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モンテヴェルディからバッハまで
実り豊かな古楽の花園
名曲の数々、音楽の花園、実り豊かなバロックの世界。装飾的で即興性を重視、ドラマの原理が支配する宇宙。モンテヴェルディのオペラ、ヴィヴァルディのソナタ、クープランのクラヴサン曲、バッハのカンタータ。華やかな宮廷舞曲や多様な世俗器楽や厳かな宗教音楽。音楽ファンを虜(とりこ)にするバロック音楽とはどんなものか。その特徴と魅力をあまさず綴る古楽への本格的な案内書。
最近バロック音楽がひろく聞かれるようになりましたものの、まだ後期バロック音楽に偏している気味が強いようです。初期や中期バロックの作品、またフランスやイギリスの作品、さらに中世やルネサンス期の音楽も、もっともっと聞かれてよいはずです。ひろく、しかも実り豊かな古楽の花園に分け入り、未知の音楽の喜びを見いだされるために、この本が少しでもお役に立つことができれば、執筆者としてこれに過ぎる喜びはありません。――<本書「はじめに」より>
Posted by ブクログ 2012年12月29日
いざバロック音楽を聴こうとしたとき、まずその作品群と世界観に圧倒されてしまうことが多いかもしれない。本書はそうした見えない壁を乗り越えるのに役立つだろう。年齢の積み重ねと共に、聴きたい音楽の志向が変わり、西欧音楽の原点を探索し始めた人にも有効だ。音楽の新奇性やオリジナリティを求める前に、実はその本質...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年05月20日
バロック音楽がそれまでの教会音楽および声楽中心を離れ、より器楽的で技術的な構成を有したものへと変化したことがよくわかる。それまでになり共通文法が模索され、それがさらに広い範囲での音楽の発展を促した。やがてその動きは古典学派の流行を生むのだろう。しかし、決定的に重要なのはバロックだ。著者はそのように...続きを読む
Posted by ブクログ 2010年06月15日
『バロック音楽』(皆川達夫、2006年、講談社学術文庫)
本書は、いわゆる「バロック音楽」(いびつな真珠、ゆがんだものが語源)の前後の音楽の潮流を述べ、楽器の発達を含めたバロック期の音楽の特徴を記した書である。まずは音楽史の流れを説明しているので、バロック音楽だけではなく、その前後の音楽史の発展の...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年06月02日
音楽の父バッハ、とバッハにライトが当たりがちだが、それ以前のルネサンス音楽や他の作曲家にも視野が拡がった。バロックは歪んだ真珠という言葉だが、そのとおり当時の整然とした?音楽に対して革新的だったのだろう。私のよく知っているバッハは今でも前衛を感じさせる曲たくさんあるし。バロック音楽が今のジャズに通じ...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月04日
コンパクトにバロックをまとめた概論書。原本は72年の出版。さらに改定、06年に文庫化が本書。読み継がれるだけの理由はある。ヴィヴァルディはいまいち、と好みを明確な上で、聴く姿勢へも苦言を呈しつつ。根本が冷静な筆致なため、偏った印象は無い。ページあたりの情報量が多いが、大まかに流れを理解するのに適して...続きを読む
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