに対して当てはめることば。
"資産効果"→資産を持っている人が、金持ちになったつもりになり消費を増やすこと
日銀、金利0.25%が損益分岐→金利上昇阻止したい→他国が引き締めに入っているのに買いオペ
ジョージソロス対BoE
為替の動向を決めるパラメータ
その通貨圏の経常収支
金利差
為替介入は財務省のお金と判断
円安防止→ドル売り→外貨準備の切り崩し
2022年3月で余力170兆円
戦後のハイパーインフレでは預金封鎖と新券発行
物価高に対する政府の基金積立
→物価高はその商品の消費者が追うべきところを、国民全員で負わされている状態。クルマを使わないのに、クルマ乗りのガソリン代を払ってあげている状態
ハイパーインフレ→物価が1時間ごとに上がる世界
インフレとは、債権者から債務者への富の移行
金持ちから税金取ればいいじゃん論→所得税の限界税率の適用者は2015年でたった30万人。税率1%アップでも税収は400億円しか増えない。
消費税上げればいいじゃん→筆者曰く35%必要。→政治的に無理。
・税金を踏み倒す(インフレ)
・税収をとことん上げる
・財政支出を健全化する
→2,3番目は無理。1つ目しか選択肢がないというのが筆者の主張
筆者の主張
・強い国のリスク資産を買う→ドルMMFなど
・まずは日本にいつか訪れるであろうXデイをいきのこれ
円でローンを借りるときは固定金利にする。→金利上昇対策